くず鉄作りの海 - ジャンプ感想ログ(2007/03)

2007/3/29


ジャンプ感想(2007年17号)


ワンピース

ナイトメアー・ビフォア・魚人島編、ようやく主要な敵キャラが一通り登場しました。
当初は次の魚人島編までの”つなぎ”かと思っていたこのシリーズ、ゾンビ軍団の指揮官は登場し、おまけに七武海まで出て来たとなれば、これが読者にとって一夜限りの短い出来事で終わるわけはなく、一年どころか二年は続く長い長い夜となることは確実です。

「覗きが趣味の!!エロリーダー」
エ〜ロース呼ばわりされるアブサロム。でもこれ、間違いですよね。だって明らかに覗き以上の行為に及ぼうとしていましたから。エロスっていうか性犯罪者。

そして今回登場したでっかい「ご主人様」がどうやらゲッコーモリアのようです。「ヨホホホホ」とブルックと同じ笑い方をしていたゲタの男は違うようですね。じゃあゲタ男の方はやっぱりブルックなのか、と思わせるところですが、それもやっぱり違うっぽい。
『ワンピース』において笑い方というのはそのキャラクターのアイデンティティにも等しく、読者へのフェイクのためだけとか、たいした意味もなくかぶせてきたとは思えません。ゆでたまご先生だって、「ゴモモモモ」とか「マキマキー」とか笑い声というには少々強引なパターンまで作ってまで決して同じ笑い方をする超人がいないようにしていました。あと、『テニスの王子様』で跡部様以外の人が「フフフ…ファーハッハ」という笑い声をあげても違和感を感じることでしょう。あれは跡部様だけに許される笑い方です。
モリアは相手の影を奪う能力を持っているということですが、モリアの子分(?)が獲物であるルフィたちのことを「必ずやモリア様のお役に立つでしょう!!」と言っているところを見ると、奪った影からその人間のコピーを作って従者にすることができたりするんじゃないでしょうか。ゲタ男の正体もブルックが奪われた影なのかもしれません。
ところでモリアの子分のチビ三人組、これは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の悪戯小僧三人組がモデルですかね。そうなるとボスのモリアはウギー・ブギーみたいな奴になるんでしょうか。モリアの性格はギャンブル好きの陽気な処刑マニアと予想。
そういえばシンドリーちゃんはツギハギ人形のサリー、もしくはコープス・ブライドか。今頃気付きました。最初にホグバッグの館からウソップだけ追い払おうとしていたのは、今の状況からすればウソップだけ助けようとしていたと考えられなくもないです。あとあとウソップが結婚を迫られるかもしません。
尾田先生にはティム・バートンつながりでステイン・ボーイとかマニアックなキャラも出してほしいです。



BLEACH

ルキアの裏技、桑原流霊剣でマリモニーロを撃破。元ギリアンとはいえ正規の十刃、これに雑魚破面とどっこいどっこいのルキアをいったいどうやって勝たせるんだろうと思っていましたが、隙だらけの相手の不意を突くというかたちで決まりました。日番谷隊長が見ていたら「残心」がどうとか偉そうなことを説教垂れていたはずですが、変にルキアに卍解させたりパワーアップをさせることなく倒させたのはよかったと思います。
ただあのマリモケースって生首が二個入っていたので、死んだのは片方だけでもう一個はまだ生きてそうですけどね。
マリモの敗因ははっきりしています。三万三千六百五十もの虚の能力を「全て同時に発現できる」とか言ってたくせに、最後まで海燕に化ける能力しか使っていませんでした。刀剣解放後も一度も他の能力を使ってなければ強くなったようにも見えませんでしたし、でかくなってキモい姿を見せてルキアをビビらせただけでした。むしろ上級の大虚ほど人間形に近くなる法則に従えば弱くなっていた可能性すらあります。
三万三千六百五十と数だけ聞くとすごいですが、もしかしたらこれまでマリモニーロが喰ってきた虚のほとんどは、虚園の砂漠をはっていたヤモリみたいなやつとか、そんなのだったのかもしれません。私だって、これまでの人生で鳥や牛、魚の肉を三万三千六百五十匹分くらいは喰って、己の力(栄養)としてきましたよ。



NARUTO

どうやらみんなから嫌われまくりだったらしい大蛇丸。そりゃまあ、お姉言葉だったし、なんか脱皮とかするし、首だけ地面に潜ったりするし、あまり仲良くしたいタイプじゃないですよね。

そして岸本先生からの読者サービス。きっとすごい反響になっていることでしょう。もちろんサクラに対して行われた方のことを言っています。これで今まで接点の薄かったサスケとサイとの絡みまでできてしまったわけで、大蛇丸とサスケ、サスケとサイというカテゴリーで大量に本が作られることでしょう。
再不斬の刀を回収に、かつて任務で訪れた地に渡るサスケ。そこで「なると大橋」の看板を見上げてなにやら少しだけ嬉しそうな顔をしています。サスケとナルトの絡みを想起させることも忘れていません。岸本先生はどれだけサスケをそっちの方向でプッシュすれば気が済むのでしょうか。



D.Gray-man

アレンとティキとのバトル。白熱した戦いっぽいのですが、いまいち何をやっているのかよくわからない。一コマ一コマの絵はかっこよくキマってはいるんですが、でもこの人たちが今何をしているのかわからない。基本に忠実なテニスと同じくらいにわからないです。

触れたいものを選ぶことのできるティキの能力。空気を「踏みつける」ことで宙に浮くこともできる、といっても、宙に浮くくらいならこれまでも下っ端のアクマにもできたことですし、そんなことを今さら自慢されても読者的にはどうリアクションすればいいのか困ります。



魔人探偵脳噛ネウロ

ほとんど飛べてるネウロ。壁や天井を歩いたりすることはよくありましたが、「飛ぶ」という行為は確かに未実施だったかもしれません。あと舌で着地するという荒技を見せたネウロですが、HAL編で事務所に鉄球をブチ込まれた時も舌で跳ね返していましたね。全体的に化け物そのものの能力を持つネウロですが、特に舌には自信があるのかもしれません。その気になれば桃白白みたいに舌で人間の頭骨を打ち抜くくらいはできるでしょう。

デュアルタッチペンの使い方は本当に気になります。少なくとも今週の使い方を見る限りでは鼻や耳の穴に押し込む拷問の用途にしか使われていませんが。

望月「君には他の仕事が山ほどある。例えばこのタッチペンの使い方を私に教えて…」
ちょっと、それ今言うのは死亡フラグだから!
てっきりこの後吾代に口か眼球にタッチペンを突っ込まれるのかと思いました。むしろ笹塚→石垣(鼻)、ネウロ→吾代(耳)、と来て、ここで何もなかったことのが意外とも言えます。

