2006/10/25ジャンプ感想(2006年47号) 『BLEACH』 ウルキオラ「お前は既に身も心も我らが同胞。それを身につけたということは、そういう事だ井上織姫」 他に着替えがなかったので渡された服を着たら、いきなり拒否権無しで仲間入りさせられてしまった織姫。まるでどこぞの悪徳商法の手口を見ているようです。 ウルキオラ「…言え。貴様のその心と躯は一体何の為にある?」 微妙にいやらしい言い回しで織姫の口から既成事実を認めさせようとするウルキオラ。本当なら「藍染様の為」にではなく、「ウルキオラ様の為に」と言わせたいところなのでしょうが、それはまだ時期尚早と考えているのでしょう。 ところで「身も心も藍染様の為に」とか言っておきながら、グリムジョーを始めあんまり言うことを聞かない奴が多いのは気のせいでしょうか。 とても都合良く五つに分岐した分かれ道に出くわした一護たち。しかし道もわからぬ不慣れな場所でバラバラに行動すれば、合流することすら難しくなるでしょう。しかも、どこで十刃が待ちかまえているかもわかりません。もし十刃と戦うことになれば、この中で一番戦闘力の高い一護でさえも、十刃 6のグリムジョー相手に斬魄刀解放させることさえできなかった有様です。チャドやルキアあたりが対一で十刃と出くわしてしまえば、レベル1の勇者がバラモスと戦闘になるくらいの確実さで逃げることすらできずに全滅することでしょう。普通に考えれば石田の言うとおりに順に織姫を探して当たっていくしかないでしょう。 そんな風に一護たちが話し合っているところに、一人空気の読めない子がいました。 単独行動を取ったら真っ先に死にそうな奴のこの一言に、思わず石田も言葉を詰まらせてしまいます。 お兄ちゃんのおかげで虚園まで来られたもんだからって、ちょっと調子にノっちゃってるんでしょうか。 一護「何言ってんだ!相手は十刃だぞ!?全員一緒に動いた方がいいに決まってんだろ!!向こうだって1人で来るとは限んねーんだ!コッチがバラバラになったら…」 一護の言い分が全面的に正しいと思うのは私だけでしょうか。 ルキア「…言った筈だ。”私の身など案ずるな”と。私は貴様に護られる為に此処に来た訳では無い!」 かっこいい台詞だけど、十刃に瞬殺される奴が言っていい台詞じゃないよ。 しかもルキアの太鼓持ちの阿散井までもが擁護を始めて、なんだか一護の方が間違ってるような雰囲気になってしまってますよ。 『斬』 見回りに行ってくるという討条に「は、早く帰って来いよ」と不安げになる金蔵。今度こそ邪魔者もなく密室の中で月島さんにやりたい放題できるはずですが、討条がいないことがよほど不安なのか、そんなことを考える余裕もないようです。自分に圧倒的に有利な条件とはいえ、れっきとした真剣勝負です。一応相手も人を殺すには十分な刃物を持っている以上、万が一の可能性もあり得ます。しかし、もしその万が一が起きてもいざという時は討条が助けてくれるという余裕もあったのでしょう。そんな金蔵を凶人月島弥生と二人きりで残していく討条の行動はどう見ても金蔵に「死ね」と言っているとしか思えません。 月島さんも敵二人が背中を見せているという一大チャンスを目の前にしていますが、普段の彼女なら有無を言わさず不意打ちの凶行に及んでいるところが今回はそんな余裕もないようです。 裏切り者は「命をもってケジメをつけさせてやる」と言う討条。この漫画で一番武士(オトコ)らしい発言をする人じゃないでしょうか。金蔵が「クソ」だの「悪」だのと言われていることには否定しないのも潔いです。刺々森や、おそらく壊原も、金蔵との主従関係は金だけでつながっているのに対して、討条だけは「善悪に関わらず一度忠誠を誓った主についてゆく」とはまた一途な男です。『聖闘士星矢』のカミュもこんなことを言っていましたね。 さて今週最後はついに新キャラ二人の登場です。大剣男とメガネ委員長(仮)の登場………って、あれ…メガネじゃねー!畜生、騙された。しかも委員長タイプですらなかったし。『BOWY』や『無頼男』の世界にいたら真っ先にチンピラに拉致されたり悪徳プロダクションの社長にセクハラされるタイプの人じゃないですか。 しかしこの新女性キャラ、よく見ると特徴が月島さんと対照的なんですよね。
と、細かい部分までキャラクターが被らないようにキャラの特徴を付けていることがわかります。 ところで最後のページの3コマ目の顔が西岸良平漫画のキャラに見えてしまいました。 そして大剣男の方も、もっとまじめなタイプかと思いきや結構口調は荒っぽいですね。 「あわわわ、血ですよ血ぃ〜〜〜!な、何が起きてるんですか先ぱ〜〜〜い!?」 「うるっせぇな、黙んねぇと殺すぞ」 「で、でもぉ〜〜」 「お前は俺の言う事だけ聞いてろ」 うーん、少々あざといですが、この二人の性格と関係はよくわかったやり取りでした。 この二人の素性はまだ謎ですが、「お前は俺の言う事だけ聞いてろ」なんて台詞は単なる先輩後輩の関係では言えない台詞です。この台詞から二人の強い主従関係も見て取れます。ネウロとヤコの主人・奴隷コンビにも近い関係かもしれません。 この台詞、いつかウルキオラも織姫に言ってみたいと思っている台詞なんじゃないでしょうか。 / / i \ \\ :. :. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ ,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :. :. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ} あわわわ |i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:} 血ですよ :. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :. 血ぃ〜〜〜! .| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{ な 何が起きてるんですか :. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', : 先ぱ〜〜〜い!? | :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ :. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. / ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\ :. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:. / / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ', ./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',:. { /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}:. V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄ ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{ リ:. ヽ:.:{、.:.V : : ヘ : : {: : :/:.::∧| ヽ! )人 : : :人 : : : / \! :. " ヽ : : : : :/イ{ :.ノ: : : :.\ :. :. \__///: :\______/: : : : : : : ヽ / //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ', :. / 、 {;{ |;| . : i/. : : : : : :| 全然関係ないですが、この人に言わせてみたら予想以上に似合っていました。 そういえば校庭に血の跡しか残っていなかったってことは、壊原くんはあの後起きて自力でお家にお帰りになったんでしょうか。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 弥子「あわわわ、血ですよ血ぃ〜〜〜!な、何が起きてるんですかネウロ〜〜!?」 ネウロ「うるっさいぞ、黙らんと殺すぞ」 弥子「で、でもぉ〜〜」 ネウロ「お前は我が輩の言う事だけ聞いてろ」 空母の制圧を完了し、守りを完璧なものにしつつあるHAL。先週の感想で「電子の世界でもネウロからの脅威に身を守る術も手に入れたのかも」と書きましたが、何も今さら新たな防衛手段を作り出すまでもなく、物理的に完璧に守られている場所に「スフィンクス」を設置するだけでHALの守りも完璧になるわけでしたね。 それに対して篚口との戦いでネウロが負ったダメージは大きく、着々と防衛構築作業を進める今のHALを止めることはできませんでした。 それどころか吐血と昏倒、Xとの戦いの時でさえ見せたことのなかったネウロの姿がありました。 HALの最後の砦、最終制御パスワードを解くのは弥子の役目だと言うネウロ。 だいたい厳重なセキュリティを要する場でのパスワードというと、意味のない任意の文字列を付けるのが普通で予測しようもないものでしょうが、今回の場合は特殊です。あくまでHALが暴走した時の制御用という、非常時のスイッチのためのものです。緊急時にも間違えることなくすぐに入力できるように春川もわかりやすい文字列にしているのでしょう。 HALの構築した、「スフィンクス」、「ピラミッド」というキーワードから考えると、ここで求められる答えとは、オイディプスが解いたスフィンクスの問いかけの答えを連想します。そう、「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足になるものは何か」の答えです。 しかし、一回もミスれないというのは厳しいですね。仮にこれが答えだと確信しても、この自分の行動がきっかけで大惨事が引き起こされるかもしれないと思ったら怖くて入力なんてできませんよ。 ネウロが介入できない状態にあるのをいいことにやりたい放題やっているHAL。戦闘機を使って空に自分のシンボルマークを表示させてしまうところなどを見ると、意外と自己顕示欲が強いようです。そのうち首相を脅して新しい国旗のデザインにこのシンボルマークを採用させたりしそうです。 そういえば彼のトレース元である春川教授も、旅行先で初対面の他大の学生達に、聞かれてもいないのに自分の研究のこと(ごくさわりだけですが)や自分がいかにすごいかをひけらかしたりしていましたし、その辺の余計な自己顕示欲はしっかりとHALにも受け継がれているようですね。 『HANDS』 大吾「あわわわ、血ですよ血ぃ〜〜〜!な、何が起きてるんですかオッサ〜〜ン!?」 ヤクザ「うるっせぇな、黙んねぇと殺すぞ」 大吾「で、でもぉ〜〜」 ヤクザ「オマエらを殺さねーと、組長に会わす顔がねーんだよ…」 結局殺すのかよ。 『NARUTO』 イノ「あわわわ、血ですよ血ぃ〜〜〜!な、何が起きてるんですか先せ〜〜〜い!?」 アスマ「うるっせぇな、黙んねぇと死ぬぞ」 イノ「で、でもぉ〜〜」 シカマル「お前らは先生の言う事だけ聞いてろ」 ごめんなさい、正直なめてました。『NARUTO』のことだから、どうせまたナルトたち主要キャラが活躍しない時は敵も味方も誰一人死ぬことなく適当にお茶を濁して終わらせるんだろうと思ってました。先週アスマにまだ息があると言った時も「やっぱり」と思ってました。 あれだけたくさんの死亡の伏線を張ってくれたアスマでしたが、本当に死ぬとは思いませんでした。