ジャンプ感想(2005年38号) 『NARUTO』 サクラの怪力パンチで倒されたかと思いきや、もうちょっとだけ粘る蠍の旦那。 蠍の体はすでに手足・胴体・頭部すべてが傀儡。本体はわざとらしく「蠍」と描かれた筒の中のようですね。あの中にナニが入っているのか考えるとちょっと怖気だちます。 サクラのパンチでバラバラにされても平然と自分を組み立てて再生する蠍。すごい再生力です。 次に予想される展開は、 サクラ、蠍の胸の「蠍」と書かれた筒が弱点とにらみ、これをつかみ取る。 蠍「きさま、ねらっておったな…」 サクラ「蠍よ、これでおはんの傀儡地獄はおしまいだ。オラがこのキーパーツをはずすと同時におはんの体は音ばたててくずれ落ちる…さらば蠍!」 そして「蠍」の筒を抜き取るサクラだが、蠍の体はビクともしない。 蠍「フォフォフォ…どうしたのかなサクラくん…」 サクラ「どうなっとるんじゃこれは!?」 キーパーツを奪い取ったにもかかわらず崩れない蠍に動揺するサクラ。だが、そこへチヨ婆のアドバイスが入る。 チヨ婆「いいか!キーパーツを外すというおまえの考えはまちがっていなかった!しかし蠍の体をくずすにはそれにプラスαが必要だったんじゃ」 サクラ「そうか…わかりましたチヨ婆先輩!蠍は元は砂の国の忍者。砂は水に弱い。砂は風に弱い。そして砂は音にも弱い!!」 そして「しゃーーんなろーーーー!!」とイヤな雄叫びをあげて音の衝撃で蠍の体を破壊し蠍を撃破。 とうとう奥の手まで出しちゃった蠍の旦那の頭上に死兆星が見えます。 『太臓もて王サーガ』 「ダメだあ、ジョジョネタしか浮かばねー」 「亜門、それはジョジョネタ以外を考えようとするからだ。 逆に考えるんだ、「ジョジョネタばかりでもいいさ」と考えるんだ」 と今週もジョジョネタ満載だったわけですが、ドズル中将や完璧超人にもくすりときましたが、この人はジョジョネタの時が一番キレがいいです。今週のジョジョネタは電車の中で読んでいて笑いをこらえきれませんでした。3部の「イエローテンパランス」と承太郎ネタと、1、2部のストレイツォと、ジョジョファンに限定したような対象範囲の狭いネタですが、ネタの範囲が狭いほど逆におもしろくなるネタというのもあります。知らない人には本当にさっぱりでしょうが… 『魔人探偵脳噛ネウロエリート刑事笛吹ムスカ』 笛吹刑事、すでに2chのネウロスレでは度々言われていますが、この人はどこかラピュタのムスカ大佐を連想させます。傲慢ぶりやそれが最後にはヘタレていくことが予想できること、それとメガネがそうさせるのでしょうか。 桂木弥子の探偵事務所に向かおうとする大佐の一行でしたが、途中普通じゃない人だかりができているのを見て、「ハハハ見ろこの人だかり!人がまるでゴミのようだ!」と言いたげな顔をして車を止めさせます。 ここで一つ自分のエリートぶりを見せておこうと現場検証の監査に乗り出します。そして爆弾でバラバラに飛び散った死体を見て、また「ハハハ見ろこの死体!人がまるでゴミのようだ!」と不謹慎なことを言いたげな顔をして「焦げた臭いが残ってるな、それに死体の損傷、爆弾か?」と一目瞭然なことを言います。 そこへ現場に居合わせていた桂木弥子登場。 笹塚に「たこわさありがと〜」と手を振る姿がかわいいです。 食べ物をくれたことですっかり笹塚になついています。またエサをくれるんじゃないかと期待する犬の心理に近いです。 さて、そんなヤコに対して敵意むき出しの笛吹刑事は、「ハハハ見ろ!名探偵にしてはゴミのように貧相なツラだ!」と初対面の女の子を侮辱します。大人気ないです。親子ほど年齢の離れた子供相手に「私をあまり怒らせない方がいいぞ!!当分二人きりでここに住むのだからな」とムキになるくらい大人気ないです。 さすがにこれにはヤコも怒ることも忘れて少々「何……?この人…」とあきれています。 どうもこの人はカッコの付け方が変な方向に向かっているようです。どこか歯車が噛み合っていなくて空回りしている感じです。 爆弾魔「ヒステリア」は被害者の知人の中にいると断定する笛吹刑事。