笹塚による望月のフォロー。初めはいかにもやり手の人間だった望月でしたが、パトロン編ラストで落とされて以降は面白いおっさんの位置で定着して、無能化していました。そしてここでまたの持ち上げなおしです。でも思い返すと望月のことを評価していたのって以前も今も笹塚だけですね。

今回の犯人はナウシカ、ゴロー、トトロの三択で決定ぽいです。睦月が『ネウロ』の登場人物にしては純真すぎるのがちょっと引っかかりますが、推理の部分についてはひねった展開はしないのが『ネウロ』なので、睦月が共犯者として絡んでいる可能性はなさそうです。



サムライうさぎ

伍助の道場に納められた束修。腐った初カツオ、腐ってなくても腹を下す草もち、そして新婚の夫に押しつけられる大量のエロ本。それでも意外に一番まともなのが春本だったりします。
ところで「使っとけよ、冬本になるまで」という言い回し、言葉の意味をよく考えると結構すごいことを言ってます。つまりは春本に雪を降らせろと言ってるわけで、それは尋常ならぬ雪景色。
新婚でいまだ未経験の伍助が時折このような妄想にふけるのを、見て見ぬふりをする情けが志乃にも存在した。

千代吉に案内されて着いたのは、ナナ菜という草(雑草)を栽培する七菜村。それはおよそ一切の町村に聞いたことも見たこともない奇怪な村であった。
これは尋常の草もちではない。食えぬ…腹が減っても全く…

雑草などという草はない。というわけで、世間から見れば「ただの草」でも七菜村の人たちにとっては「ナナ菜」という立派な名産品でした。逆に言えば、名前を付けられている草であっても一般には雑草と認識されるということですが。

千代吉「ナナガミ様のご神体があるっス。そいつブッた斬るのを手伝って下さいってコトっスよ!!」
果たして千代吉は正常なのだろうか。かつて崇めたご神体におう吐をもよおすようなこの執念。



P2!



いやこれは本当にましな別れ方なのか。
最後に見たライバルの姿は、馬に乗って敬礼、でした。って、個人的には相馬先輩やっちゃったよ、な感があるのですが。





あと最後の乙女の服装はどう見ても中学生が着る服じゃないよなあ。どこのOLだこれ。


2007/3/21


ジャンプ感想(2007年16号)


NARUTO

中の人はやっぱりサスケでした。先週ではそれを明かさないで妙な引きをしていたので、単にサスケに大蛇丸の意識が消されたとか乗っ取られたとかそんな簡単なことじゃないんだろうなとか思っていたんですが、そんな簡単なことでした。先週のあの思わせぶりな引きはなんだったんだ。岸本先生は時々こういう意味のよく分からない引きをすることがあります。

映像再生機能まで有していた写輪眼。初めて見る忍術のコピーはできるし、サイコキネシスもできるし、幻覚も見せられるし、金縛りもできるし、ビデオ再生までできるし、そのうえ相手の忍術を無効化することもできるし、写輪眼にできないことってあるんでしょうか。そりゃ大蛇丸がイタチに痛い目にあったくせに執拗に写輪眼を欲しがったのも無理のないことです。

大蛇丸「バ…バカな…ここは私の作り出した異空間よ!ありえない!」

いや、先週イタチにも同じ手を使って返り討ちにあった回想したばかりじゃん。サスケも同じように写輪眼を使ってきたのにまだ余裕たっぷりだったから、きっと写輪眼への対抗策くらい講じてあるんだろうなって思ってたんですが、何も考えてなかったよコイツ。お前の楽観ぶりのがありえない。

強力であると同時に諸刃の剣でもあった風遁・螺旋丸。攻撃をくらった方は並みの人間なら五体バラバラになるようなダメージを受けるだけでなく、チャクラを練ることのできない体にされてしまいます。リーのような例外を除いて、忍術ありきで戦う忍びにとって忍術の使えない体にされるということは、実質命を奪われるに等しいことです。競走馬が骨折して走れなくなるようなものです。「毒」と称されるくらいですから生きていたとしても他にもいろいろと後遺症が残るんじゃないでしょうか。主人公のくせに病毒使いみたいな能力を身につけたようです。
しかしのその威力の代償として術者の側も同じ影響を受けてしまうことになります。これにはカカシやヤマトも渋い顔をします。そりゃそうです、調子に乗ってナルトにこんな新術を開発させたのはこの人たちでしたからね。それにナルトがサスケに対してこんな術で対抗しようものなら、どんなによくても再起不能、無事な体では帰ってこれないでしょう。
わざわざツナデに忠告されるまでもなく、そんなナルトと、そしてこれからナルトが戦うであろうかつての仲間、サスケのことも心配してカカシはナルトに忠告しようとしますが…

ナルト「自分の体の事は、自分がよく分かってる!オレってば火影になる男だぜ!!オレはスゲー奴だから何にも問題ねーってばよ!!」

意訳すると、ナルトは「お前が何忠告しようがオレはこの術使い続けるぜ」と言ってるわけです。よっぽどサスケを殺したいらしいです。
そしてそんなナルトを見て黙ってしまうカカシ。いや、ちゃんと忠告してあげなきゃダメでしょう。問題ねーどころか問題ありありなんだから。それとも「バカは一生治らない。もういい、お前勝手に死ね」とでも思ったのでしょうか。



BLEACH

「…何度も言わせるなよ。オレが第9十刃、マーロニーロ・アルルエリ」

先週までは「アーロニーロ」だったはずなのに名前変わってます。「何度も言わせるなよ」ってのは言う度に名前が変わるから言いたくないのでしょうか。破面の人たちの名前が覚えづらいのは読者だけでなく担当編集にとっても同じだったようです。それに心なし、「アーロニーロ→マーロニーロ」と名前が「マリモニーロ」に近づいています。何度も名乗るうちに「マリモニーロ」に名前が変わっているかもしれません。

マ(ア)ーロニーロ「顔ノ事ナラ黙ッテナヨ。僕ラ、コノ顔ノ感想ナラ、疾うの昔に聞き飽きてる」

まあ、だいたい予想つきますよね。「かわいいー(語尾上げ)」とか「抱っこしたいー」とかそんなところでしょう。自慢しやがってこの野郎。

今週の前半…
ルキア「私にとって最も重要な事はそれだ。貴様が海燕殿ではないと証明する事だ。その一点さえ明らかならば、私は何の容赦も無く貴様を斬れる」
マ(ア)ーモニーロ「聞き違いか?容赦がなければオレに勝てると言ったように聞こえたが」

