2006/7/26今週はSBR感想もあるのでいつもより早めの更新。 ジャンプ感想(2006年34号) 『斬』(新連載) ネット上での評判はいまいちみたいですが、個人的には読み切りでは少し期待していた新連載です。ぶっちゃけ好きかもしれません。 とりあえず私のおおまかな感想としてはこんなところです。 キャラクター:主人公は刃物を持つと人が変わり、記憶すらなくなるアブない子。人間性の危険度では木下君といい勝負。あと、すでに人を三人もSATSUGAIしているらしい牛尾君は早く警察に突き出すべきだと思います。ヒロインの月島さんはかわいいです。 絵柄:某スパイ漫画とは違い、古くもなく、かわいらしい個性のある絵柄。ただ、全体的に線がぐらついている、キャラクターの顔パターンに乏しい(目の造形パターンが二種類しかない)など、いくつか欠点もちらほら見受けられます。しかし、この辺は新人なのでこれから伸びていくところだと思われますし、月島さんがかわいいので許せます。 描写:斬られる描写に迫力がない。太刀筋と出血の仕方が噛み合っていない、大量に出血したわりには結構普通に立ってるなど、戦いに迫力がかけている、というかそれ以前の問題か。あと、武士と刀の漫画なんだから、刀にはもっとリアリティを込めて描いてほしいところです。徹底的にリアルに描く必要はないとは思いますが、せめて鎬地(※1)、平地(※2)、刃文(※3)の形が見て取れるくらいには力を入れてほしいところです。 でも月島さんの寝顔がかわいかったので許せます。 ※1 鎬地:刀の棟側の部分 ※2 平地:刀の刃側の部分 ※3 刃文:焼き入れしたときに刃が白く変色した部分 補足:カラーページには一応この描き込みは見られる ストーリー:気は弱いが人並み外れた怪力を持つ主人公が武士として成長していくお話。第一話のつかみとしては無難なところでしょうか。現代日本+日本刀常備という強引をやったわりには、少々無難すぎる展開な気もしないではないですが、月島さんがかわいいので今後の展開に期待です。 結論:月島さんがかわいい。 基本に忠実であるがゆえの完璧な太刀筋 『NARUTO』 当然のごとく予想される読者からのツッコミに先手を打ったのでしょうか、「火、水、土、風、雷」以外の忍術についてのフォローをしてくれました。 「血継限界」のちゃんとした説明ってここにいたってようやく出たんじゃないでしょうか。最初は特定の血筋のみにしか使えない術のことだったような気もしましたが。 そして「影真似」や「倍化の術」の説明も求められて困った顔をするカカシの心境はそのまま今の岸本先生の心境を映している気がします。 岸本先生「んー、その説明にはまた(考えるのに)時間がかかるし。一度に話すと(読者も作者も)混乱するからな…」 ヤマト隊長は右手に「土」、左手に「水」で木遁の術を作り出していましたが、右手に「火(遁)」、左手に「氷(遁)」で極大消滅呪文とかできちゃうんでしょうか。 『BLEACH』 ウルキオラの介入で中断される戦闘。「任務完了」と言っているところを見ると、織姫を手に入れることが目的だったようですが、直接織姫を連れて帰ってはいませんね。どうやらまだ 現世での破面と死神たちの戦いを織姫に見せて脅しの材料にしようとしたはいいが、逆に破面の方がボコボコにされていてウルキオラとしては恥ずかしいことこの上ないことになってしまったので、しかたないので邪魔だから即座にブチ殺そうとしていた死神二人の命を人質に取って織姫に約束を取り付けたんでしょうかね。うわー、行き当たりばったりだなこの人。 今は死神二人の治療を完了させる必要があるので動けないが、後で藍染の元に来ることを約束させられたのかもしれません。少しでも頭の回る人がいれば、「寝惚けたことを……そんなもの破ればよかろうっ……!反故反故っ…!」と言ってくれるかもしれませんが。 ウルキオラ以外は「任務完了」というよりは「退却」という言葉が似合っている選りすぐりの十刃のみなさん。正直、現世に派遣された死神の選抜メンバーが日番谷隊長を初めとするヘタレばかりだったので心配でしたが、十刃をそれに負けず劣らずヘタレにすることでうまく力の均衡を保っていました。なるほど、インフレっていうのはこうやって防げばいいんですね。 そしてルピにトドメを刺し損ねてまんまと逃げられた日番谷隊長。死んだふりして影でこそこそ仕込みまでしてルピを追いつめて、偉そうに「一度攻撃を加えた相手に対して、気を抜きすぎなんだよお前は。「残心」って言葉を知らねえのか?」などとかっこつけたことを言っていたわけですが、まさか日番谷自身も「残心」って言葉を知らなかったとは想定の範囲外です。