飛段さんの48の忍殺し”非情なる鉄槍”はアスマの命を奪っていました。しかも普通に敵にいいようにやられていいとこなしで終わりという、ある意味こんなリアルなやられ方をするとは… 『テニスの王子様』 結局最後まで毒手は使うことのなかった白石。左手の包帯については完全に種明かしされることなく試合が終わってしまったわけなんですが、これでただケガしていただけとか、そんな『テニスの王子様』らしからぬつまらないオチだったら怒りますよ。 毒手などという無茶はなくても、あの包帯の下には邪王炎殺拳が仕込まれているとか、実は左腕は義手だったとか、それくらいのことがあっても今さら『テニスの王子様』を見てきた読者は驚かないと思います。 私個人の予想は、あの包帯をラケットのグリップに巻き付けて、包帯を使ってラケットを振り回すことで広いリーチと超高速のレシーブを可能にするというものでした。 イメージ的にはこんなかんじです。 卑怯だよ さてもう一方の準決勝、立海大付属 V.S. 名古屋聖徳の試合はメンツからしてすごいことになっていました。準決勝でメンバー全員入れ替え、外国人留学生でそろえてきた名古屋聖徳………って、なにこのビジュアル系ロックバンド。どう見てもテニスをするような風貌の人たちじゃありません。明らかに連れてくる人材を間違えています。 あと手前二番目の剃り込み入れた金髪の黒人、これどこのスラム街からスカウトしてきたんですか。外人そろえればいいってもんじゃないですよ。 幸村「フフ……面白いじゃないか、なァ真田!」 真田「ブッ潰す!!」 これで立海が負けたらまた笑えるんですけどねー。 でもこれって完全に名古屋聖徳の負けパターンですよね。 これで決勝が青学対立海に決定ですか。立海とは関東大会以来二度目の対決ですが、すでに一度青学が勝っちゃっているので、イマイチ盛り上がりに欠けますね。青学が立海に負けていたのであれば因縁の対決として面白くなるところなのに、いい加減作者としてもどこで青学と越前を負けさせたらいいのかわからなくなっている内にとうとうここまで来ちゃった感じですね。 ▲
2006/10/18ジャンプ感想(2006年46号) 『BLEACH』 お兄ちゃんの粋な計らいで虚園にまで来られたルキアと阿散井。ついでにルキアのために(阿散井の分はおそらくおまけで)身支度まで用意してあげるというさっそくのシスコンぶりを見せている白夜お兄ちゃんがなんとも微笑ましいです。ルキアが旅立つ前に、他にも腹痛や風邪の薬だとかお弁当だとか、いろいろ持たせてくれたのでしょう。 そういえば、ルキアと白夜の関係もネルたちと同じで血のつながりはない兄妹なんですよね。 白夜「バッタリ会って、あんまり(亡くなった妻に似ていて)かわいらしかったもんで兄キになっちまったでヤンス」 ルキア「えへへ☆」 一護「だから兄妹って言わねえだろ、そういうの」 白夜「………………!!」 ルキア「じゃっ…じゃあルキアたつは一体何者…!?」 一護「…イヤいい…俺が悪かったよ。兄妹でいいよオマエら…」 とうとう正式な死神二人まで加わったことで「一護は正式な死神じゃないから」という言い訳ができなくなった石田ですが、この状況に何も言わないところを見ると、お父様との約束を守る気などさらさらないのか、そんな約束があったことももう覚えてすらいないかのどちらかなのでしょう。 一方、一護たちが助けに行くことになっている織姫の方はというと、破面から提供された制服までしっかり着用してすっかり破面の一員気分のようです。当初は囚われの身だとばかり思っていたんですが、全然そんなことはなかったようですね、このバカ姫は。 そんなバカ姫のご機嫌伺いに現れたのはやっぱりウルキオラでした。「…存外、様になってるじゃないか」と褒めてあげて、こまめにポイント稼ぎまでしているところを見ると、よほど織姫にご執心のご様子です。 十刃のメンツに女性が一人しかいないことから推測するに、虚園では女性の数はかなり少ないと思われます。そのうえヤミーのようなバカが治療役の女破面を意味もなく殺したりするもんだから、虚園での女性不足はかなり深刻であると推測されます。それに破面化して見栄えのいい人間形になったとしても、それ以前の大虚の時の姿を知っていたら、きっとその時の姿が頭によぎって下心など浮かびようもないのでしょう。ウルキオラが織姫にベタベタし出したのもしかたのないことでしょう。 しかしウルキオラはほんとにいつから織姫の背後にいたんでしょうね。今来たようなことを言っていますが、間違いなく織姫の着替えの一部始終を見届けてから声をかけていますよこの人。 ところで、もしもこのまま織姫が破面の一員になった場合、かなり高い地位に付けてもらえるんじゃないでしょうか。貴重な回復役のうえに、藍染も彼女の能力を「神の摂理にどうのこうの」と電波がかった言い回しでかなり高く評価していました。ついでに彼女にベタ惚れの十刃 1(推定)のウルキオラも後押しすることでしょう。ぎりぎり十刃のヤミーあたりと交換で織姫を十刃の一人に追加するくらいのことはしてくれそうです。下手したら「他の十刃にいじめられないように」という計らいで 6くらいの称号を付けられて、またグリムジョーが十刃落ちするかもしれません。 『アイシールド21』 セナとまもり姉ちゃんって姉弟じゃなかったんだ。 確かに名字は違うし住んでいる家も違っていたけど、父親の違う姉弟でいろいろ複雑な家庭の事情で別れて暮らすことになっているとか、そんな少年誌向けではない事情があるものだとばかり思っていました。 この二人に全然血のつながりもなかったのなら、今度はまもりのセナへの献身ぶりやセナがまもりを「まもり姉ちゃん」と呼んでいることへの疑問が湧いてきますね。セナとまもりの二人の関係は、いわゆる幼なじみ属性というやつで、血はつながっていないけどまもりはセナのお姉ちゃんなんだよ、ということでしょうか。うわ、なにこのエロゲ。 