今週の後半…
ルキア「私にはもう、剣を振る力は残ってはいません。海燕殿の霊体に向かって、剣を振る力など残ってはいないのです」

聞き違いか?海燕じゃないって分かれば容赦なく剣を振るえると言ったように聞こえたが。
ルキアが勝てるとは読者の誰もそんなことは思っていなかったことですが、まさかここまでのヘタレっぷりを見せてくれるとは思いませんでした。ここまで予想の斜め下をいく子も珍しいです。

マリモニーロの能力は変身能力ではなく能力吸収でした。理屈上は最強クラスの敵として成長できそうな能力ですが、漫画的には良くて中ボス、噛ませ犬にされやすい能力です。『ハーメルンのバイオリン弾き』のギータしかり、『幽遊白書』の巻原(グルメの能力者)しかり、いまいちパッとした活躍のできない部類に入ります。
そして刀剣解放した姿を見せたマリモニーロ。その姿は溶けかけたタコの死骸のような姿でした。これはダメだ。これはヒットしない。女子高生に語尾上げで「かわいいー」とか言われるのは無理だ。語尾上げで「キモいー」とすら言ってもらえない。「うわっ…」と素で引かれます。



To LOVE る

職人気質と言ってもいいくらいの信念を持ったバター犬に仕上げられていた春菜のペット。鬼気迫る表情で主人の体をなめ回す様子から見るに、こいつも好きでやっているわけではないのでしょう。女の子の体をなめ回すという行為に快楽だとか欲情といったものがまったく見受けられません。言葉の通り「主人にそそうのない」ように、言い換えれば主人の意向でこんなことをやっているのです。
「野良の子犬を女の子が自宅に連れ帰って一緒にお風呂に入る」と書けば、まあ、読者サービスのシーンは予想されるけどほのぼのとしたシチュエーションであると思うことでしょう。しかし、現実に薄汚れた野良犬をそんな風に自宅に連れ帰る年頃の女の子がどれだけいるでしょう。ここで言えるのは、「子犬」と「女の子」という要素がこの異常なシチュエーションをアットホームなものにして我々の目を曇らせているということです。例えば「子犬」を「幼女」、「女の子」を「中年男性」に入れ替えたらどうなるでしょうか。
「住むところのない幼女を中年男性が自宅に連れ帰って一緒にお風呂に入る」
これでもまだアットホームな展開を想像できる人は心がエーゲ海のように澄んでいる人です。今の日本には貴重な存在なのでずっとそのままでいてほしいです。しかし9割方の人間はそうは思わないことでしょう。しかも家にはすでに調教済みの幼女が一人いるときたもんだ。これでもまだ春菜の行為を純真無垢なものと見なすことができるでしょうか。



ドンマイ!地球防衛軍(読み切り)

タイトルどおりドンマイ!といった内容でした。絶望的にダメなわけでもない、微妙なラインです。
絵はちょっと無機質で個人的に好きな絵柄ではないけど、上手い方だと思います。でもなんかジャンプっぽくない、というか成年誌でよくありそうな絵柄ですね。ネギ星人とか出てきそう。
で、肝心のギャグですが、いまいち笑えなかった、というのが感想です。決して大きく外しているわけでもサムいわけでもないのですが、笑えるというところにまで至らない。絵がカッチリしすぎていてテンションが低すぎるせいなのかなあ。笑いに至るまでの勢いがなくギャグシーンもさらりと流れてしまっているんですよね。澤井先生が同じ内容を描いたらこういうのもだいぶ変わるんじゃないかと思いますが。



サムライうさぎ

「武士道といふは死ぬ事と見つけたり」

この言葉に感動した伍助でしたが、そこにあるのも武士の「体面」であることを知り失望します。
命よりも体面を重んじて妻を傷つけた講武館を越える道場を目指す伍助。そして体面に反発する伍助は道場に理念を掲げないことを決めます。
しかし講武館を越える道場を目指すというのなら、「武士道は死狂いなり」という理念でもいいんじゃないですかね。正気にては大業ならず。

伍助「あの折、妻とともに恥をかかされた恨み、忘れようとて忘れられぬわ。講武館が流派根絶やしにしてくれる」
果たして伍助は正常なのだろうか。かつて倒した相手におう吐をもよおすようなこの執念…

ところでよく聞く「武士道とは死ぬ事と見つけたり」というこのキャッチフレーズ、元は肥前国鍋島藩藩士、山本常朝の口述を記録した『葉隠』からによるものです。

理念を掲げない伍助にあきれて出て行く入門志願者たち。残ったのはクセのありそうな三人でした。無双とうたわれた剣客宇田川伍助の道場に一兎双竜と恐れられた三人の弟子がいた…

第一話で伍助の祖父と兄が死亡、今週も伍助に絡んだ武士二人が死亡。ほのぼのとした作風とは裏腹になにげに人がよく死ぬ漫画だなあ。しかも死因が全部切腹



魔人探偵脳噛ネウロ

ネウロから正式にロリキャラ認定された弥子。しかし15歳以上は「初老」と言い切って眼中にすらない宮迫おじいちゃん。どんだけストライクゾーンが狭いんだ。あとネウロは宮迫がお気に召したら弥子をどうするつもりだったのか。というか宮迫がどういう行動に出るのかが怖い。

今週は宮迫の会社の関係者、というか容疑者たちが登場。社長秘書のナウシカ、取締役のゴロー、開発事業部のトトロ。
それぞれ犯人だった時に言いそうな台詞を予想していくと、
奈良鹿「私、自分が怖い……憎しみにかられて何をするかわからない。もう誰も殺したくないのに」
宮迫醍醐「部下を粗末にする奴なんて大嫌いだ!!」
登呂「社長のバカ!すぐ部下に当たり散らすくせに!」

ここでふと思ったけど、睦月、登呂の『トトロ』コンビが共犯っていう可能性もあるかな。

宮迫達夫「わしは生きるぞ睦月〜!!」

これ言ってる時の宮迫を見てすっげー死亡フラグ立ててると思ったら、案の定次のページで死んでました。
「生きろ」とか、「10歳と66歳で生きようと思った」とか思う前にページのむこうは、殺人現場でした。