僕らの予想の斜め上をいくヘタレぶりです。一度攻撃を加えた相手に対して気を抜きすぎです。自分の言葉に責任を持てよ。 『リボーン』 _ _l l_ _l l_ //[][]  ̄l lニ、ヾ  ̄l lニ、ヾ _l l_ ヽヽ-, く ノヽ-ゝ く ノヽ-ゝ  ̄l lニ、ヾ  ̄ く ノヽ-ゝ ヽ、 /ニニヽ / ヽ_ / o o l / 真剣は切れ味がある分 \\. く u_'_ ゝ ,' あつかいやすいし \\_/ '――‐' |_ l 素人から玄人まで幅広く ,k´ \l ̄ ̄ ̄/::::::::l`ヽ、 i 使われている剣士の基本武器 /| ↑、 /\_.ノ:::::::::::ヽ ヽ | 対して変形刀は見た目なんかは . / | /:::::::::\/ヽ:::::::::::::::::::', ! `、 | 真剣とほとんど変わらねぇが / l/:::::::::::::::::::`ヽニ=::::::::::::::V i < あえて蒼燕流以外の型じゃ . / /::::::::::::::::::::::::::::::\\:::::::::::::ヽ | | 竹刀に戻るようにして / i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\\:::::::::::i ! | 時雨蒼燕流専用にした / |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\\:::l´ \ .| 玄人好みのあつかいにくすぎる刀 . / -、 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ 刃―、-゙ | 使いこなせねぇとナマクラ刀より弱い ´/ Y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`メ, ヽ、| ただの竹刀みてぇなもんだってのに / /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| | ', 何であのガキは? . / /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ | ヽ / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ | \ 『ムヒョとロージー』 さんざん引っ張った毒島さんがようやく登場したわけですが、残念なことにガスマスクは付けていませんでした。で、魔法律の師匠がなんでトラックの運転手をやっているんでしょうか。魔法律家というのはどこかの国のギャングのように目立つことを嫌っていて、彼女のように表向きの仕事を持っているのが普通なのか、それとも魔法律家なんていうマニアックな職種はある程度売れっ子にならないとそれ一本で食っていくのが難しいからなんでしょうか。 そしてリオ先生といい、この毒島さんといい、魔法律協会の世界では、ムヒョのような一部の天才をのぞいて、魔法律家の師匠として弟子を取るにはきれいなねーちゃんが露出度の高い格好をしないと誰も弟子入りしてくれる生徒が集まらないという深刻な事情があったりするんでしょうか。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 はるかわ「わたしは へいわなせかいに あきあきしていました。」 はるかわ「そこで でんしドラッグを つくりだしたのです。」 というのが春川の動機だったと主張するヒグチ。がしかし、HALはともかく、春川は事態が拡大することを問題視していましたし、電子ドラッグで犯罪に走った人間を元に戻してやることも考えていました。この辺は弥子の直感の方が的中しているわけです。 動機を決めつけてかかっているヒグチも、推測や理解の結果というよりは、ヒグチ自身の思想に合致しているからこの動機と決めつけているかんじですね。 弥子に反論されて急にイラだったようにボリボリと頭をかき始めるヒグチ。なにげないクセや仕草だったりしても、この漫画だとそれがいつ豹変の伏線になるか分からないので妙に気になってしまいます。 ネウロを警戒すべき相手と認めたHAL。いよいよネウロとHALとの正面衝突が始まります。 それにしても、サッカーのW杯を観ているネウロの台詞、 「この試合で負けるために4年間も前フリをしたのだろう?