くず鉄作りの海 - アニメネウロ感想ログ(第1話〜第6話)

2007/10/4


アニメ 『魔人探偵脳噛ネウロ』感想 第一話

ついに昨日、日テレにてアニメ『ネウロ』が放映されました。
作画の方はきれいなもので、後半もこのクオリティを保ち続けてほしいところです。
私的には弥子が可愛かったので概ね満足です。お好み焼きを美味しそうにほおばる弥子を見ただけで、それだけで幸せな気持ちになれました。私ハ…マンゾク…ダ。
声の高さもあってか、アニメ版弥子は原作よりも若干テンションが高めに感じられました。ネウロの声は、第一声を聞いた時はそのイケメンボイスに「ネウロのイメージには爽やかすぎないか」と思ったのですが、その直後の本性トークで一変してドスの聞いた声に変化したのを聞いて「お美事」とうなってしまいました。
OP、EDの曲については、MADでのアリプロのイメージが強くなっているせいか、個人的には若干の違和感、というか物足りなさがありました。もっとイカれてる曲のがよかったな、と。

話の内容の方ですが、一つのエピソードを1話に収めるためか、省かれた原作の展開(主にギャグ部分)、台詞があったりして、原作の再現という観点で見ると不満は出てくると思います。ただ、第1話が「食【しょく】」から始まり、第2話にはいきなりオリジナルエピソードが入ってきているように、話の構成自体を変えてきているようで、原作『ネウロ』とは別物として見た方がいいかもしれません。ただ、内容は上々で、アニメオリジナルの演出の部分でも『ネウロ』らしさがなくならないように配慮されています。
他に原作との細かい違いを挙げると、
・すでに魔界探偵事務所の所員に吾代がいる
・まだ弥子と笹塚が顔見知りの仲になっていない(笹塚の方は知っていたようですが)
・弥子の父親が殺された事件にアレンジが加えられている(弥子の父親の死が当初自殺と見なされていたり、殺され方のグロさが数段アップしていたり)
などです。


2007/10/11


アニメ 『魔人探偵脳噛ネウロ』感想 第二話

早くもオリジナルエピソードの入ったアニメ『ネウロ』の第二話。作画、声優さんの演技、そして弥子のかわいさは相変わらず上々なのですが、肝心の内容はというと、総合的な感想としてはなんとも微妙な内容。良くも悪くも無難な内容で、松井先生の描く『ネウロ』らしさがごっそり抜け落ち、毒もなければ華もない内容でした。原作とは別物として見たとしても無難すぎてつまらない。どうせオリジナルエピソードをやるのならもっとはじけてほしかったです。

今回の犯人はmixiのようなコミュニティサイトでアイドル的存在のお嬢様。ゴスロリファッションで「姫」と呼ばれている分かりやすいキャラクターです。
殺害の動機は自分のコミュニティから勝手に抜けたのが許せなかった、という強引なもの。殺害動機の強引さは原作『ネウロ』も同じようなものなのですが、「表情を加工したかった」とか、「食の千年帝国を作るため」とか、「善き髪をヘタクソにいじくられないように土台から切り離すため」とか、原作の犯人の犯行動機の強引さにはぶっ飛んだイカレ具合がありました。それに比べると今回の犯人の殺害動機はなんともベタなもので、犯人もただの頭の悪い子という印象だけしか残りませんでした。
豹変姿は顔に模様が浮かび、爪が伸びて、なんだかコンセプトがよく分からないまま人外化されていました。傘から針を出したりしていたし、ロールヘアー含め、一応蜂をイメージしていたんでしょうか。なんとか『ネウロ』的な豹変を再現しようとして失敗しちゃった的な結果になっています。
2ch関連スレを見ていたら、こんなレスがあったのですが、

>745 名前:名無しさんにズームイン![] 投稿日:2007/10/10(水) 01:56:23.68 ID:jp5iljlG
>糞過ぎる・・・
>原作だったら傘けつにつけて羽生えてきて実際に蜂になってるだろ・・・

そうだよなあ。松井先生だったら絶対ここまでやってるよなあ。
傘をお尻にログインさせた時点で全国放送では流せないものになっていたと思いますが。
第三話もオリジナルエピソードが入りますが、この分だとあまり期待はできなさそうです。

弥子の父親が殺された事件、原作ではネウロによって初め(正確には二番目にですが)に解決された事件でしたが、アニメ版ではまだ未解決になっている模様。いつかネウロが未解決になっている父親殺害の事件を解いてくれることを信じて弥子はネウロに従っているということになっていました。
この分だとラストエピソードに弥子の父親殺害事件の『謎』解きを持ってくるということもありそうですね。