最初にド変態ぶりを見せておいてその後でいいところを見せて持ち上げていく。外道池谷の印象づけもこのパターンでしたね。逆にデイビッド・ライスや竹田刑事のように最初に善人の印象を与えている人物は高確率で犯人だったりするので、睦月のように全然黒いところを見せていないと、やっぱりこの子が犯人かな、ていうか豹変するんだろうな、と思ってしまいます。



テニスの王子様

Genius338 悪魔デビル

読者的には悪魔というより悪夢だ。














次に『テニスの王子様』のゲームが出る時は、赤也とデビル赤也は別キャラ(隠しキャラ)扱いになるんでしょうね。



2007/3/14


ジャンプ感想(2007年15号)


バレーボール使い郷田豪(新連載)

そこそこ笑えてそこそこ楽しめました。マサルさんに似たノリを感じるところはありますけれど、主人公には好感も持てますし表紙の第一話未登場のエロいねーちゃんにも期待、ということで先週の『サムライうさぎ』に続き、これも「当たり」の新連載だと思います。ここ最近のジャンプでの新人漫画家の生き残り率が非常に低いので、この二作品にはがんばってもらいたいところです。
バレーボールを武器・道具として使うからバレーボール使い。バレーボールプレイヤーなのではなく、鉄球使いやスタンド使いのようなものらしいです。『テニスの王子様』に登場する人たちもきっと、彼らはテニスプレイヤーなのではなくテニス使いと呼ぶのが正しいのでしょう。



BLEACH

何回かフェイントも入りましたが、結局海燕は偽物。その正体は阿寒湖のマリモのお土産みたいな人でした。戦闘もこなせるし、お部屋に飾ってもオシャレなインテリアとして演出できるお得な十刃です。

海燕に化けていた時の顔の大きさよりも海燕の顔がはがれた後の顔のサイズのが明らかに大きいですが、マスクのようなものを付けていたというよりは幻覚を生成していたのでしょう。
散々ルキアを悩ませたように、単に化けるだけの能力ではなく、相手の記憶を読み取り、さらにはその化けた対象の能力までも真似ることができています。『聖闘士星矢』のリュムナデスのカーサのような能力です。思わずオーディオラックの上にでも飾っておきたくなるような見かけからしても分かるとおり、この十刃、純粋な戦闘能力の高さで勝負するタイプではなく奇策使い、不意打ちで相手を倒すタイプです。阿散井に当てられたザエルアポロと同じく、相手の強さに関わらず相手の能力を封じ込める、相手を油断させて隙を付いたり精神的な動揺をかけて戦いにくくするタイプの敵です。
回廊を操作して一護たちに十刃落ちと正規十刃の割り当てを調整したのはギンらしいですが、この組み合わせ、わざと一護たちに勝たせるように仕向けているように見えます。

十刃クラスの実力のある一護 V.S 十刃ほど強くない戦闘タイプ
破面側には実力未知数の石田 V.S 十刃ほど強くない戦闘タイプ
破面側には実力未知数のチャド V.S 十刃ほど強くない戦闘タイプ
噛ませ犬1号 V.S 奇策使い(相手の能力封じ)
噛ませ犬3号 V.S 奇策使い(変身能力)

これを自分たちが勝つつもりでやっているのなら明らかに采配を間違えています。ザエルアポロやマリモニーロのような奇策使いはむしろ敵の中でも戦闘能力の高い相手、または強さが見えていない相手に当てるべきで、雑魚キャラに対して少しだけ強いユニットを当てるのが普通と思われます。
そして漫画の展開的には、あまり強くないキャラがこういう奇策使いと当たると大抵勝ちます。ザエルアポロやマリモニーロなんていかにも死んだ後で仲間から「奴は十刃の中でも最弱」とか言われそうな人たちです。ギニュー特選隊で言えばグルドのポジションです。実際、十刃どころか十刃落ち相手でも十分に噛まれてくれたはずのルキアなんて信じられないことに勝てそうな雰囲気まで出て来ています。
…いや、さすがにそれは言い過ぎですか。マリモニーロにやられそうにはなるけれど、海底神殿まで弟を追っかけてきた一輝よろしく、いつの間にか跡をつけてきた白哉お兄ちゃんがいいところで現れて助けてくれたり、そんなかんじでうまい具合に処理してくれるかもしれません。



NARUTO

このアッチ系の同人誌みたいな扉絵はなんなんでしょうか。煽りも「この腕の中に。この舌の先に。育ててきた私の未来」とか言っちゃって、もうどんだけお姉様方の妄想を煽れば気が済むのでしょうか。

中身がどちらなのか分からないサスケに対して取るべき態度を決めかねているカブト。「カブトか?」という口調からするとサスケっぽいですが、大蛇丸の意識もまだ残っていたりするのかも。



サムライうさぎ

志乃の最新版のウサギのお面には何かこう、根元的な恐怖を感じます。冨樫先生の顔みたいなウサギだった時はまだ愛嬌はありましたが、このウサギは無表情のまま子供の首とか刈り取ったりしそうに見えます。

ウサギのお面に道場の宣伝を書いていた志乃。夫の話を適当に聞いていたようでいながらしっかり夫の力になろうとしていたわけです。ええ子や…ほんまええ子や。でもこれ、売り物だろうにこんなこと書いちゃっていいのでしょうか。あと道場の地図が全く地図としての意味をなしてないよ。「このへんにあるよ」と書かれても縦線と横線だけでは推測することすら不可能です。「このへん」って「どのへん」だよ、アバウトにも程がある。わざわざ漢字にフリガナを振る気配りはできたのに肝心なところが抜けてしまったようです。そういえばジョジョ3部の花京院のハンカチでもわざわざ漢字にフリガナが振ってありましたが、ジャンプではこういう写植を使わない絵の一部となっているところにもフリガナを付けるという決まりでもあるのでしょうかね。




ついに完成したうさぎ道場。その前面には巨大な冨樫先生似のウサギの看板が掲げられています。いや、ほんとにこの看板でいいのか。私などはこんなのに見下ろされていたら落ち着かない気分になります。編集者でもないのに担当の漫画家に原稿落とされそうな気分になったりして。ましてや剣術を覚えようと思って道場に行ったらこんな「かに道楽」の蟹看板以上にインパクトのある看板があったら引き返すと思います。突然2、3年ほど休業したりしそうですし。