それは確かに見逃せないな」 やる時期を一つ間違えば民衆の気持ちを逆なでしかねない際どいジョークですね。 ところで、春川教授は表向きはいまだ「行方不明」扱いですけど、ほんとに死体はどこに処分したんでしょうかね…… 死体が出てきていればまだいいんですが、行方知れずのままだと怖い想像ばかり沸いてきます。弥子が海亀のスープをご馳走されたり、江崎さんのアパートから買ったばかりの大型冷蔵庫が見つかったり、 錯刃大学の並木道に桜の樹が一本新しく植えられたりしていないか心配になります。 『謎の村雨くん』 ワザとそう描いているのか、素で描いてこうなったのか、ツバキの上目遣いがメチャクチャキモいです。この辺は許斐先生と同じくらいにどこまで素でやっているのか判断に迷うところです。玄人好みのあつかいにくすぎる漫画です。 バルト「キモいからその顔でこっち見るなよ」 ▲
2006/7/17ジャンプ感想(2006年33号) 『OVER TIME』 第2回J金未来杯受賞者による新連載。金未来杯受賞というと、第1回にそれを受賞したある漫画家のせいで、その漫画家に箔が付くどころかろくでもないイメージしか付かなくなっていますがどうなることやら。 この漫画も編集部からの強烈なプッシュでしばらくは打ち切り回避が保証されているんでしょうかね。編集部としても同じ失敗は二度も繰り返せないところでしょうが。 もしコケてしまって完全に打ちきりになる流れになったとしても、最後の手として超強引な路線変更を行い、異世界で獣人と魔法ベースボールで対決するファンタジー物語に変貌を遂げたりするかもしれません。野球という要素が残っていればまだマシですが、ゲームの受け売りなマジックアイテムだとかそんなものを使って戦うようになったら目も当てられません。 そういえば、ジャンプのアンケートでは新連載の漫画に関して「今後どのような展開を期待していますか?」という項目が常に設けられていますが、この漫画に関してはどんな選択肢が設けられているんでしょうか。 >☆新連載『OVER TIME』についてお聞きします。 (中略) >2 今後どのような展開を期待しますか? > @リアリティのある野球マンガになってほしい > A魔球などが出てくる野球マンガになってほしい > B幽霊が活躍するマンガになってほしい > C恋愛マンガになってほしい > Dライバルがたくさん登場するマンガになってほしい うっかりAの選択肢を「魔法などが出てくる野球マンガになってほしい」と読み間違えて、なんだこの自虐的なギャグの仕込みはとぎょっとしてしまいましたが、その方向に路線変更しても違和感のない選択肢しかなくて安心しました。 ああでも、魔球はやっぱりやめてほしいな。地方の人間をバカにする某野球漫画みたいな話になるのはイヤだし。 さて肝心の作品の内容についてですが、一見傍若無人だけど実はがんばり屋で後輩思いのツンデレ野球部員が死んで幽霊となって、同じく野球部員だがやる気ゼロという主人公に取り憑くというお話。 主人公に幽霊が取り憑いて導くという話はジャンプではそれほど珍しくはなく、成功例では『ヒカルの碁』が、失敗例では『キックスメガミックス』というテコンドー漫画がありました。 ところで鷹見くん、仏葬されたくせに幽霊になった姿は背中に鳥の羽根とクリスチャンな出で立ちなのね。 第一話を読んだ感想としては、鷹見のツンデレぶりが非常にグッド。肉体的指導の仲裁に入る校長さえもぶん殴るロックすぎる行動にはかなりツボを打たれました。校長なんて見えやしねー。 が、一方主人公の太郎の方は今のところ印象はイマイチ。鷹見に比べてこれといったインパクトはなく、さらには『ツギハギ』の真備のような無気力ぶりを見せていたのが印象悪くしていましたね。鷹見に取り憑かれたことでこれから少しずつ主人公にも変化が出てくるようになるのでしょうが、その方向転換をしていけるかどうかが人気を得られるかどうかのカギですかね。 ていうか、これ、鷹見を殺さないでそのまま主人公にしていた方がよかったんじゃないの?こういう主人公って今のジャンプにはいないし、絶対その方がおもしろい漫画になっていたと思うんですが。早くも大きな失敗をしてしまったんじゃないでしょうか。 『ワンピース』 「ウソップなら助けられる」って言っていたのは、超長距離射撃でためらいの橋まで狙撃できるからってことでしたか。「そのきれいな顔をふっとばしてやる」とばかりにスパンダムの顔に集中砲火するウソップ。こんな遠距離からスコープもなしに正確に人間の顔面に命中させるウソップの射撃の腕前はまさにプロの殺し屋並み。 しかし狙うのはともかく、あんなパチンコでよくあの距離まで届きますね。 