まもり「バッタリ会って、あんまりかわいらしかったもんで姉キになっちまったでヤンス」 セナ「えへへ☆」 ヒル魔「だから姉弟って言わねえだろ、そういうの」 まもり「………………!!」 セナ「じゃっ…じゃあセナたつは一体何者…!?」 ヒル魔「…イヤいい…俺が悪かったよ。姉弟でいいよオマエら…」 今週、ヒル魔の背中にアイシングをぺしぺしやっているまもりがなんともラブコメチックでした。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 肉体の力を限界まで引き出された電子ドラッグ中毒者たち。「一撃ごとに骨は折れ、肉は裂ける」って、ジョジョ一部のディオに石仮面をかぶせられた吸血鬼を思い出しますね。ただしこっちは吸血鬼のような自己修復機能はありませんが。 一方ネウロはついに奥の手、「魔帝7ツ兵器」を出しました。 FFの召喚獣ばりのド派手な攻撃でかっこよかったんですが、ただ、これを電子ドラッグで強化されているとはいえ、生身の人間相手に使ってしまったのがちょっと残念です。手加減していたとはいえ、人間を半殺しにする程度の威力とケチがついてしまいましたし。 どうせならHALのいる航空母艦に乗り込む時にこれを使ってほしかったですね… 今回、ネウロが「魔界777ツ能力」以外に「魔帝7ツ兵器」なんてものまで持っていることが判明したわけですが、「魔界王の護身兵器」と言っているってことは、ネウロの魔界での地位がまさに王様だったということでしょうか。もう一つの可能性としては、ネウロが魔界道具や魔界王用の兵器を製造する技術者だったというところでしょうか。またはその両者ですね。 ネウロの我が輩口調や、あの傲岸不遜な本性、弥子へのドSぶりを見れば、王様だったという可能性が一番妥当でしょうか。職人肌の天才技術者で、人には媚びない性格だったということも考えられますが。 弥子によって半分まで支配されていた電子ドラッグの呪縛から解放された篚口。その篚口に優しい笑みを投げかける弥子………うん、これでは百戦錬磨のハッカーでも落ちる!! と、あやうくまた東城さんを呼び出すところでしたが、「反則だよ」という篚口の意見には同意です。 おそらくこの時の篚口にはこんな風に見えていたはずです。 これ描き終えてから思いましたが、うちの訪問者で『BROTHERS』ネタわかる人どれだけいるんだろ。 さて、最後の「スフィンクス」の破壊には成功したものの、そこまではHALの計算通りでした。ネウロを電話線もない山奥に誘い込んだのも作戦のうち。ネウロが通信回線のある場所までたどり着き、再び電子の世界でHALに挑もうとする頃には、HALはすでにその最後の砦の構築を完了してしまっているわけです。ネウロがHALを倒す手段は二通りあって、一つは「スフィンクス」の破壊のように、物理的な手段でHALをスパコンもろとも破壊する方法。しかしこれはHALが空母への移転を完了させたことで困難になったわけです。また、『謎』を喰うという目的で動いているネウロにとっては、護衛プログラムは別として、物理的な方法でHALを破壊するという手段は元から考えてもいないでしょう。 そうなると、「スフィンクス」という邪魔のなくなった今、ネウロは今度こそ電子の世界でHALとの直接対決が挑めるはずですが、わざわざ「スフィンクス」をエサにしてまで空母への移転の時間稼ぎをしたところを見ると、この時点でHALは電子の世界でもネウロからの脅威に身を守る術も手に入れたのかもしれません。 単純な方法としては、HAL本体のスパコンはもうネットへの接続は行わず、操っている自分の配下を使用して電子ドラッグの配布を行わせるということも考えられます。自分にたどり着く侵入経路をすべて断ってしまえばHAL自身は安全でいられるわけです。 『リボーン』 骸に対して同情しかけるツナに「お前は骸のやったことを忘れちゃならねーんだぞ」と注意するリボーン。そんな骸をツナの霧の守護者にしたのはどこのどいつですか。それともツナは骸のしでかしたことは一生忘れずに、そのうえで骸を自分の部下として生かさず殺さずで半永久的に酷使してやれと言いたいのでしょうか。うわー、さすがマフィア、考えることがエゲつない。 ところで骸のやったことってなんでしたっけ?人気投票で主人公のツナに倍近い差の投票数を獲得して実質の人気投票一位を手にしたこと? 熟睡するクロームを放置していく犬たち。いくら骸自身じゃないからといったって、今のクロームは立場的には自分たちのボスの奥方、ないしは愛人的な存在なわけです。下っ端どもがあんまり無下に扱うべきではないと思いますが。 で、放置プレイにされたクロームはどうなるんでしょう。このまま寝入っているようだったらツナのお家にお持ち帰りになるのでしょうか。いくら物事に寛大すぎるツナのお母様でも、息子がいきなり前後不覚で熟睡している見知らぬ女の子をテイクアウトしてきたらいろいろ心配することでしょう。 『LIZARD TAIL!』(読み切り) 『ポルタ』の人の復活です。 『ポルタ』の頃に比べると一応画力は上がっているようですが、性格とは裏腹に主人公の目が死んでいるのと、カメラ小僧の頭身が康一くん並みに縮んでいることにちょっと違和感が。あとキスティス先生をリスペクトしすぎ。 内容については……うーん、次こそがんばってといったところでしょうか。無駄にツッコミどころだけはありましたが。 野党団のボスが保安官学校の教官として潜り込んでいた理由がさっぱり不明。なにか襲撃作戦の下調べとして潜り込んでいたのかと思えば、 「準備はいいな…?」 「今夜も作戦は無し!」 ほんとなんのために潜り込んでいたんだこの人。 あと正面切って突撃を仕掛けてきた賊の人たちですが、そのほとんどが武器を携帯していないのはどういうことか。どうやって戦うつもりだったのか。 「これまで逃げはしても刃向かってくる奴なんかひとりもなかった。なのに…なんだよお前ら。なんでだよ!!」 どうやら相手が無抵抗だという前提で襲撃したようです。 