第1回ZOZ団(斬を大いに盛り上げるための斬愛好家の団)活動
2006/7/30『斬』のヒロイン、月島さんです。 実際日本刀って描くのに厄介だと、この絵を描いていて思いました。特に刀特有のあの反りが。 34号のジャンプ感想で「ネット上での評判はいまいち」と書いた『斬』ですが、実際には「いまいち」どころか散々たるもので、特に2chでは「漫画界の『MUSASHI - GUN道 -』」と、四半世紀最悪のアニメと同列に語られる始末。 設定や描写のおかしなところなどが大いにネタにされ、第一話からしてある意味話題沸騰となる勢いを見せています。まあ、本当に悲惨な漫画っていうのは、話題にすらされない『村雨くん』なんじゃないかと思っているんですが。 『斬』については、突っ込みどころには事欠かないのは確かですが、光るものが何もない漫画というわけではないと思っています。特にヒロインとか。そういうわけで、ちょっとこの漫画についてフォローを入れてみることにします。 「くず鉄作りの海」は『斬』を応援します。 ■斬コラム:『斬』についてのフォロー ・斬の刀について 『斬』の刀の描写について力の入れようが足りないと、ジャンプ感想で書きましたが、しかし実際、同じくジャンプで連載している『BLEACH』や『ワンピース』も刀については『斬』と同じくらいの描き込みしかしていませんし、これは細かすぎる突っ込みでした。それに『リボーン』では山本の新刀が登場しましたが、これなどは日本刀の形状すらしていません。 『斬』の刀 (モデルはストーカーで、致命傷にはならないように人の心臓の位置を貫くことができる剣技の達人、木下くん(36)) 『BLEACH』の刀 (モデルはオカッパ男) 『ワンピース』の刀 (モデルはアシュラマン) 『リボーン』の上手いけど刀とは違う剣 (モデルは息子に野球選手ではなく殺し屋の道を継がせようとしている人) 私が読んだことのある漫画の中で一番刀の描写が精密だったのは『バキ』でしょうか。 『バキ』の刀 (モデルは夜の公園を刀を持ってうろつく人。「通り魔」とも呼ぶ) さらに刀の形状をどれだけ細かく描き込んでいるかを見てみると… 一応簡単な説明を付けておくと、 ・切先:刀の先端部分 ・横手:切先と平地を区切るの切先下部の線 ・刃文:「はもん」と読む。焼き入れを行ったときに白く変色する部分で、きれいにまっすぐの形で表れるものを「直刃(すぐは)」、それ以外を「乱れ刃」という ・平地:刀の刃側の部分 ・樋:刀の中心に沿って入っている溝。軽量化、衝撃の緩和等のために入れられる ・鎬地:刀の棟側の部分。鎬の頂部を鎬筋という ※説明に一部誤りがあったので修正(7/31) とりあえず『バキ』の描写が精密、というかやりすぎなことは分かりましたね。 これを見た後に他の漫画の刀を見ると、おもちゃの刀かなんかにしか見えなくなります。 ていうか、なんで『バキ』スゲーっていう結論に行き着いてるんだ。 ・ヒロイン月島さんについて 第一話からしてすでにその行動の多くに突っ込みが入っている彼女ですが、ここをあえてフォローしてみようと思います。 ・女子高生にして剣道五段の彼女 剣道の級・段位の取得には年齢制限があり、全日本剣道連盟が定める剣道五段の受審条件は「四段受有後4年以上修業」、そして年齢制限は「23〜24歳以上」ということになっています。高校生の年齢で取得できる段位は最高でも三段までです。 これを当てはめると、剣道五段の月島さんは実は23歳以上の何回留年したのか分からない女子高生ということになってしまいます。剣道にばかり打ち込んでいて勉学をおろそかにしすぎているのでしょうか。 しかしこの漫画の世界は、現代でも真剣を持つことが許されているような世界です。その世界で「剣道」という武術に関する規定が実際の「剣道」の規定と同じであると考えるのはむしろ不自然です。実際の「剣道」の段位は八段が最高ですが、『斬』の世界ではこの倍以上の段位があってもおかしくありません。 もしかしたら、真剣勝負で人を一人殺ったらいっきに二段くらい昇格するとか、それくらいのものなのかもしれません。この理論でいくと、すでに人を三人殺っている牛尾くんは剣道六段クラスの実力者ということになります。月島さんの剣道五段にまったく動じなかったのもうなずけますね。ついでに、数十回の真剣勝負に勝利したという故・村山斬ノ介氏は剣道100〜120段くらいの実力者です。 ・真剣勝負に横槍を入れた彼女 真剣勝負の最中に木下に乱入された時の月島さん(23)の台詞 村山と木下が真剣勝負をしている最中に月島さんが取った行動 背後から不意打ち。 すげえよ、最高だよこのヒロイン! --―――-- 、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ |::::厂 ̄'''ー――一'' ̄ ̄|:::::| |:::| |::::| |:/ ____ /______ヽ:| /^''Yニ -=ニ・ニ>卅彡ナナナ ニY''ヘ | 久|ニ ー'´| `ー ニ|/ヘ| v V v V v V v V v V v !.イ|ニ l| ニ|ヽ | > < ヽ_|彡/ l|、_l 〕 ヽミ|_ノ > 真剣勝負なんて < |`>// v======v ヽヾ<| < < |:::::`>// ヽ___/ ヾ<'::::| > 見えやしねー!! < | :l:::::::`> `――‐'′<'::::|:: | > < | l ::::::::::\__/::::::: l | ハ 八 ハ 八 ハ 八 ハ 八 ハ あ…いや、ちゃんとフォローしましょう。 第一話の最大の突っ込みどころになっているこの行動ですが、よく考えてみましょう。確かに月島さんと牛尾は真剣勝負の真っ最中で、木下はそこに不意打ちで乱入してきました。しかし、村山と木下が闘っていた時、その時は村山と木下の一対一の勝負というわけではありませんでした。この少し前に、木下は月島さんに対して明確に「殺す」と発言しており、これは月島さんに対しての戦意を示すもの、つまり彼は先に月島さんに真剣勝負の意思表示をしていたのです。 なのでこの時の闘いは、「村山対木下」の一対一の勝負ではなく、「村山+月島さん対木下」の二対一の勝負だったはずです。それを、今は村山と斬り合っているからといって、その隙を月島さんが狙って攻撃してはいけないという理屈はありません。むしろ、二対一の真剣勝負において、敵の一人に対して背中を見せて油断していた彼の方に非があります。真剣勝負は命のやり取りです。不意打ち、だまし討ちは当然のこと、月島さんが隙を付いて攻撃したのは至極もっともなことです。 ▲ |