『BLEACH』 なんていうか、ルキア、この子はもうダメだ… 前回手も足も出ずにやられた相手に動きを止めたくらいで油断しすぎじゃないですか。日番谷隊長から「残心」という言葉を習わなかったのでしょうか。あれだけ圧倒的な力の差を見せつけられたくせに、グリムジョーを自分の実力で仕留められたと考えることのできるおめでたい脳味噌は一人前の死神としては失格、そこそこの実力があっても席官にすらなれないのはしかたのないことか。 あとグリムジョーはどこまで斬魄刀解放を引っ張るつもりなのか。もう出すタイミングを逸しちゃってるんじゃないでしょうか。 『NARUTO』 『H×H』の水見式みたいのが出て来ましたね。なんかこれ、忍術の修得の上ではものすごく基本っぽい気がするんですが、物心ついた頃から忍者アカデミーに通い、卒業して正式な忍者になってもう何年にもなるナルトがいまだにそれを知らずにいたってかなりヤバくないですか。飛行機のパイロットが運転の基礎知識のいくつかをまったく知りませんでしたとか言ったら誰もその飛行機になんて乗りませんよ。 チャクラの性質は「火・風・水・雷・土」の五種類。そういえばナルトたちって火の国の忍者なのにサスケ以外に火遁系の術を使うヤツがいないなと思ったら、修得できる忍術が生まれついての特性で決まっちゃってるわけなんですね。ということは、火影だけど火遁の術はさっぱりデースだったり、風影だけど得意な忍術は水遁だよってこともあるわけですね。なんか騙された気分になりそう。 ところでナルトも言っていますが、それ以外の性質ってないんでしょうかね。念能力で言う特質系のような。木遁の術とか、音忍の術とかはそんなものは見えやしねーってかんじで論外なのか。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 久々のセンターカラー。今回はいつになく正統派な絵で来ましたね。 凹凸のないバディは仕様なのか… 錯刃大学へ春川に会いに行くネウロと弥子。が、当の本人はすでに殺害済み、表向きは仕事を休んでいることになっているようです。ていうか死体はどうしたのか… そしてネウロたちを出迎える例の三人。ネウロと弥子は当然知りませんが、読者はこの三人がすでにHALの支配下にあって春川を殺害した当人であることを知っています。素直に彼らについていくのが危険であることを知っています。特に『ネウロ』という漫画は、次のページを開いたらいきなり豹変した人間が現れてお年寄りの読者の心臓を止めかねない漫画です。彼らがいつ弥子やネウロに危害を加えようとするか気になるわけです。 春川の研究室を見たいと言うネウロ。そして、ちょうどネウロと弥子が後ろを向いたその瞬間、引き出しから何かを取り出そうとする江崎… まさか凶器を取り出す気か!? 志村ー!後ろ!後ろ!! って、あれ? 普通だ… おかしいな……深読みしすぎたか。 春川の研究室へ案内されたネウロと弥子。しかし、そこには春川が使用していた、そしてHALの存在していたコンピューターはなく、すでにどこかに移動されていました。 そして何気なく何かを拾おうとする朝永… 確か春川を襲った時もこういう風に不意打ちで攻撃してきていました。やばい…! 今度こそ志村!後ろ!後ろー!! ……あっれ〜。 おっかしいな。『ネウロ』という漫画に偏見を持ちすぎていたんでしょうか。 今までが今まででしたからね… そしてネウロと弥子を残して部屋を戻る三人組。 どうやらまだここではHALも事を起こす気はないのか、催眠術を解いてしまった後はHALの支配も及ばなくなってしまっているんでしょうかね。 加藤ー!ペッ!ペッやってー!! そして春川は変人好きだったんですね。好きと言っても単に脳の仕組みの興味のためだけだったんでしょうけd… ……… /\___/ヽ /'''''' '''''':::::::\ . |(○), 、(○)、.:| ∴・ | ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| . | `-=ニ=- ' .:::::::| ∴・ \ `ニニ´ .:::::/ ∴・ ,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、. : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ママー!大変!おじいちゃんの!おじいちゃんの心臓が止まっちゃった! ちくしょう、そう来たか。 