ぬるま湯につかりきっていたんでしょうね。 『斬』 金蔵「ヒヒヒヒヒ…たまんねぇ、たまんねぇよぉ〜〜」 今の金蔵の顔を見ているこっちもたまりません。金蔵くんがいい具合に少年誌的に危なくなってきました。 女の子を力ずくで軟禁したうえに、目に涙を浮かべて震えているところへ刃物片手に興奮しながら迫ってきています。ついでに「ゲヒャヒャヒャァ!!」と人が発したとは思えない笑い声まで出しやがりました。梅澤春人先生の生霊でも乗り移ったのでしょうか。 そんな少年誌の限界を超えそうな展開にさすがにこれ以上はまずいと思ったのか、討条が「お待ちください」と待ったを入れます。放っておいたらスタンガン・ダンスだとか硫酸バトルでも始めかねない勢いでした。 さて、村山と刺々森の戦いですが、怪力を利用した村山の二刀流攻撃に無崩篭の防御が間に合わない刺々森、これではずり落ちたズボンを直すヒマもありません。 そして村山の鞘の一撃をモロに食らってしまった刺々森。うわ、鞘のめり込み方がヤバイですよ。なにげにちょっとグロいです。ついでにズボンのずり落ち具合もヤバイです。 しかしその渾身の一撃も刺々森を仕留めるまでには至りませんでした。ダメージは受けながらも、村山へのカウンターを決める刺々森。これにより身動きできなくなった村山。動けなくなった村山へトドメを刺そうとする刺々森ですが、彼の方もこれ以上身動きしたらいつズボンがずり落ちてもおかしくありません。 その頃の地下室では、討条が刺々森たちの帰りが遅いことを気にしていました。討条も早く刺々森のズボンを直してやらないと見えてはいけないものが見えてしまうと心配なのでしょう。見えてしまった相手が討条や金蔵などの仲間内だけでならまだいいですが、今は女性の月島さんもいます。ズボンのずり落ちた刺々森を見た月島さんに、金蔵から渡された刀に対して言われた時のように、「な、何この小っこい○は…」と言われて傷ついたら一大事だと思っているのでしょう。 覚醒した村山の攻撃によって決着がついた村山と刺々森の戦い。血だまりに煙草が落ちる演出はなかなか心憎いですね。私はというと、煙草じゃなくてズボンがずり落ちるんじゃないかとばかり心配していましたが。 先週に続いて村山と刺々森の戦いがメイン。展開としては逆転に次ぐ逆転と、普通にお話として面白くなってきたんじゃないでしょうか。 あと、さっきまで「ゲヒャヒャヒャァ」と笑っていた奴が水を差されて「プンスカ」とかわいく怒っているこのギャップも、シリアスとギャグを混ぜてくる作者の手法なんだなとわかってきました。 『ムヒョとロージー』 梅吉の救出作戦はミックの介入によって失敗しました。血と刃に魂を売ったわりには普通の人間と大差のない腕力しかないうえに特殊能力は手を刃にすることくらいしかできないミックなら、今井さんと一緒に連れてきてもなんとかなりそうな気もするんですが、今はムヒョも魔法律書が壊れた状態なのでできるだけ戦いは避けたいところなのでしょう。 ミックに連れられて塔の中に閉じこめられた今井さんとリオ先生。何もない塔の中の一室に不自然に置かれたベッド、そのベッドの上にこれまた不自然に手足を縛られた状態で寝かされる二人組。リオ先生なんて縛るまでもなくもう動く気力も体力もなくなっているのに、どう見てもミックの趣味でやっています、これ。 ミック「ヒヒヒヒヒ…たまんねぇ、たまんねぇよぉ〜〜」 と、今にもこんなことを言い出しそうなミック。しかしここには討条のように「お待ちください」と止めてくれる人がいません。「なーに、ちょっと切れ味を…」と言って今井さんのサラシ(包帯)に手をかけようとするミック。トーマス級の変質者がここにもいました。 その今井さんと少年誌のピンチを救うべくミックに立ち向かう梅吉と七面犬。今井さんのサラシを守れるのは君たちだけだ。 ▲
2006/10/11ジャンプ感想(2006年45号) 『リボーン』 「よく聞けクロームッ。肝心なところだ!!」 「わたしはすでに今そこに向かっている!!あと数秒かかるが、わたしがマーモンの相手をするッ!」 「わたしの完全なる能力がそこに行けば、おまえが見た幻覚を消し飛ばすことができる」 「それしかおまえが助かる道はない…おまえの肉体はすでに限界だ…」 というようなかんじで、どこかの多重人格のギャングのボスのような登場の仕方をした六道骸。 『リボーン』の実質の人気ナンバーワンキャラクターの満を持しての登場です。 骸とクローム(凪)の見事な一心同体ぶり。文字通り身も心も一つになっているこの二人にはカズキと斗貴子さんのストロベリーコンビでもかなわないでしょう。 そういえば表紙には本編からハブられて久しい元ヒロインの二人が登場していますが、ただでさえ崖っぷちだった彼女たちのヒロインの座が、クロームの登場でとうとう奈落の底へ追いやられてしまうのではないかと心配になります。そしてのその奈落の底では消息不明だったビアンキが手ぐすねを引いて待っています。 骸「随分いきがっているじゃありませんか。マフィア風情が」 かっこいい決め台詞だけど、あんただってマフィアだったじゃないか。 柿本と城島の身代わりになって捕らえられていた骸。仲間のためにとは泣ける話ですが、その仲間の中に鳥使いの人やクラリネットの女の子が入っていないのがなおのこと泣けてきます。 『BLEACH』 「ああっ!痛い痛い!さきっぽが!!さきっぽがちょっとあたってる!!」 「ネルはどMだもんで、ちょっと泣くぐらい追っかけてもらわねっと楽スくねえんス!」 「バッタリ会ってあんまりかわいらしかったもんで兄キになっちまったでヤンス」 「だから兄妹って言わねえだろ、そういうの」 血のつながった妹などいないと申すか。 いやあ、今週の『BLEACH』はほんといろいろヤバかったですね。 ヤバいと言えば、今週ラストに登場した二人もヤバいですね。一護たちの後を追ってきた二人、それは朽木ルキアと阿散井恋次のコンビ。