第一話ではまだはっきりと方向性の見えていなかった『サムライうさぎ』でしたが、今後は伍助と志乃とのやり取り、道場設立といった日常の出来事を中心に描いていくことになりそうです。地味なお話ではありますが、でも話作りとしてはうまい。萌えやかっこよさ的なアピールはないけれど、志乃も伍助も内面がいい人間で、かつ、わざとらしさや鼻につくところもないので素直に好感が持てます。なんというか安心して読める漫画です。



To LOVE る

今回はリトが動物に変身するお話。そして当然犬になったリトは春菜に介抱されることになるわけで。
以前の感想で書いた以下の予想のうち二つまで実現したわけです。

>・エロい女性型宇宙人がやってきてリトを誘惑する
>・ララの発明で(犬・猫等の)動物に変身させられたリトが春菜と一晩過ごす
>・ララの発明で小さくなったリトが女子更衣室などでお約束の展開

あとはエロい女性型宇宙人がリトを誘惑するのを待つだけです。

しかし、一つだけ予想できなかったのは、リトになった犬の暴走ぶりです。顔を舐めたりするのはまだ犬の行動としてありえますが、犬が両手を使ってスカートをめくるとかありえないです。「都合よく服だけ溶かす粘液」を出してくる矢吹(長谷川)先生ですから、犬が都合良くスカートをめくるのも取り沙汰するようなことでもないのかもしれませんが、ただ一つだけ言いたいのは、そのままスカートの下のものに顔を埋めるってどんだけ発情期なのかと。もしかして「沙姫様の液……染み付いた……パ……パン」が欲しかったのでしょうか。
しかし犬に真っ先に飛びつかれるって、沙姫様のは雌犬と同じ臭いを放っているってことですか。漫画的には「雌豚」呼ばわりされる以上の侮辱を受けている気がします。

沙姫「フフ…たまには庶民の町を歩いてみるのも悪くないですわね」
鈴「さすがですわ、沙姫様」

なんということなく流してしまいそうな会話ですが、よく考えると何が「さすが」なのかさっぱり分からないです。多分、普段から脊髄反射のように「さすがですわ、沙姫様」と相づちを入れているのかもしれません。コミュニケーションが取れているようで全く取れていない歯車の噛み合っていない会話です。この三人、案外寒い関係なのかもしれません。



テニスの王子様


越前の繰り出した「あばれ玉」に対して新條まゆ先生が描いたカンフーのような動きで対応する金太郎。「あばれ玉」って(打った本人ですら)どこに飛ぶか分からない軌道を描く玉だと認識していたのですが、今回の描写を見る限りではテニスボールが実体をともなった分身をして、金太郎も実体をともなった分身をすることで対応しているように見えます。
ここまで来るともう、左脳でこの漫画を理解すること自体が間違っているような気がしてきました。理屈で考えちゃダメなんです、ただそこにあるものを感じればいいのです。この金太郎の図も何か宗教的シンボルに溢れた絵画のように見えてきました。これを描いている許斐先生も今、「雲の上の様なトコにいてスッゲー楽しい」状態にあるのかもしれません。すでに来世くらいは見てきていることでしょう。

「アイツ、何てデタラメなテニスをするんだ!?」

まさかちょっと回転したり数が増えた程度のことで金太郎がこんなことを言われるとは思いませんでした。試合中に覆面を被ったり、相手の選手を観客席まで吹き飛ばしたり、選手の一存でダブルスをシングルスに変更することはデタラメとは言わないのでしょうか。

「リョーマは思った。コイツを倒したいと!!」

「勝ちたい」じゃなくて「倒したい」なんですよね。ここで言ってる「倒したい」っていうのは「相手の生命活動を停止、ないしはそれに近い状態に追い込む」ことを言っているんですよね。



魔人探偵脳噛ネウロ

ネウロでまさかの幼女登場。
いや、これには驚いた。だって、松井先生って子供を描くのが苦手(or 嫌い)と思っていたんで。これまで『ネウロ』に登場した主要人物は若くて高校生、ほとんどは20代〜30代以上の年齢層です。少年ジャンプでありながらこれほど少年の登場率が低い漫画は他では『こち亀』くらいです。
当然のことながら『ネウロ』で主要キャラとして子供が登場したのはこれが初めてです。ただまあ、赤丸読み切り掲載分まで含めると一度だけ子供が主要キャラとして登場したことはあります。
でも松井先生が描く子供って……


………




こうなります。

実際この睦月ちゃんも実は犯人だったとかでものすごい勢いで豹変する可能性もコーラを飲んだらゲップが出るくらいの確率であり得ます。松井先生ならあり得ます。
しかし「睦月」ちゃんですか……名前からして1月生まれですかね。同じ月に生まれた妹がいそうな名前ですね。「ジャン」とかちょっと外国人ぽい名前の。

睦月ちゃんに案内されて、「子供好き」という彼女のおじいちゃんに会いに行く弥子一行。おじいちゃんの名前は「宮迫達夫」。何か既視感を覚える名前ですね。ミヤサコタツオ……ミヤザキハヤ……ああ、ごめんなさい、なんでもないです。ただの気のせいでした。
そしてそのおじいちゃんというのは……



ド変態でした。
別にチープ・トリックや『エクソシスト』のアクマに取り憑かれているわけではないようです。

「這って動く……白ッ!!」

なんだこれ…?「這って動く白」…?「ハッテ動くシロ」…?「ハウルの動く…」……ああ、ごめんなさい、なんでもないです。ただの気のせいでした。

しかも弥子のスカートには見向きもしないところは筋金入りのようです。笹塚はまずこの人を捕まえてください。

弥子「前の事件といい、最近の世の中どーなってんの?犯人以前に会う人会う人危ない人だらけじゃん!!」
弥子の怪食ぶりも一般人からしたら十分異形なんですけどね。はっきり言って人のこと言えない。

ところで、初め睦月ちゃんを見た時に小さくなった弥かねちゃんに見えた人は結構いるんじゃないでしょうか。一瞬あかねちゃんが変身した姿かと思ってしまいました。


2007/3/8


ジャンプ感想(2007年14号)


サムライうさぎ(新連載)

個人的には好感触。話の展開的にいろいろと粗はありましたが、頭に海苔を張って切腹という強引なノリを通す漫画であると見れば、その辺はそんなに気にすべきところでもないのかもしれません。
出だしとしては上々とは思うのですが、この一話ではまだ話の方向性が見えていないところもあるので今後どのように転んでいくかが気になります。『銀魂』のような日常生活でいろいろなゴタゴタが起きてくるような話になるのでしょうかね。マズいパターンとしては、最近のジャンプ漫画のお約束で、伍助がいろんな剣客と戦うバトル漫画になったり、新婚夫婦という設定を利用して純情な伍助に志乃が天然でエッチィ行為を仕掛けてくるトラブル漫画になったり、急に異世界に飛ばされて馬人間と戦ったり、そのようなバッドエンディングに向かいそうなルートに進むフラグが立ってしまう可能性もないとは言い切れません。