まさか二回もフェイクを入れて読者の不意を突いてくるとは、完全に読者が豹変を期待していることを狙ってのことですよ。まったく心臓に悪い。 最後にスーパーコンピューターの定義ですが、大規模な科学技術計算のために開発されるもので、主に計算処理のためだけに使用されるものです。スーパーコンピューターとワークステーションとパーソナルコンピューターの違いとか、情報処理技術者の試験でよく問われる例だったりしますね(ワークステーションは科学技術計算やグラフィックデザイン等に特化した高性能のコンピューターのこと)。 『ムヒョとロージー』 ミックに捕まってさらわれる今井さん。いやしかし、これほど人質に取られる姿が似合わないおなごもいないんじゃないでしょうか。今井さんってそういうキャラじゃないし。ほんとにエンチューの寝首でもかきそうですよ。 むしろこの中で一番さらわれて人質に取られる姿が似合いそうなのってロージーです。そして白馬の王子様のごとくヒロイン・ロージーを救出する今井さん。うん、こっちの方がはるかに想像しやすいです。 ▲
2006/7/12ジャンプ感想(2006年32号) 『テニスの王子様』 今週のジャンプを読んであらためて思いました。許斐先生は天才です。 不二対毒手使い白石の戦い。そんなのあったっけというくらいにいつ出たか思い出せない、消えるサーブで攻撃をしかける不二。それに対する毒手使いの反撃は… いったいどういう原理で消えるサーブを返したのかとか、わざわざ真ん中の動きは入れる必要があったのかとか、そんな疑問を挟むのが愚かしく思えるほどに華麗な動きを披露する白石。 この華麗なテニスプレイに完敗でした。 私のジャンプ感想の書き方は、まずジャンプを一通り読んで、それから、 1. 話の要点、ネタにできる箇所、突っ込み所を抽出する 2. 感想に書くネタがそろったらそれをどういじるかを考える 3. 実際に文章化する という流れで書いています。 これを料理に例えるなら、上記の1〜3のプロセスは、 1. 材料の仕入れ 2. 材料を調理する 3. 料理の形に仕上げる に置き換えることができます。 しかし、『テニスの王子様』に関してはこの作業プロセスが当てはまらないことがしばしばあります。なぜなら、今週のようにすでに料理の形にまで仕上がったネタが転がっているからです。 こちらがネタを探すまでもなく、いじくるまでもなく、最初から極上の調理済みのネタが落ちているんですよ。そんなことをされてしまったら、こちらはただそれを拾い上げて盆に乗せるくらいしかすることがありません。初めからネタとして完成されてしまっているのに、これ以上どういじくればいいというのでしょう。 悔しいのでとりあえず動かしてみた。(こっち見んな) 未熟な私にできるのはこれくらいしかありません。 ところで、さっき言った「天才」とは、天然の才能を持つという意味です。 『BLEACH』 予想通りウルキオラに肉片にされる役目をきっちりと果たす護衛二人。二人目の死神は心臓ごと吹き飛んで即死に見えるんですが、これも助けられるんですかね。 そして現世で破面と戦っている一護や日番谷たちの映像を見せて「お前がその手に握っているのは、仲間の首が据えられたギロチンの紐」だと脅しをかけるウルキオラ。ですが別にこれ、織姫が言うことを聞いたからって戦闘が中止するわけでもなし、さらにはその直後にその仲間の首にギロチンがやられてしまっていて脅しの役にすら立っていません。下手したら逆にウルキオラの方が脅されかねない無意味ぶり。 そしてルピって結局男だったんですか。先週の「羨ましいな」発言はなんだったのか。女性化願望の気でもあったんでしょうか。 さて、 そういえば、ヴァストラーデ級の虚が十人以上いたら尸魂界はお終いとまで言われていたわけですが、十刃になった連中も全部はヴァストラーデっていうわけではなさそうですね。逆に隊長クラスの死神10人以上に乗り込まれたら虚の世界がお終いになりそうです。 ところで、松本副隊長が「あたしお喋りな男ってキライなのよね。自分を語るものが言葉しかナイみたいで、なーんか気の毒に見えちゃってさ」と言っていたわけですが、いつだったか日番谷も藍染と戦ったときに「あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ」と似たようなことを言われていましたね。松本副隊長も心の中では日番谷のことを「気の毒」と思っているのかもしれません。 『ムヒョとロージー』 先々週の一撃で終わりだったらあまりにもあっけなさすぎるとは思いましたが、やっぱりミックまだ生きていたんですね。 