この二人の参戦は、カナディアンマンとスペシャルマンのビッグボンバーズコンビが仲間に加わるくらいの頼もしさがあります。もう十刃の一人でも出て来たらものの数コマで血だまりに倒れているんじゃないかと心配させるくらいにヤバい二人組です。 チャドと石田に加えて、また足手まといが増えてしまった一護の行く末には暗雲が立ちこめています。 『NARUTO』 飛段のバラバラにされたパーツを修復する役目はやっぱり角都だったんですね。角都の腕から出て来たにょろにょろした物体で首をつないでもらった飛段ですが、縫いつけただけで斬られた首がくっつくというのは、飛段がそういう体質の変態なのか、角都の体から出る「にょろにょろ」に「ゾンビ馬」の糸のような効能でもあるのか。矢吹先生だったらこういうものは「女の子を縛る」という以外の用法には使わないことでしょうが。 鼻包帯「…くっつきやがった」 イズモ「…オレたちゃ……いったい…何と戦ってんだ?」 さっきからずっと突っ立っているだけだった役立たずどもが何か言ってますね。 『D.Gray-man』 予想外にノア相手に健闘している神田ですが、この人が活躍する姿にはやっぱり違和感があります。 「己は「怒り」を司るノア!スキン・ボリック!!」 ノア側のキャラクターも七大罪ネタでいくつもりなんでしょうかね。七大罪というと、「傲慢」、「嫉妬」、「暴食」、「色欲」、「怠惰」、「強欲」、「怒り」の七つですが、今までに登場したノアって何人いたかは忘れましたが、これでいくとトータル七人になるんでしょうか。しかしまあ、ノアが何人いるかとかそんなことよりも、問題は誰が「色欲」担当なのかです。だいたいこういう時には「色欲」には女性キャラが割り当てられるものですが(ex. 『鋼の錬金術師』、『SWORD BREAKER』等)、現在ノア側で登場している女性はロード・キャメロットちゃん(外見年齢10〜13歳)一人です。彼女を「色欲」担当にしてしまうことは、これは非常に問題ありです。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 彼の犯罪願望を生み出す原因となった篚口の家族についてですが、こういう悲劇にも喜劇にもならない出来事で人生を追い込まれるっていうのが一番悲惨だと思います。 ネトゲというと、私も一時期にハマっていたことがありますが、中毒(ハマ)る奴はどっぷり中毒(ハマ)るというのはよくわかります。いわゆる「休憩時間」に当たる行為もゲーム上でできてしまうので、ゲームを中断するという引き際がなかなか取れないんですよね。 夜11時:ゲームにログイン 夜11時〜1時:他のプレイヤーが減り始めて適度に狩りがしやすくなる時間まで、ゲーム内で同じメンバーのプレイヤーたちとおしゃべりしていたり、アイテムの買い出し(売り出し)に出かけたりする 夜1時:パーティーを組んでダンジョンに突入 夜1時〜朝5時:ダンジョンで戦ってる 朝6時:ダンジョンから帰還、戦利品の確認と分配 朝6時半:そして解散(一部プレイ継続する者もあり) これは休日の話ですが、まー、生活ダメになりますよね。 一度、立て続けにミスをやらかして鍛え上げた装備をごっそり落としたのをきっかけに、すっぱり引退してしまいましたが、個人的意見として、ネトゲをやり続けて後に残るものは何もないと思います。人生の時間はもっと有意義に使うべきです。 仕事が忙しくなってきてからは、時間がなくてネトゲどころかオフラインのRPGすらほとんど手を出さなくなりましたが。 ところで、↑の例ですが、なんで深夜帯にプレイしているかというと、この手のリアルタイムのネトゲによくあることで、人が増えてくると他のプレイヤーたちでフィールドが混雑してくるからです。オンラインのプレイヤーが多くなると、それだけ自分が戦えるモンスターの数が減って、獲物の取り合いなんてことにもなるし、ひどい時は「ラグる」と言って、回線やサーバ負荷の原因でまともに操作できなくなるということもあるのです。 さて話を戻しますが、負傷したネウロに襲いかかる電子ドラッグ中毒者達ですが、その中に… うっかり見逃すところでしたが、ブラックエンジェルズの人が混じってます。しかもなんで顔がかわいいの? それにしても冒頭のネウロに助け上げてもらった弥子ですが、すごい落ち方してますよね。思いきり頭から落下しているように見えるんですが大丈夫なんでしょうか。垂直落下式バックドロップやバーニングハンマー(アルゼンチンバックブリーカーの状態で頭から落とす技)をくらった時のような落ち方をしています。これまでも弥子は、ネウロにD.D.Tをかけられたり、ドロップキックをくらったりはしていましたが、このプロレスラー並みの頑丈さはどこからくるのか… これでも結構耐えられそう 『テニスの王子様』 試合中に編み出された不二の「第5の返し玉(ファイナルカウンター)」。わざわざ「ファイナル」と名付けてしまっているのは不二としても作者としてもこれ以上の変態技を考えるのが面倒臭くなったからなのでしょうか。 「ガットの上を滑らせボールに対し強制的に超回転を与え、そして一瞬のうちに手首を返しラケットの反対側の面を使い更に回転を倍増させるとは。せやけど軌道は丸見えや!!」 うん、言葉による説明ではさっぱりだよ。 試合中にこんな技を編み出す不二もすごいですが、試合中にこんな玄人向けの扱いにくすぎる独り言を言っている白石くんも大したものです。 そういやこの技って、ラケットの両面を使っているってことは二度打ち(テニスのルールでは反則になる)になりそうな気がするんですが、審判も誰も突っ込まないところを見ると、『テニスの王子様』の現代ではセーフなんでしょうね。 『ムヒョとロージー』 エンチューにいまいち悪役としての貫禄が足りないのは、やっぱり悪事(主人公に敵対する行動)を働く理由がみみっちいからなんですよね… 「世界を悪魔に売り渡して滅ぼしたって構わない…!!」