以下、何点か軽いツッコミ。

伍助の新婚生活について「下品な質問」をしている時の宇右衛門の手つきヤバいです。ていうか多分この二人、妻の性格とか人格がどうとか聞いてないと思う。もっと直接的なことを聞いてると思う。

ヤセようとして自分の腹を切ったらしい宇右衛門、もしかして脂肪を切り取ろうとした?うわ、ギャグにしてるけどやってることはグロいよ。「いてェし!いてェし!!」とか言いながらも、一生物の傷が残るくらいに深く切ったんですよねこの人。しかも最低でも四回も。ヤセようとしたっていうより単に極度のマゾだった可能性があります。

城での伍助と旗本との八百長試合。これ、いくら審判を自分がやるからって事前に伍助に言い含めておかなかったのは問題じゃないですか。竹刀とはいえ、打ち所が悪ければ致命傷にだってなるし、実際伍助がなかなか気付かなかったから旗本の人、必要以上にボコられちゃってるし。伍助が虎児な性格をしていたら、相手の指を叩き折った上で竹刀をノド元に突きつけて、「耳か鼻か」とイヤな選択肢を押しつけたうえで答えなければ答えないで片目をえぐられて、これが宇田川伍助の初陣であった、なんてことになっていたかもしれません。
旗本の人も大変だったでしょうね。自分が勝つようにお膳立てされている試合だと思っていたら、自分よりずっと腕前が上の相手が本気で打ち込んでくる。しかも何度打ち倒されても審判は「浅いッ!」「浅いッ!!」「浅すぎるッ!」なんて言っている。相手は「浅いッ!」なんて言われたから、その度にもっと強く打ち込んでくる。旗本の人もこのままだと殺されると思ったんじゃないでしょうか。
いや、もしかして先生たら本当は「ぬるいぞ伍助!しかとえぐれ!」というつもりで「浅すぎるッ!」って言ってたんでしょうか。

「”うさぎ”になる為」に道場を辞めると言い出した伍助をキ○ガイ認定したご老人。まあ、普通はそうですよね。知り合いがいきなり「”うさぎ”になる為」仕事を辞めるとか言い出したらまず病院に行くように勧めますよ。せめて「虎になる」とでも言えばまだ話は通じていたかもしれません。



NARUTO

衰弱、怪物化、過去話と次々と死亡フラグが立っている大蛇丸。アスマの時と同じくらいの発生率です。さらにアンコあたりが唐突にお腹の赤ん坊のことを気にし出したりしたら大蛇丸の死亡も確定するでしょう。
これでサスケが大蛇丸を倒してしまったら、木の葉の里的にはもうサスケを追う理由がなくなりますね。少なくとも現状サスケが木の葉に対して危害を加える可能性もなくなったわけですし。「抜け忍には死を」という掟でもあるのなら別ですが、ナルトたちは生かして連れ戻そうとしているのだから違いますよね。いや、もしかしてナルトが風遁螺旋丸なんて相手を完膚無きまでに殺戮することに特化した新術を開発したのも、本当はサスケを確実に仕留めるためだったのでしょうか。ナルト的にはサスケを傷つけてもいいのはオレだけだってばよ、殺してもいいのはオレだけだってばよ、という思考があったりするのかもしれません。
端から見たらこの人たち、個人的な理由で組織を抜けた人間を無理矢理力ずくで、場合によっては殺害もいとわない勢いで連れ戻そうしてるわけです。その内何人かは「オレとアイツは仲間だから」なんてことを本気で言っているわけで、超アブない集団です。



テニスの王子様

1ページ目、樺地が凛々しい顔をしているだけで笑えてしまいます。ほんと樺地で笑いを取るのは反則ですよ。

6 - 1で決着が付いた手塚・乾と千歳・財前のダブルスの試合。試合後の握手をしている乾と財前は今いったいどんな気持ちで立っているのでしょうか。

財前「ホンマ退部してくれれば良かったんや〜〜〜先輩」

せっかくの全国大会でレギュラーとして試合に出たのにコートの中に入れてさえもらえずに大会が終わってしまった財前くんの悔しい気持ちはもっともです。レギュラーから外されるよりもはるかにひどい侮辱とも言える扱いをされたわけですから。別に千歳も嘘っぱちで退部届を出したわけではなく、監督がそれを握りつぶしただけなんですけどね。文句なら一人プレイ専用機の千歳をダブルスに組み込んだ監督に言うべきでしょう。少なくとも監督はこうなることがわかっていたはずなんですから。
そして試合に勝ったとはいえ、一方の青学の青汁メガネがなんでこんなに得意気なのか理解できません。ていうか、次でもう勝っても負けても最後の試合。汁メガネら三年生はあとは引退するだけなのに、汁メがまだデータ集めをすることに意味があるのでしょうか。試合に勝つためにデータ集めをしていたのが、いつの間にか手段と目的が逆転しているようです。

石田「河村はんの病院を後で教えて頂きたい」
大石「肋骨3本にヒビ…大腿骨損傷、踵骨損傷、それから頸部挫傷に右足首の捻挫…行ってあげたら喜ぶよ

これ、事情を知らない人が聞いたら何かの虐待が行われたと思うんでしょうね。
あと大石ってこんな黒いキャラだったっけ。

お兄さん公認でいつの間にか出来上がっていた手塚×千歳妹の関係。登場頻度だけでいけば今や千歳妹がヒロインの座を乗っ取る勢いです。このままでは桜乃はヒロインとしての出番さえ奪われかねません。そもそも桜乃なんて最後に登場したのが……えーと、いつだっけ……去年の5月に数コマです………ごめんなさい、乗っ取るとかいう以前の話でした。存在していないものを奪うという表現は正しくありませんね。
小学生の妹属性を持つ女の子のハートを奪った手塚には、「いもうとHUNTER」の称号を授けてあげたいところですが、よくよく考えると中三と小六くらいですから、せいぜい3つくらいしか年は離れていないんですね。

越前との試合をリクエストする金太郎。あれ、比嘉中の時ってストレート負けが決定した後もやってなかったっけ。最後まで試合をやる時もあればやらない時もあったりよくわかりませんね。