が、パンジャでこれだけ盛り上がった後にこんなしょぼくれた敵と戦ってもたいして面白みもありません。食後のデザートにもならない料理の食いカスに等しいです。 前座のつもりでパンジャをよこしたら、その前座に大盛り上げされすぎて客の盛り上がりを全部持って行かれてしまったお笑い芸人くらいに見ていて悲しくなります。 今週のムヒョの「黙れ三下…!!オメェにゃ用は無ェ」という言葉がよく合っています。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 しょっぱなから登場した、やたらと顔と言動の濃い名も無き警官がやけにおもしろかったんですが、この人名前もないままなんでしょうか。 すっかり望月の会社の副社長として定着した吾代。社長の望月の方は完全に無能な社長で定着してしまったみたいですが、パトロン編でいかにも裏の世界の大物な雰囲気を見せていたのはなんだったのか… そして再登場した早坂兄弟。「早坂が売ろうとしていた密輸武器の購入者が後になって判明する」というのがパトロン編で残されていた伏線だったので、それがここに来てようやく解消されたわけですね。こうして見ると、早坂兄がネウロに再起不能にされずに済んだのも、この今回での再登場を予定してのことだったんでしょうね。 新しい暗器を身につけたと思わせぶりなことを言うユキ。これは今回だけでなく後々も出番があるということでしょうか。皮手袋の中に何か仕込んでいるようですが、これから連想できるモノというと、アラミド繊維で攻撃とかでしょうかね。『Hellsing』のウォルターだとか『バキ』のドリアンのようなことをしてきそうです。 そして早坂兄は営業スマイルのよく似合う男から一変して葉巻とウイスキーの似合いそうな男になっていました。しかしすごいネクタイしてるなあ。吉良吉影のドクロネクタイといい勝負してますよ。 早坂兄弟から得た情報から春川にたどり着いたネウロと弥子。ネウロたちが会おうとする当の本人はすでにこの世にはいないわけですが、HALにしても自分の安全を考えると素直にネウロたちと対面すると思えないので、HALもトラップなりを仕掛けて待っていそうですね。 『村雨くん』 ついに顔が明らかになった謎の三人組。 なんか、「魅力のないキャラクターを3人作れ」と言われて描いたとしてもなかなかはこうはいかないくらいに見事なまでに魅力のない造形ぶりです。これもある意味才能か。 あと舌を噛み切っても人間は死ねません。運が悪ければ出血多量か噛み切った舌が喉に詰まって死ぬということはあり得ますが、リストカットと同じくらいに実際には致命傷になるのは難しい死に方です。 『受験戦士一文字解U』 全体的にはイマイチなんだけど、『聖闘士星矢』を読んだ世代なら笑いのポイントがわかって少しだけ笑える漫画です。こういう主人公が変な熱血ぶりで一人突き進んでいく漫画って最近のジャンプでは見なくなっているので、こういう漫画が一つくらいあってもいいんじゃないかと思ったりもします。 『みえるひと』 大量の蛇に体中まとわりつかれる澪。これが矢吹先生だったなら、今頃澪は無数の蛇に体中まさぐられたり服を破かれたりしているところです。そんな絶好のシチュエーションでもいっさいのエロ描写はしない、なんともストイックなことです。 ▲
2006/7/5ジャンプ感想(2006年31号) ・武装錬金アニメ情報 武装錬金ドットコムでも先行プロモーションムービーが公開されましたが、クオリティはかなり高そうですね。核鉄がバルキリースカートに変形する様も丁寧に描写されてますし、パピヨンのひらりと回るステップも華麗に表現されています。こうした漫画原作では表現されていなかった部分にもこだわっているのは期待していい要素だと思います。 あと、いろいろと懸念されていた斗貴子さんのあの台詞もちゃんと言ってくれてますね。 『D.Gray-man』 『Dグレ』もとうとうアニメ化ですか。 ところでジャンプ表紙にヒロインの代わりに長らく本編に出て来ていない誰かさんがいるのはなぜなんでしょう。もしかして、『ワンピース』の扉絵サブストーリーみたいに、本編には登場しない代わりに扉絵にだけ登場するレアキャラ扱いにするつもりなんでしょうか。 さて本編ですが、ストーリーの進展はあまりなし。その代わり、今週はもう、 に尽きる内容、これ以外に語るべきものがありませんでした。これでは百戦錬磨のエクソシストでもおちる!! 『ワンピース』 カクの変形に「そんなキリンはいねぇ」と突っ込むゾロ。カクが鼻銃をやり始めたあたりから読者が突っ込みたかった気持ちをようやく代弁してくれました。