というところまではすごいけど、その理由が友達への逆恨みだからどうしても小物臭が漂ってしまいます。あといまだに敵から「エンチュー」と恥ずかしいニックネームで呼ばれちゃっているのもかなり貫禄をダウンさせている一因ですね。 逆に、今のところ純粋な悪者として描かれているティキの方が敵役としての貫禄には溢れています。ムヒョ達が戦う理由が、「エンチューは救う」、「それ以外の悪いヤツはやっつける」に終始しているから、最終的にティキがラスボス化することもありえそうですが。 『斬』 扉絵の刺々森がアブなすぎです。もうあと一センチずれたら少年誌では見せてはイケナイものが見えてしまいそうです。 壊原戦でのダメージが意外に大きかった貫木。左が全身どころかこのままポックリいきそうな雰囲気まで漂わせていますが、そんな状態にあっても村山の心配をしている彼はもう完全に村山にデレデレのようです。 一方、地下室の月島さんもピンチにありました。勝手の違う短刀で、金蔵に勝つどころかいいようになぶられる有様です。こんなシチュエーションも月島さんにとっては慣れない経験でしょう。いつもなら自分が人をなぶる側にいたのですから。 金蔵に頬と太股を切られてしまった月島さん。女性の顔と太股に傷を付けるとは許しがたい男ですが、しかし、「アイドル並みのかわいさ」と言われている女の子と密室で二人きり、しかも自分の力が優位にある状況下で、少しくらい助平心を出してもよさそうなものを、余計な邪念に一切惑わされることなくただひたすら相手を斬り倒すことにしか執着していない彼もある意味ストイックな男なのかもしれません。 ケガを負った月島さんはといえば、もはや限界に来たのか、とうとう奥義・N字閉脚座りまで出してしまいました。これはオランウータンの行動に例えると、敗北や服従の印に自分の腹を見せる行為に等しいです。サドデレの月島さんがMに転じた瞬間です。ついでに目に涙を浮かべてガチガチと震えだしてしまいました。これは一部の趣味の人たちにはたまらないシチュエーションでしょう。このページだけ台詞を二、三言入れ替えたらエロ同人誌のできあがりです。 しかし、相手を斬るという純粋な一念にだけ取り憑かれている金蔵にとっては、どうやら相手がMだろうがSだろうがおかまいなしのようです。 さて、もう一組の村山と刺々森の方ですが、コンクリートの壁を切り裂いた鋭斬刀の威力に驚きながらも、村山は冷静に鋭斬刀の長所と短所を分析します。 「鋭斬刀は斬れ味を追求しているために硬度がかなり低い」 これは実際の日本刀にも通じる話です。 鉄の硬さとは炭素の含有量によって決まり、炭素の含有量の多い鉄は硬く、斬れ味の鋭い刀剣を作ることができます。しかし同時にもろい性質も持つことになり、衝撃等には弱くなって強度が落ちます。 反対に、炭素の含有量の少ない不純物の少ない鉄は柔らかく粘りのある性質を持つようになり、斬れ味は落ちますが強度の強いものができあがります。 日常生活で実用化されているものについては、用途に合わせてこれらの硬い鉄と柔らかい鉄を使い分けていますが、日本刀はこの二種類の鉄を組み合わせて作られています。日本刀は内側の部分を構成する芯鉄と呼ばれる部分と、外側の部分を構成する皮鉄と呼ばれる鉄を組み合わせて作られます。この芯鉄の部分に柔らかい鉄を、皮鉄の部分に硬い鉄を使用することで、斬れ味と耐久度を保った日本刀が出来上がるのです。 ここで話を戻しますが、村山の研無刀が皮鉄、芯鉄とも炭素含有量の少ない鉄を使用することで斬れ味よりも強度を重視する一方、刺々森の鋭斬刀は刀剣としての強度を保てるぎりぎりの炭素含有量の鉄を使用して斬れ味のみを追求しているのでしょう。 それにしてもここ数週の『斬』ですが、アクション中心になって来てから構図やキャラの動きが格段に上手くなってきている気がします。やっぱりこうしたアクションシーンをうまく描けているのを見ると決して下手なんかではないと思うんですけどねえ… ▲
2006/10/5ジャンプ感想(2006年44号) 『HANDS』(新連載) 赤丸、本誌読み切り掲載作の連載化ですね。読み切りの時は二回とも、つきあい始めた女の子の親父がヤクザの組長で、ハンドボール好きな組長に交際を認めてもらうためにハンドボールの試合をする、というお話でした。 今回はその設定、キャラクターは一新されて、ハンドボールだけが残ったカタチになりますね。 正直、キャラクターについては読み切りの時の方が魅力があったので少し残念です。ただ、あのお茶目な組長は再登場しそうなので、そこに期待したいです。 『NARUTO』 飛段の呪いの術って、派手な技の使い手が多い暁の中では地味ーな術ですよね。 メカニズムはよくわからないけど、とにかく”呪い”の発動条件の謎は解いたシカマル。最後の力を振り絞って飛段の動きを押さえるシカマルと、トドメを刺しに行くアスマ………って、あとの二人はナニしてるんだよ。 せめて負傷して片足引きずりながら歩いているアスマの代わりにトドメを刺すくらいのことはしてあげればいいのに。 首をはねられても生きている飛段。石仮面でも被ったんでしょうか、この人。 この”呪い”を使った飛段の戦闘方法を考えると、飛段は毎回敵を倒すために自分の体に普通の人間ならば致命傷の傷を負わせているわけですが、傷の回復の方はどうなってるんでしょうね。飛段の体をよく見ると、実は体中フランケンシュタインのモンスターのごとく縫いつけた跡が無数にあるツギハギだらけの体だったりするのかもしれません。毎回ブツクサ言いながらも穴が空いたりバラバラになったりした飛段の体を縫いつける役目は角都がやっているんでしょうね。 飛段「痛ッ……おい!角都!もっと優しくやってくれよ」 角都「ワガママ言うな…直してやっているだけでも感謝しろ……直ったぞ」 飛段「あれ…おい!角都!右手と左手が逆に付いてるじゃねえか!」 角都「ワガママ言うな…日常生活に支障はないだろう」 飛段「あるに決まってんだろ!ちょ……おい!