あと『ネウロ』とはまったく関係ないですけど、「ファックユー」が消えたのは全国放送で喋らせるのがまずかったんでしょうか。


2007/10/17


アニメ 『魔人探偵脳噛ネウロ』感想 第三話

オリジナルエピソードその2。今回は「お笑い」がテーマで、ゲスト声優にキャイーンが起用されています。ウド鈴木がお笑い芸人役、天野が今回の犯人役です。
正直なところ、第二話の脚本・演出のクオリティがかなりアレだったことと、今回もオリジナルエピソード、さらに声優にタレント起用と、駄作をほのめかす不安材料が三本柱でそろっていたので、またダメなものが出てくるんじゃないかとかなり心配していました。
が、実際のところは「それほど悪くはなかった」といったところです。不安材料の一つだったキャイーンの演技も、ウド鈴木の方は普段のまんまでしたが、キャラクターがそれに合わせて作られていたこともあって違和感はなかったし、天野の方は普段のイメージとは違うキャラクターにも関わらず、後になって声をあてていたんだと思い出すくらいに溶け込んでいた演技でした。ていうか、普通に巧かったな天野さん。
「良かった」とまでは言えませんが、「前回に比べれば…」という補正も働いて「悪くはなかった」という気になれます。

話の概要は、ウド鈴木演じるお笑い芸人、満腹太郎がライブで全然笑えないネタを披露する。それに対し、開幕前に配られていたワライタケ入りの弁当を食べていた観客が大笑いする(させられる)。そして大笑いしていた観客の何人かが死亡して事件になります。弁当にワライタケを混入させていた満腹太郎の両親が最初に疑われますが、ネウロがワライタケには人を死に至らしめるほどの効果はないと否定。そして観客の弁当に毒物を混入させたトリックが暴かれて、天野演じる真犯人の豹変です。
犯人は元お笑い芸人だったADの男。ドレッドヘアーが変形して蜘蛛男に変身。殺人の動機は「俺の笑いには毒がないと言われたから笑いに毒を仕込んでやったぜ」と少々安易な理由ですが、お涙頂戴な要素を持ってきた前回に比べればずっと『ネウロ』らしい動機と言えます。第二話で一番まずかったのは犯人の犯行動機に安易な同情を誘うところを入れてきた点で、原作『ネウロ』の犯人たちの犯行動機というのは基本的に人から同情されたり共感されたりすることなど求めていない突き抜けぶりがあります。数少ない犯人への同情・共感ができる要素があった例外がアヤとHALの事件ですが、この二つは弥子の成長と密接に関わっていたところで、話のキーポイントとなっていたところでした。取って付けたような動機ではありませんでした。
殺害のトリックについては原作でも力を入れてはいないところなので別に気にはなりませんでしたが、ただ、今どきワライタケ食って大笑いするって展開はどうかとは思います。そもそもワライタケの症状って顔が引きつって笑っている「ように見える」だけであって、実際は苦しいらしいですし。

第三話ではあかねちゃんが登場。あかねちゃんの登場から魔界探偵事務所秘書への就任までの流れはだいたい原作通りでした。ただ、ネウロの「これからは死体の髪の毛も借りたいほど忙しくなりそうだからな」のセリフ、これって原作ではアヤ事件をきっかけに弥子が有名になったことで探偵の仕事が忙しくなりそうだから言ったセリフで、すでに女子高生探偵として有名になっているらしいアニメ版の状況では今さらな気がします。第二話ですでに有名なのにちまちまとビラ配りをしていたことも違和感がありましたし。
そして弥子の家庭環境が明かされました。ここは原作とは違うところで、弥子の父親死亡後、弥子の母(遥)は仕事で海外出張に行ったきり。高校一年の弥子は一人暮らしという状況でした。父親が死んだばかりなのに、遥があっさり娘を一人残して海外に行ってしまうことにはさすがに引っかかりました。少なくとも原作ではそういう性格ではありませんでしたし。ここはせめて仕方ない事情があったなどのフォローは入れてほしかったところです。
アニメ版での原作との変更点ですが、どうも今のところ変更したメリットが見受けられません。話の筋は原作よりもすっきりするどころか説明不足と余計な混乱を招いていますし、もう少し上手くやれなかったのかと思うところはあります。

弥子はまあ、今回もかわいかったのですが、ただ、毎回犯人に説教させるのはやめてほしい。


2007/10/24


アニメ 『魔人探偵脳噛ネウロ』感想 第四話

公開されたスケジュールでは、今回から第六話までは原作準拠のストーリーが続きます。オリジナルエピソードにはあまり過剰な期待はしない方がいいことが分かったので、アレンジはあるにしても原作通りの話をやってくれることに少し安心します。
第四話はヒステリア編。しかし、原作では7週を費やしていた話を1話に詰め込んでしまうという荒技をかまし、予想通りにははしょりすぎな内容となっていました。原作の、笛吹が「奴はもう爆弾は仕掛けないッ!!」と言った瞬間に背後でビルが爆破されるシーンやネウロがエレベータのドアをこじ開けて無理矢理入ってくるシーン、エレベータの3人のブッチャケなど、食材の上質の部分をいろいろばっさり切り捨てて調理されてしまったかたちです。無理せず2話に分ければいいものを、1話にまとめようとするメリットがいまいちつかめません。
いいところを一つだけあげるとすれば、原作ではなかった、吾代を事件に介入させてのアレンジは悪くはなかったと思います。