おそらく『ワンピース』を読んだ小学生あたりの読者層は、キリンのことをサイのように鼻で外敵を攻撃する獰猛な動物なんだと誤解を抱いてしまったことでしょう。 そしてカク対ゾロの戦いも決着。 ゾロの新技、「阿修羅」の攻撃理論がさっぱりわかりません。細かい説明抜きで力押しで無理矢理読者に納得させてしまう力量はさすがとは思いますが、テニス漫画のようにオーラだとか隕石を降らすとか、そこまで非現実的なことはしない『ワンピース』で、ゾロの頭部と両手が3つに増えたこの「阿修羅」の現象は説明に窮します。 なんとか解釈するならば、この「阿修羅」、ゾロが超高速で頭と腕を左右にシャカシャカと動かして残像を見せることで頭と腕を3倍に増やしているのでしょう。三刀流でダメならダブルス、否、トリプルスでいくよ、といったところでしょうか。 そしてカクはそのシャカシャカ動く高速運動にはじき飛ばされてやられてしまったのでしょう。 『リボーン』 血を流して興奮しだしたベル。 「ベルが自分の血を見て興奮するのは、その血に血を分けた兄の姿を見るからだ」 「彼は幼少の頃、双子の兄をめった刺しにして殺したらしい」 「その時のことを彼は何食わぬ顔で「ゴキブリと間違えたんだ」と言っていたよ」 うっわー、なんかうさん臭いことを言い出したよ。 ていうか、自分と瓜二つの双子の兄をゴキブリと間違えたってことは、つまり自分のこともゴキブリだと言っているわけであり。なに間接的に自分をおとしめてるんだか。 きっとこのベルたん、他にもいろんな伝説を持っているんでしょうね。例えば、産まれた時にすでに自分は危険だと気づいたベルたんは、産まれた瞬間に「殺してくれ」と発言したとか、兄だけでなく両親もSATSUGAIしたとか、本能寺の変で織田信長を暗殺したのもベルたんだったとか。 ベルフェゴール「俺はマフィアに感謝している。マフィアなっていなければ、猟奇殺人者になっていたから」 『アイシールド21』 最強の天才、阿含についに打ち勝ったセナ。今週は普通に熱くて燃える展開でした。 しかし、今ってまだトーナメントの第一試合なんですよね。ここでラストバトル並みに展開を盛り上げちゃって、この試合が終わった後どうするんだろうと少々心配にもなります。この後、今さらはるか格下の太陽スフィンクスだとか、西部ガンマンズだとかと戦ってもぱっとしないでしょうし、こいつらに苦戦したら嘘くさくなってしまうでしょうし。なんだか本当に『SLAM DUNK』の山王戦のようなことになりそうな展開です。 または、この後も泥門を苦戦させるとすれば、ここで脚に無茶をしすぎたセナがしばらく試合に出られなくなって、二回戦以降セナを退場させて、セナなしで決勝あたりまで泥門ががんばるという展開でいくとかでしょうかね。 『銀魂』 そういや今回のシリーズの始まりって近藤さんの見合い話から始まったんでしたね。すっかり忘れてました。 そして「バナナ入刀」には噴き出しました。すごいよ近藤さん、昔のフランス王家の習慣で大勢の貴族たちの前で公開出産したマリーアントワネット以上に度胸の要る作業だよ。ていうか、少年誌で「バナナ入刀」なんて言っちゃっていいのか。加藤鷹もあれだけど。 『ムヒョとロージー』 ストーカー属性が抜け落ちてみると、やっぱりパンジャ普通にかわいいじゃない。 でもあのストーカー属性あったればこそ、ここ数週の『ムヒョ』がここまで(私一人で)盛り上がったわけですが。 霊沸浄化し、成仏していくパンジャ。ああ、結局逝ってしまうわけですね。かろうじて生き延びてムヒョたちの仲間入りすることも少しだけ期待していたんですが、やっぱりダメでしたか。個人的にあのナナとかいう要らないヒロインとパンジャを交代させてもいいくらいだと思っていたのですが。ロージー、今井さん、パンジャで三角関係を築いて、今井さんに嫉妬の炎を燃やしてやっぱり陰で「ちくしょう…ブタ!あのブタ女め…!」と言っているパンジャが見たかったです。 みんなに見守られて天に昇っていくパンジャ… 「特別かと思って期待しちゃった」と言うパンジャがなんとも切ないです。しかし、その後のロージーの台詞でブチ壊しデスよ。 ロージー「ボクがあの時話しかけなきゃ、ティキに目を付けられなかったのに」 ロージー「普通の…!!女の子に戻って……普通のお友達に…!!」 最悪だこいつ。なに精神的なトドメを刺してるんだよ。 そんなロージーの心ない言葉にも、霊沸浄化のおかげか、優しい言葉を返すパンジャ。報われないなあ。 ところで、パンジャとロージーって二回出会っていたんですね。