それを対してネウロは犯人は顔見知りではないと否定します。さっそく向こうから挑戦してきたことに笛吹刑事は「はっはっは、さっさと逃げればいいものを、あっはっは、私と戦うつもりか」とここぞばかりに叩き伏せてやろうとします。自分の推理の確かさを証明しようます。 笛吹刑事が勝ち誇った顔で「つまり奴はもう爆弾はしかけないッ!!」と宣言したその瞬間………彼の背後でビルが爆発しました。 あまりにタイミングの悪すぎるできごとにずり落ちるメガネを直すのも忘れています。「あ〜あ〜推理がぁ〜私の推理がぁ〜」とばかりに放心状態になってしまいました。 今週の携帯の中にいたこの生き物がかわいかった 『カイン』 サブタイトルが「サヨナラ」なうえに全員集合の表紙だったので、今週で最終回かと思いました。あと1、2話だけ続くのかな。 今さらですがシュコウの能力が「爆炎」だということが説明されてようやくわかりました。なにかドラゴンボールにおける”気”のようなものを発射してるなとは思ってたんですが。 あと、さらに今さらなんですが、総帥のおじさんの能力がケツからジェット噴射だということに気づきました。素でやっているのか冗談でやっているのか微妙なところがいいです。カインの初期の破傀掌も、腹からマジックハンドで微妙なダサダサ感が漂っていて素敵でしたが、敵も味方もこういうおもしろギミック満載にしていけばある種の特別なファン層は獲得できて、連載は長引かないまでも一つの祭りは起こせたかもしれません。
ジャンプ感想(2005年36・37合併号) 『太臓もて王サーガ』 この漫画に詰め込まれたパロディの元ネタついては、金銀パールさんのところで解説をやっておられますが、この漫画の醍醐味の大部分はこのヤケクソな勢いで詰め込まれたパロディの元ネタを探すことにありそうです。とりあえずジョジョのガラスのシャワーに一番笑いました。 それにしても第三話からしてこのテンション。ちょっと異常です。まだ連載始まったばかりにもかかわらず、ロケットで突き抜ける前に好き放題やってやれという悲壮感すら感じられます。線香花火にたとえると、火を付けた瞬間から燃え尽きる前の最後の輝きを発していて、あれ、早くない?という気持ちにさせられます。 『DEATH NOTE』 夜神パパ亡くなられてしまいました。月は自分の家族にはもう少し愛着を持っているかと思ったらけっこう非情でした。月の 「父さん 頼む 死なないでくれ」 「余計な事は喋るな」 「死ぬな バカヤローッ」 の一連の台詞。月の本心を知っているのと知らないのとでは意味が天と地ほども違ってきます。月の非道ぶりが一番現れた回だったんじゃないでしょうか。 松田や相沢たちはともかく、夜神パパに対しても 道具としての利用価値 > 親子の愛情 だったんでしょうかね。 がんばったのに… 『魔人探偵脳噛ネウロ』 『いちご100%』が連載終了し、ジャンプの恋愛漫画の座をめぐって『ネウロ』と『もて王』が競い合っていることは周知の事実ですが、今週のネウロもストロベリー指数が急上昇していました。 『もて王』は先週、「デレ」抜きの「ツンデレ」キャラを登場させ、今週も北大路似の新キャラを投入しハーレムフォーメーションを作り上げつつあります。一方、『ネウロ』も、先週はネウロとヤコが急接近し、今週も大人の男、笹塚刑事が、西野つかさのごとく手作りケーキならぬ、たこわさの差し入れをして親密度アップ。ヤコも思わずうっとりとハートマークまで出しちゃってます(たこわさに)。 年頃の女の子へのお祝いにたこわさを持ってくるところが笹塚刑事らしくてまた渋い。ヤコの好みをよく理解してのことでしょう。まあ、ヤコなら食べられるものであればエサを与えられる犬のごとくなんでも喜んで受け取りそうですが。 さて今週は筑紫と笛吹の二人の刑事が登場しました。関係ないですが筑紫刑事、『寄生獣』の後藤に似てますね。ビキニ姿でピアノとか弾きそうです。 そして笛吹刑事はなにやら笹塚刑事に対抗心を燃やしている模様。昔何かあったんでしょうね。