とりあえず第四話にしてアニメ『ネウロ』スタッフがやりたがっていることが大体分かってきました。アニメ版では毎話、以下の展開でパターン化したいようです。

1. 事件が起きる
2. 弥子「犯人はお前だ」
3. 犯人豹変
4. 弥子が犯人に説教
5. ネウロが犯人にお仕置き

アニメ版弥子がやけに説教臭いなと思ったら、弥子に犯人の非人道ぶりを糾弾させるという役割が与えられているからなんですね。原作ではあまり自分の主張を前面に押し出してきたりはしないキャラだっただけに、原作ファンが一番違和感を覚えるところでしょう。

それと、注目すべき点はヒステリアが使っていたパソコンにHALのマークがあったこと。ヒステリアが電子ドラッグの犠牲者ということにするのかどうは分かりませんが、どうやらHAL編も入れてくるつもりのようですね。
それにしても、弥子の父親殺害の事件はいつまでひっぱるつもりなんでしょう。


2007/11/2


アニメ 『魔人探偵脳噛ネウロ』感想 第五話

早乙女「『殺す』ってセリフは…終わってから言うもんだぜ。オレたち“ヤクザの世界”ではな」

すでに魔界探偵事務所が成立しているアニメ版の時間軸からは少しさかのぼって、ネウロが事務所を手に入れるに至る事務所編の話。アニメ版の現在の弥子が長袖なのに対し、事務所編の弥子が半袖なので、夏〜冬へと魔界探偵事務所が誕生して半年が経過したのがアニメ版の現在軸なのでしょう。今回は若干はしょられた部分をのぞけば、ほぼ原作そのままの展開。原作の話数も短い話だったので、無理な圧縮にもならずにすんでいました。
とりあえずは無難に終わった回といったところでしょうか。ただ、「とんでもない延長線なの、この場合!!」「あ、その点は大丈夫、延長は30分までの店にするよ」のやり取り、コアラ抜刀斎などが省かれていたのが残念なところでした。「延長」については例え尺が余っていたとしても流せなかったのかもしれませんが。今回は弥子のお説教タイムの挿入はなかったのはよかったです。
あと、鷲尾がネウロに精神破壊されるシーン、ここはちょっと分かりにくいところでしたね。原作未読の視聴者には、ただ追いつめられた鷲尾が状況がやばくなったんで逃げ出しただけのように見えてしまい、あっさりと鷲尾を逃がしてしまったことに煮え切らないものを感じたんじゃないでしょうか。もともと原作でもあっさり片づけられていてわかりにくいところではありますが、それならそれで、本編終了後のオマケカットでフォローするよりは本編で追加演出を入れてほしかったところです。竹田編が未展開なので、ネウロが人の脳味噌を自由にいじくることができるという説明も今だ明確にされていないだけにフォローなしでは鷲尾がどうなったのか分かりにくいところであると思います。
逃げだそうとしたところをネウロに捕まえられている弥子、金融事務所員に囲まれてビビる弥子などはかわいく表現されていて今回いい仕事がされた部分だと思います。動きのある弥子を愛でるという観点でいえば役割は果たされた回であります。


2007/11/10


アニメ 『魔人探偵脳噛ネウロ』感想 第六話

「鉄壁で……」
「『ネウロ』という作品にチラリは用いぬ」

先月、マッドハウスにより映像化された弥子のスカートは
アニメであろうと鉄壁そのものである

涙が自然に溢れてきた
体育座りをしても
真後ろに転んでも
斜め下の角度から映されても
鉄壁である弥子のスカートこそが
絶対領域であることを目の当たりにしたから

いつかたどり着きたい
理想の絶対領域の姿が目の前に輝いていたから


アニメ『ネウロ』第六話は噛み切り美容師編。原作準拠、元の話数も短い話なので、今回も安心して見られる方でした。
ただ、原作では百舌が弥子を心理誘導をして隙をついて捕らえていたところが、こちらではグダグダな襲い方になっていたのが気に入らなかったところでした。個人的にあのシーンは「うまいな」と感嘆できたところだっただけに。それから余計な情報を漏らした石垣に対する笹塚のドS行為がなかったのも、何か肝心なものが抜け落ちているという感覚がありました。原作の石垣がダメ人間ぶりを大いに見せた後なので(いいところも見せましたが)、アニメ版では何か石垣がすごく真面目に仕事をしている人間に見えてくるんですよね。
その代わり、あかねちゃんを封じる時の百舌の無駄にバトル漫画っぽいかっこいい動きのアレンジはいかにも(良い意味で)ばかばかしくてよかったです。
動く弥かねちゃんを再現してくれたことには素直にいい仕事をしてくれたと思います。

次回は「箱【はこ】」ということでいよいよXの登場です。Xといえば、アニメ版のヒステリア編ではスルーされていた笹塚の家族殺害の事件の絡みがありますが、現状、原作でも伏線のまま解決していないエピソードなので、アニメ版ではXと笹塚の因縁どころか笹塚の家族殺害の事件そのものをスルーする可能性があります。
弥子の父親殺害の事件をいまだ引っ張ったままで伏線を増やしても無駄に話が複雑化するだけなので、X絡みの因縁はある程度切り捨てていくと思われます。