大石「え、越前っ。明日は決勝だ!無意味な試合でケガでもしたら…

これってつまり、四天宝寺中の人たちと試合をするとケガをするかもしれないと危惧されているってことで、大石は四天宝寺中の人たちのことをテニスの試合なんてしたら五体満足では済まないかもしれない危険集団と見なしているわけですね。
さっきの石田に対するあてこすりといい、どうも大石は四天宝寺中、というか石田に対して思うところがあるようです。
ただ実際、不動峰中との試合では金太郎も石田と同じく対戦相手をリタイヤさせています。下手を打てば越前も勝っても負けても河村のような目に遭わされる可能性がないとも言い切れません。すでに河村がテニスプレイヤーとして再起不能の体にされた後となっては大石がいろいろと危惧するのも仕方のないことなのでしょう。



魔人探偵脳噛ネウロ

裏治験の説明、台詞で隠れているところに「管がXXXXX引っかXXXXXX死ぬ」とか書いてあるんですが。
あと「これだァ!!」って言ってる時の弥子の顔が怖い、マジ怖い。

弥子「子供の頃、飴と間違ってガラスのおはじきお腹いっぱい食べたけど、全然問題無かったもん」

弥子!それおはじきやないか!
素で胃袋が化け物の域に達していた弥子。おはじきを大量に食べて平気だったとしてもそれはそれで人間として問題あると思う。

残り時間わずか、受付事務所に向かって疾走する弥子の前にマラソンの人並みが。よく見ると点滴打ちながら走っているお爺ちゃんとそれを追っかけている看護師だとか、キン肉マングレートだとかがいて、松井先生らしく案の定小ネタが仕込んであります。

500万のチャンスよりも子供救出を優先した弥子。ベタな展開ではありますが、結局今回の話って弥子の人柄を表すエピソードだったわけですね。
個人的には弥かねちゃんが見られたのでこれだけで満点を付けてもいいくらいの満足度でした。
それにしてもあかねちゃんと合体する時の弥子がなんだか変身ヒロインものを彷彿とさせます。このまま豹変した犯人と戦ってもおかしくないくらいです。妖怪退治の槍とか持って戦いそう。しかし、よくよく考えるとあかねちゃんと合体する必然性はあまりなかったり。別に身体能力が上がるわけでもなし、一円玉は普通にあかねちゃん単体で飛ばしているし。私個人としては弥かねちゃんが登場したというだけで拍手喝采、満点を付けてもいいくらいですが。うん、それ以上理由を求める必要があるかね。



ユンボル(最終回)

ゲンバー大王「バルよ…戦う前に一つ言っておくことがある。お前は余を倒すのに「工法」を極める必要があると思っているようだが…別に極めなくても倒せる」
バル「な、何だって」
ゲンバー大王「そしてタビル王は殺すのが忍びなかったので東の塔に幽閉しておいた。あとは余を倒すだけだな、クックック…」
バル「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある。オレの他にもユンボルがいたような気がしていたが別にそんなことなかったぜ!」
ゲンバー大王「そうか」
バル「ウオオオいくぞオオオ!」

というわけで10週打ち切りという残念な結果となってしまった『ユンボル』。『M&Y』については至極当然の結果でしたが、『ユンボル』については不遇な結果であったと思います。連載時期、掲載誌が変わっていたら結果も大分変わっていたんじゃないかと思います。
最後まで工事ネタを続けてくれたことは見事でした。最終回については急展開でまとめた無理があちこち見られますが、この作品、今後「打ち切りだったけど良作だった漫画」として名前のあがる一作になることでしょう。

2007/3/1


ジャンプ感想(2007年13号)


ワンピース

スリラーバーグ編のキャラデザインがなんとなくティム・バートン(『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『コープス・ブライド』の監督)ぽいかんじがするのは意識しているのでしょうか。
ドクトル・ホグバッグ、デフォルメされた体型になっているので目立ちませんが、かなり変態的な服装をしています。

ララがバラまいた媚薬チョコレートの影響か、『To LOVE る』化の兆候が見られるここ数週の『ワンピース』。ロビンの次に透明セクハラ攻撃を受けたのはナミ。動物的なうなり声をあげていたので、当初はあのロビンが受けた「ベロン」は別にいやらしい行動ではなく単に犬がじゃれてきた程度の行動かと思っていましたが、今回その透明の存在が人間、ないしは人間に近い生物であることを思わせる言動をしているところを見る限り、性的目的も含まれていたようです。
あと「貴様…おいらの花嫁になれ…!!!」って、こんな風にプロポーズされてOKを出す女性なんていません。というより、本当に結婚したいわけではなく、これはかなり婉曲的な表現なのだと思われます。少なくともこの時点でナミが置かれているシチュエーションから考えるに、少年誌では描けないことを示唆する台詞を言わせようとしてできる限り子供には分からないようにしようとしてこういう言い方になったのでしょう。
しかし、風呂場で女性が全裸で襲われるというB級映画的な展開にもかかわらず、この『ワンピース』の展開に関してはそんなに「エロすぎ」とか「あざとい」とかいう印象は受けません。なんでだろうと思ったら、ナミが入浴に至るまでの流れが自然だったんですね。体中泥だらけになれば誰だってひとっ風呂浴びたいと思うのは当然のこと。異常を感知してウソップたちが風呂場に飛び込むのもおかしなことではありません。だからサービスシーンにもかかわらず媚びている印象がなかったんですね。『水戸黄門』で由美かおるが入浴するくらいの自然さはあります。チョコレートを食べたらみんな欲情しだしたとか、そんなのに比べたらはるかにナチュラルなシチュエーションです。



NARUTO

ナルトにラーメンを食べさせてあげようとするサクラ。他の漫画ならそれなりに良い雰囲気が出来上がるシチュエーションなのでしょうが、『NARUTO』に関してはバキと梢江がいちゃつくのと同じくらいに読者からは求められていない気がするのはサクラの人気投票における順位の低さをまだ覚えている私の気のせいでしょうか。
ナルトのメイン読者層を考えると、むしろサイやカカシに食べさせてもらっていることの方が喜んでいる読者も多いのではないでしょうか。笑顔でかいがいしくラーメンを食べさせてあげているカカシ先生がちょっとキモいです。

なんか病気のおとっつぁんとその娘みたいなシチュエーションになっている大蛇丸とカブト。
壁に掲げられている「蛇」の額縁がいかしてます。ここまで自分のキャラ作りにこだわる人も珍しいです。