笹塚のことを「無能無能」と言いながらも、人の行動をストーカーのごとく逐一調べ上げて意識しまくりです。えっと、これが最近流行のツンデレってやつですか? 笛吹刑事の説明で、回想の中ですが、竹田、至郎田、アヤが久々に登場しました。それぞれ「不肖の身内」、「奇跡のシェフ」、「世界の歌姫」とニックネームを付けられたうえに豹変後の姿も一緒に描かれ、まるで過去にヒーローに倒された怪人のような紹介のされ方をしています。 今回の犯罪者はボマー(爆弾魔)。ニックネームを「Histerrier」。ヒステリーとブルテリアをかけているのかと思ったんですが、カードの絵はぜんぜんブルテリアじゃないですね。「ヒステリア」でぐぐるとデフ・レパードの『ヒステリア』というアルバムが見つかります。どっちかというとこっちに似ている? 『HUNER×HUNTER』 軍儀に熱中する二人の『月下の棋士』のような展開に、先々週の感想では「軍儀で命を捨てる覚悟」なんて書きましたが、ほんとに命をかけ出しました。そしてついには軍儀で流血沙汰まで発展。次は吐血か血尿でしょうか。
ジャンプ感想(2005年35号) 『テニスのムーンサルト様』 「駄目だぁ−っ!! 向日が(いろんな意味で)止まらねーっ!!」 まさに期待通りの変態アクロバティックプレイを披露してくれる日向くん。今週は彼の体技が大活躍です。203ページ目にいたっては飛んでるだけでポイントになっています。もはやボールを打つことすらしていません。このままどこへ飛んでいくつもりなのでしょう。 しかしこの試合、乾・海堂コンビではなく菊丸くんとの再戦で見たかったです。 アクロバティック対アクロバティック。戦いは地上にとどまらず、アクロバティックプレイヤーの意地の張り合いで上空2000メートルの雲の上でボールの打ち合いをする日向と菊丸。自分を高速回転させて菊丸にとどめを刺そうとする日向だが、菊丸は得意の分身で11人のスクラムフォーメーションで迎え撃つ。 最近のテニスの王子様はこれくらい無茶なことを書かないと冗談にならないので恐ろしいです。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 今週のお話、打ち切り最終回のようなノリだったのでちょっと焦りました。 X(サイ)という理解を超えた凶悪な存在に出会ったことで自分の無力さを感じるヤコ。たしかに人の脳を揺さぶる歌もあらゆるものに化ける細胞もヤコにはありませんが、ヤコほどの異次元の胃袋を持った女子高生も世界中探してもそうはいないと思います。 ヤコを優しく見守る俊敏なデブ。いつのまにか定番キャラになりつつあります。それにしても「僕等」と複数形になっているのが気になります。自分と叶絵ちゃんを含めて「僕等」と言ったのか、ヤコのファンが他にもたくさんいるんでしょうか。アヤ事件以降注目の存在となっていますから、彼を筆頭にファンクラブができていてもおかしくはありませんが。 ネウロの改造により、外出も可能になったあかねちゃん。エヴァのごとく、本体と接続していないと短時間で活動限界が来てしまうとのことですが、私から見れば、どちらかというと髪の毛の方が本体という気がします。 今週のネウロは少しだけいちご100%なノリでした。 真中「それじゃ質問。白紙に戻した関係だけど、もう一度俺とつきあってくれますか」 西野「………」 真中(……うわ。露骨に嫌そ〜〜〜…) 『DEATH NOTE』 ついに追いつめられたメロ。ノートも奪われ、本名も暴かれ、もはや後がありません。 しかし背水の陣で道連れ覚悟の手段に出るメロ。「何をするかわからない」男メロはそう簡単にはやられません。形成は逆転し、再びメロが主導権を握ったかに見えました。 だが、メロは自分以上に何をするか分からない男の存在を忘れていました。 夜神総一郎。 タチの悪いクセだね〜♪ このまま車〜ごと〜♪ キミのウチに突っ込もうかなんてことまで浮かんでくる〜♪(B'z 『ZERO』) とばかりにテレビ局にトラックで本当に突っ込んだ男、夜神総一郎。 覚悟を決めたときの彼が一番何をするか分からない上に危険です。 「やりたければやれ」 「私は、もう命など惜しくはない」 と自分の命は捨てる覚悟。 さらに、 「私の部下だ。皆、覚悟はできている」 と、部下の命を捨てる覚悟もできてしまっています。 いつの間にかメロだけではなく自分の部下の命まで握ってしまっています。 当の部下達にしてみては状況はメロが爆破で脅しを描けてきたときと変わりません。命を握られた相手がメロから夜神次長に変わっただけで状況は何一つ変わっていません。