助手試験の時にも、パンジャはロージーが悪霊相手に活躍する姿を見ていたわけですが、ロージーが悪霊を撃退した時のシーンがどう見ても狙っているようにしか見えません。とりあえず、言葉でどうこう説明するよりも、実際にモノを見てもらった方が早いでしょう。 はい、ここでパンジャは、優しさに惚れていたロージーに再度出会い、さらにはもやしっ子と思っていたロージーの思わぬたくましさまでも目の当たりにして惚れ直してしまうわけですね。そういえばペイジ長官も、「ロージーのは常人の三倍ある」って褒めてましたよね。赤い彗星もびっくりです。 ところで今回のコラ画ですが、作った後になって「またモザイク使ってエロネタかよ」と思われるかなと思ったので、やっぱり違うモノで隠してみることにしました。 バナナ入刀 ロージー「ところでボクのバナナを見てくれ。こいつをどう思う」 『BLEACH』 ルピの斬魄刀解放、たしか「蔦嬢」とかシャレた名前を付けていましたが、どっちかというと「蔦嬢」というよりは「オクトパス」って感じです。 とうとうタコ足に捕まってしまった松本副隊長。ルピも期待通りというか予想通りというか、触手の先っぽを卑猥な形に変形までしてくれました。 ところで松本副隊長の体を見て「いーなぁセクシぃだなあ」と言ってるってことはルピって女の子ですか。今になってようやく気づきました。いやまあ、ルキアも彼女が高校の制服を着るまではずっと男だと思っていた私ですが。 さて一方尸魂界では、丁重なお見送りまでされて現世に戻る織姫。死神二人の護衛付きとVIP扱いです。と、そこに現れたのはウルキオラ。うわ、さっそく護衛二人の死亡確定ですか。確かによく見ればこの死神二人、面構えからして犬死にしそうな臭いが漂ってます。死ぬために生まれてきたような面構え、生まれてきてごめんなさい。 ウルキオラ「存外尸魂界も無能だな。最も危険が高いのは、移動の時だということを知らんらしい」 無能は確かだけど、「移動」どうこう以前にこんなところにまでやすやすと敵に侵入されている時点で十分に無能だと思います。尸魂界編ラストでは、半数近い隊長、副隊長たちで取り囲んでおきながら手も足も出せずに藍染たちに逃げられた彼らのことを無能と気づくのが少々遅かったんじゃないでしょうか。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 徐々に蔓延しつつある電子ドラッグ。宝石はめたパンチを「2千万円のパンチ」と言わせるセンスがすごいです。 対策に追われる笛吹たちに人体実験を提案するヒグチ。警察側の人間の中では笛吹や笹塚たちとは違い、手段を選ばないタイプですね。初めて電子ドラッグへの感想を漏らしたときも、プログラムの凄さに感嘆していただけですし、善悪よりも知的好奇心を優先するタイプ、春川に近いタイプですね。 そのヒグチに対し、「犯罪に行きつく…か。ヒグチ、おまえのようにか?」と意味深なことを言う笛吹。警察側の人間としては特異なタイプとしてレギュラー入りしていくと思っていたヒグチですが、後々彼もネウロたちの敵側に回ってしまうんでしょうかね。 これまでのような犯罪トリックとは違う今回の『謎』、ネウロは「その本体を探し出して破壊して初めて…データ化された『謎』を喰う事ができるのだ」と言います。つまりは、ネウロが電子体である電人HALを破壊することが今回の話の最終目的になるわけです。 ところでソファーにかけた弥子が読んでいる本、何を読んでいるんでしょう。ネウロにソファーごと投げつけられた時にかろうじて表紙が見えています。 「Noono」? 女性ファッション誌「non-no」をもじったものでしょうかね。表紙の絵もそれっぽいですし。 これまで弥子の私服姿は何度か出て来ていますが、オシャレに気を使っていると分かるものが多かったです。大食いの属性があまりにもインパクト絶大、かつ強すぎて他の点が見落とされがちですが、身だしなみにも気を使う女の子であったわけです。 それにしても、同じ空間にいるだけでネウロから虐待を受ける可能性があるのに平然と雑誌を読んでいる弥子の度胸もすごいと思います。 さて、早くもネウロたちへの攻撃をしかけてきたHAL。今までの犯罪者や、ネウロたちを陥れようとした望月、早坂たちとは違い、いくら犯罪行為を行ったところで法律・社会的な面では自分自身に身の危険は及びません。犯罪を実行して捕まるのもHALが操った人間ですから、いくらでも替えがききます。今までになく強引な手段が取れるわけです。 破壊された窓から見下ろすネウロ。不敵にほほえむ小柴。それを見守る弥子。 今回の引き、めちゃくちゃ格好いいですよ。 ▲ |