魔人探偵脳噛ネウロ

まさに裏家業の胡散臭い人たちらしいお仕事を紹介してくれた早坂兄弟。「肩たたき」っていうのはこの業界の人たちの共通語なのか。

弥子「あの溶けるような柔らかさ!!焼きたて3秒のバターロールはね、ごはんとかパンとかいう垣根を越えてもはや食品としての格が…格が…」
今週一番笑ったシーンがここでした。
でも焼きたてのパンの魅力っていうのはわかります。以前、近所のパン屋で朝食にパンを買いに行った時に焼きたてほやほやのパンが手に入ったことがあったんですが、それまで何度か食べたことのあったその店のパンが、いつも食べていたのとは比べ物にならないくらい美味しかったのを覚えています。

そして篚口のセルフパロ。望月も篚口もこまめに豹変ネタを入れてくるところが嬉しいです。

偶然に遭遇した弥子とアイ。この人たち、意外に行動範囲が近かったのね。一応出会うのは初めての二人、アイの方はともかく、弥子の方は当然アイのことを知るはずがありません。
もし、弥子とアイとの間に面識があれば、「な…ッ、なんという……ッッ、偶然!!!買い物帰りの二人が――偶然出会ったということか」ということになり、そのまま二人で酒を飲みに行き、行き先のバーで戦闘開始していたところです。

アイの「主人」という言葉を「夫」と誤解した弥子。そういやアイってある意味リアルメイドなんですよね。似たもの同士の主人を持つ二人ですが、主人と奴隷の関係を強いようとするネウロに反抗する弥子とは反対に、アイとサイとの間には主従関係ができているんですよね。ただしこの場合は奴隷ではなく従者ですが。
しかし、主人と従者の関係よりも探偵と助手の関係の方がはるかに酷い扱いを受けている気がするのは気のせいでしょうか。

そして弥子の次なる行き先はマグロ漁船?殺人事件が起きることなく話が進む展開も『ネウロ』では珍しくはないですが、本当にマグロ漁に行っちゃうのかこのヒロイン。そしてもうじき迎える記念すべき『ネウロ』第100話はマグロ漁船で迎えることになるのでしょうか。
ところでよく高収入のバイトとして名前のあがることの多いマグロ漁船のバイトですが、昔は確かに高収入の仕事ではあったようですが、実際のところ現在では資格を持っていないとこの仕事はできませんし、今は収入もそれほど高くはないようです。噂だけが一人歩きした都市伝説のようなものですね。



ムヒョとロージー

ギンジ「幻の遠隔魔法律を行使する「風来の執行人、毒島春美」」
ギンジ「魔法律界のプリンスにして「最強の裁判官、火向洋一」」
ギンジ「そして言わずと知れた「最年少天才執行人、六氷透」」
ムヒョの名声は以前から分かっていましたが、この二人も魔法律の世界では超大物だったんですか。ていうか、ヨイチの「魔法律界のプリンス」(略して魔界のプリンス)の通り名は女受けを良くしようとした本人が自分で流したんじゃかという気もします。「○○界のプリンス」とか、どこかの弁護士が名乗りそうな通り名です。あと貧しいながらも地に足を着けた生活をしているはずの毒島さんが「風来の執行人」なんて呼ばれているのは、運送業であちこちに出張っているためでしょうか。食べていくためにやっているだけなのに「裸の大将」みたいな言われ方をしている毒島さんがなんとも哀れです。
そんな大物の顔ぶれですが、そのうち二人はご存じの通り魔法律の仕事だけでは食べていくことすらままならないしんどい生活をしています。毒島さんなんて運送業などの兼業でなんとかやっている有様ですし、天才と言われている人たちでさえ平均未満の暮らしぶりとあれば、ギンジたちのような才能のなかった人たちの生活がどれだけ悲惨なものかは推して知るべしでしょう。

ペイジに目をかけられていたことを聞いて「光栄っす…!!」と涙ぐむギンジ。これって本当に嬉しいことなんでしょうか。ただでさえ高い死亡率が倍増しただけな気もしますが。

ロージー「ギンジさん、本当はまだ、悩んでたんだ…」
そりゃ悩むよ。
だって、この先がんばって万が一名の通った魔法律家になれたところで食べていくことすらままならないんですよ。そのうえ死亡率は他の業種の比じゃないと来てます。ギンジだってこの先こんな先の見通しの暗い道を進むよりは、やり直しのきく内にまっとうな学校に転校してカタギの生活に戻った方がどれだけいいか悩みもするでしょう。



ユンボル

ゲンバー大王の正体、ユデンの園の真実、そして博士番長ドカルトの目的…次々と明らかになるユンボル世界の秘密。この急展開とこの掲載位置とが意味しているのは……
うーん、こうした設定の一つ一つを見ていくだけでもあらかじめ設定を作り込んだうえで描かれていることが分かるし、面白い作品だと思うのに、アンケートを出す層の支持が得られなかったということなのか。個人的にここ数週の展開は本当に面白かったと思います。敵の親玉が一人で穴を掘って出て来て、第一声が「さあ、働こうか」なんてカオスな漫画が描けるのは武井先生くらいでしょう。

マスター「でかい!!!何というでかさ。今にもはちきれんばかりの黒光りすらする筋肉。以前にも増して巨大に見えるぞ、ゲンバー大王!!!」
マスター「いや、それより驚くべきはここまで掘ってきたという事実!!!」
マスター「優れた工事戦士は歩くより掘る方が速いと言われるが、そうか、それが奴のでかさの秘訣!」
マスター「奴は常に現場に立つ事で無限にその身を鍛えあげている。その迫力がそう見させているのだ!!!」

え…もしてかして闘気とか威圧感みたいのが凄いと実際のサイズよりも大きく見えるっていう、大豪院邪鬼が初め奈良の大仏並みに大きく見えていたっていう、あれの原理で今目の前で建物の床を三段ブチ抜きにしている人のことを片づけようとしていますか。マスター、驚きのあまりちょっと現実逃避に走ってませんか。
その後ゲンバー大王の正体を聞いて唖然としたところに姫から「何を驚く。そもそもあんなデカい人間がおるわけなかろう、常識的に考えて」と言われてますが、これ、ゲンバー大王の正体に驚いたというより、自分がさっき見たものが本当にデカかったんだということに驚いたんでしょうね。


※画像と文章とは無関係です。

ゲンバー大王のテツグンテ「バケットホイール・エクスカベータ」。うわ、かっけー。でも子供受けは絶対しなさそうなかっこよさなんだよなあ。



神力契約者M&Y(最終回)

「うなー」の数を最後まで数えたムーさんはすごいと思った。