なんかそこに余った臓器が落ちてねえか!?」 角都「気のせいだ……あれはただのゴミだ」 飛段「人の臓器をゴミとか言ってんじゃねえよ!」 ところでどのコマでも飛段の首の切断面はちゃんと隠していますね。昔のジャンプでは、『ターちゃん』とか『聖闘士星矢』でそれくらいの描写はやっていましたけど、今のジャンプじゃNGになっちゃうんでしょうかね。 『D.Gray-man』 これまでエクソシストとノア&アクマの強さって、 ノア一族>>>強いエクソシスト(アレンや総帥クラス)≧レベル3アクマ>>弱いエクソシスト(神田とか)≧レベル2アクマ くらいの力関係だったと思ったんですが、ここに来て急にノア&アクマ側の力が弱体化させられているような気がします。神田って、レベル2アクマ相手に死にかけたことのある人という記憶しかないので、ノア相手にまともに戦えそうな雰囲気を出しているだけでもどうにも違和感を感じてしまいます。 『アイシールド21』 陸からロデオドライブの走法の教えを請う進。敵にノコノコと「お前の持ってる極意の秘訣を教えろ」と言って教えてもらえると思っている進もすごいですが、一人で自己完結して納得して教えてしまう陸も気前が良すぎると言えば良すぎます。 しかし、そんなことよりも驚いたのは、「ロデオドライブの走法を知りたい」と言っている時の進の顔です。 笑ってるよ。 いや、この人笑うことができたんだ。この人が笑うという感情を持っていたという事実に驚いてしまいました。この人が笑みを見せたのって初めてですよね。 ロデオドライブをマスターし、トライデントタックルを完成させた進。最後のページですが、進が相手の股間を握りつぶしているように見えてしかたないです。これは手がつけられないです。 陸に背中を向けて笑っていた時って、これでセナの股間も粉砕だぜいとか考えて笑っていたんでしょうか。怖いなーこの人。 『BLEACH』 「覚えておけ人間共…貴様等が戦いを挑んでいるのはそういう相手だ…!」 とは先週の破面の台詞ですが、一護たちが戦いを挑んでいるのは、侵入者を防ぐために建物ごと進入路を破壊はするけど、出口は残してくれているような相手です。 一護たちが戦いを挑んでいるのは、たった三人の敵襲でも幹部全員を呼び出して「侮りは禁物」と警告はするけど、具体的な指示や対策は何も出さないような相手です。 一護たちが戦いを挑んでいるのは、人の魂とか空気とか食べて生きているような連中に無理矢理紅茶を勧めるような空気の読めない相手です。そして予想通り、回された紅茶には誰一人として手を付けていません。 きっと藍染様は「なにものも怖れてなどいない」のではなく、「なにも考えてなどいない」のだと思います。 『魔人探偵脳噛ネウロ』 「混沌願望」に支配された篚口の武器は改良型電子ドラッグに操られた人間達でした。こういう狂気じみた光景を描かせると松井先生は本当にイキイキとしているように見えます。 人間魚雷に人間ブリッヂ。人間ブリッヂは『男塾』あたりの漫画で見たことがあるような気がしますが、男塾生でもさすがにトレーラーを渡すのは無理でしょう。 篚口「さっきのビル、こいつらがどうやって破壊したと思う?素手さ」 コンソメスープを静脈注射したシェフとどっちが強いんでしょうね、これ。 『バキ』のスペックも素手で自由の女神像を破壊しかけましたが、それと同等くらいの力があると見ていいのでしょうかね。ネウロ達を襲うのは総勢300人のスペック………こう考えると今のネウロと弥子がどれだけ危険な状況に追い込まれているか実感できますね。 そして先週の吾代の「あの車、多分もう帰ってこねえ」という予想からわずか一週で修復不能なまでに大破した吾代の新車。今にして思えば先週の時点で、アスマ先生の「へへ…ただの捨て駒にはならねーよ」という台詞と同じくらいにこうなる運命を予測させる前フリがいくつもなされていました。 『ムヒョとロージー』 1コマ目の悪魔長の「ハラシャケ?」という言葉が、「ハラが減ったからシャケが食いたい?」の略だったらなんてかわいいんだろうこの使者は、などと考えていたら変に笑いがこみ上げてきた私はちょっと疲れているのでしょう。 全部燃やされた 『斬』 刺々森が装備していたのはどうやらただの篭手ではない模様。絶対に壊れない「無崩篭」に何でも斬り裂く「鋭斬刀」、矛盾をカタチにしたような男です。 ここで思いつくのが最強の拳と最強の盾を持っていた聖闘士、ドラゴン紫龍です。オーソドックスにいくなら、鋭斬刀と無崩篭をかち合わせて武器と防具の同時破壊という作戦ですかね。しかし『斬』ならば良くも悪くもそんな普通の予想をひっくり返す戦い方をしてくれそうな気もします。 ところで校舎の一部をバラバラにしてしまった刺々森君ですが、真剣勝負については合法と認められるのかもしれないですけど、器物破損の罪に問われたりはしないんでしょうかね。人間をバラバラにしても罪には問われないけど、窓ガラスや壁をバラバラにしたら罪に問われてしまうような世界もイヤですが。 そして刺々森が石川五右衛門のような芸当を見せる一方、壊原の方もすごいことをやってくれました。 貫木「しょ、衝撃波だと!?」 いやこれ、大魔王バーン様の必殺技じゃないですか。金蔵の部下なんかにならないでもこれだけの実力があれば六大団長の座くらいは狙えますよ。 これまではわりと普通(?)の剣の勝負をしていた『斬』でしたが、ここにきて戦いのスケールがテニスプレイヤーがオーラを出すくらいの勢いで一気にでかくなりました。こうした刀剣(ないしはそれに準ずる武器)を使った漫画は、戦闘の演出方法として二通り、『シグルイ』のようなリアリティを感じさせる描き方か、『るろうに剣心』のようにインパクト重視で多少の人間離れした攻撃方法も許容していく形になるかのどちらかになります。『斬』はジャンプ漫画らしく、後者を取ったわけですね。 そんな玄人向けのハードな戦いの後に月島さんと金蔵の戦いを見ると少しほっとしてしまいます。 ▲ |