ジャンプ感想(2005年34号) 『魔人探偵脳噛ネウロ』 表紙がなんとなくデスノートっぽいですね。 X(サイ)との決着はおあずけ。どうやらこのままネウロにおけるラスボス的な存在になるようです。 そして筒井刑事はみんなの心配にもかかわらず「箱」にされてしまいました。二週前の感想で筒井刑事のことを「命拾いしたな」とか書きましたがぜんぜん命拾いしてません。今思い返せば「箱」にされるシナリオをまっしぐらに突き進んでいたくらいです。 今回は犯人の豹変する姿はなく、明もちょっとジンマシンを出していたくらいですし、Xの鷲尾や竹田刑事のような豹変ぶりは今回は見せませんでした。が、かわりに筒井刑事がこれでもかという勢いで豹変ぶりを見せています。「どのみち逃げれねーんだ。黙って乗ってな」と言って腕を舐めているときの筒井刑事の顔は完全に犯罪者ヅラです。腕を舐めている理由もよくわかりません。猟奇的性格を表す演出で刃物などの武器を舐める演出がありますが、それを真似ているのでしょうか。さすがに拳銃を取り出すわけにはいかなかったから自分の腕にしたのでしょうか。 そして「手柄!!」、「デカイ顔!!」、「名声!!」、「出世!!×3」と欲望まみれな筒井刑事。よく見ると目が¥になっています。とってもわかりやすい人です。今週でお別れするにはなんとも惜しい人でした(過去形)。 そして警官たちを始末した後にさっそく挨拶に行くX(サイ)。行動早いですね。ヤコに変身して刃物を取り出すX(サイ)。偽ヤコの動作があまりにもさりげないのでぜんぜん気づきませんでした。 オレはそんな人間の醜さをイヤというほど味あわされ生きてきたんだよ デストローーーイ!! ぜんぜん落ち着いてない 『みえるひと』 やっべ!ひめのんがかわいい。握手をギャウウウと握り返すところや「生意気だね?」って言っているときのナチュラルなかわいさが最高です。あとエージと会話してていきなりあさっての方向に向かって「あはははは」と笑い出すところも最高です。 ひめのんがかわいいのはいいけど、二話目にしていきなりバトルものな展開になってしまいました。違う、そっちじゃない、読者が期待するのはそっちじゃない、悪霊とか必殺技なんて誰も期待していない、と思うのですが… 「樹海なんかに行くんじゃなかった…」と悔やむエージのように、「バトル展開になんか行くんじゃなかった…」と作者が悔やむことにならなければいいのですが。 ところで案内屋の人とエージがどうにもBLEACHの浦原とジン太に見えてしまいます。 『テニスのムーンサルト様』 テニスの王子様といえばこの人を忘れちゃいけない、空飛ぶブチャラティこと日向くんがついに再登場です。 日向くんの安っぽい挑発に思いきりつられて激怒する海堂くん。思わずラケットで相手に殴りかかっています。 きっと後で手塚部長に「ラケットは人を傷つけるためにあるんじゃない!!」と怒られてベンチの裏でボコボコにされることでしょう。 日向くん、気合いも十分入っています。相手がボールを打つ前からムーンサルト。無駄な動きで観客を魅了することも忘れていません。 そして変態スーパーテニスプレイが当たり前のこの世界でいまいち地味だった乾くんが、ついに必殺技っぽいものを身につけました。ぬおおおおおビッグバン!! 「ドン」という効果音と爆風とともに相手プレイヤーの二人も消し炭にされたかと思いました。 ボールの軌道が少しずれていたら消し炭になっていたかもしれない二人組。あまりのできごとに唖然としています。 乾「見ろ なっ ビビってるぜ」 海堂「駄目っスよ まだ殺しちゃ」