くず鉄作りの海 - ジャンプ感想ログ(2008/05)

2008/5/28


ジャンプ感想(2008年26号)


トリコ

んー、食事シーンはやっぱり美味そうには見えないんだよなあ。ガララワニに遭遇するまでの展開はよかったです。
トリコはいつか恐竜と戦闘中の状態で岩塩保存されて、数万年後に蘇生されるのかもしれない。



ダブルアーッ

キリ「…おい待てよ!!いきなりやってきてこれだけの事しといて…!!次はじゃあ帰りますってのか…!?」

読者の心境の代弁でもあるんですが、キリの力がガゼル(の幹部)にとっては生かしておく価値のあるものだったということで命拾いとなりました。トロイの対抗手段に存在されると困るガゼルにとって、キリの存在を生かしておくことに具体的にどのようなメリットがあるのかが明らかにならない分、ゼズゥの行為がチョコラテに見えてしまいますが、そこは追々謎解きが進むことで納得のいく答えが出てくることに期待したいです。
ただ、それでもゼズゥがシスターを半殺しで済ませていたのはちょっと理由付けが弱いかなあ。やっぱり”少女以外は殺さない”とかいう妙な殺戮のポリシーがあったりするんでしょうか。
もしくはガゼルだけど実はいい人だったりするのかも。動物(烏)に好かれる人間に悪い人はいないと言いますし。
とにかく、キリの方はみんなが見ている前でお姫様抱っこまでして登場したのにこの終わり方ではちょっと締まりが悪いというのは分かります。
特にキリとエルーを英雄視していたシスターたちなどは、きっと彼らがローラ姫を救出したドラクエ1の勇者みたいな登場をしたことを末代にまで語り継ぎますよ。気がつけばその話がシスター協会を中心にあちこちに広まり、キリとエルーが旅の途中で宿屋に泊まるたびに宿屋の主人に「ゆうべはおたのしみでしたね」と言われるようになって、行く先々で恥ずかしい思いを強いられることになるのでしょう。



ぬらりひょんの孫

ちょっ!女の子たち、妖怪に超ガン見で温泉のぞかれてるよ。

清継「さぁおまちかね。この奥が特製の温泉だよ。女の子たち…先に思う存分入るがいい」
女性陣「さっそく入ろー!!」
清継「今のうちだ!

…に続く展開。

・『To LOVE る』の場合
猿山あたり「ではさっそく女の子たちの入浴姿を拝みにいこうじゃないか!!今がチャンスだぜ!!」

・清継くんの場合
清継「ではさっそく「夜の妖怪探索」に行こうじゃないか!!邪魔者はいなくなったしね!!」

人間の三大欲望よりもまず妖怪に会いたいという欲求に促されて行動する清継くんはほんと純粋なんだなあ。その肝心の妖怪たちは清継くんが微塵も興味を示さなかった女の子たちの入浴シーンをガン見していたんだけど。

ところで雪女を温泉に入れたら死んじゃうよね。



サムライうさぎ

審判「あっ…あの…試合はもう…」
百舌九「何勘違いしてるんだ…まだ鳳のバトルフェイズは終了してないぜ!」
摂津「なぁに言ってんだ。もう鳳は気絶したじゃないか」
百舌九「速攻魔法発動!!!鳳のターン!」
鳳「アーーーッ」
審判「……気ぜ…」
百舌九「何勘違いしてるんだ…まだ鳳のバトルフェイズは終了してないぜ!」
鳳「アーーーッ」
審判「……気ぜ…」
百舌九「ずっと鳳のターン!!」
鳳「アーーーッ」
スズメ「もうやめて!鳳のライフポイントはとっくにゼロよ!」
百舌九「離せぇっ!」

気絶した鳳を乱暴に放り投げる百舌九。それを巨体を活かしてキャッチするウズラですが、って、体型元に戻っとる!しばらく姿を見ないと思ったらいつの間に戻ったんだよ!
確かウズラの体型変化って自分の脂肪を燃焼させて痩せていたのだから、元の体型に戻すにはその逆のことをしないといけません。大量のカロリーを摂取してまた脂肪を蓄える必要があります。
……お前、試合見てないで飯ばっか食っていただろ。



魔人探偵脳噛ネウロ

興奮

今週の『ネウロ』の展開には江崎さんも興奮を隠しきれないようです。

チー坊が手にした木ー棒に貫かれて「アーーッ」してしまった吾代。しかも吾代が貫かれる方になるとは一部の読者にとっては予想外のシチュエーションだったのではと思います。「肉も食えるようになった」と言っていたのはハッタリじゃなかった。
ヴァイジャヤの血筋は五千年続く呪術師の家系ということで、歴史の重みを語り出しました。そのうち人間の薬物学に対して「人間キサマらの居る場所は既に我々が2000年前に通過した場所だッッッ」とか言い出しそう。

さてどう見ても致命傷なダメージを負ってしまった吾代なのですが、ここまで決定的にやられたところ見ると、この光景は幻覚か何かの可能性も考えられてきます。呪術師というくらいですから、ヴァイジャヤが翔穹操弾を使って打ち込んできたカプセル弾の毒とは別に使用しているのが、空気感染する神経系の毒、または催眠効果による攻撃なのでしょう。本来は呪い名みたいな攻撃を得意としているのでしょう。
そう考えると笹塚の車の周囲にいつの間にか掘られていた大きな溝も怪しいです。葛西ががんばって一晩どころか数分で穴掘りしてのけたのでなければ、吾代たちの後を追うヴァイジャヤにそんなことする時間はないはずですし、そもそもそんな回りくどいやり方をせずとも直接車自体を破壊してしまえばいいだけのことです。コンクリートを粉砕するだけの腕力があればそれくらいは可能でしょう。その時はストリートファイターUのボーナスステージのようなことにされた車を見て泣き崩れる笹塚が見られたのかもしれませんが。


2008/5/22


ジャンプ感想(2008年25号)


トリコ(新連載)

新連載にして2号連続巻頭カラーという待遇の良さ。編集部としては「当たる」作品として力を入れているんでしょうかね。

初っぱなの蟹とか鳥肉とか食ってるシーンを見て、この人はあまり食べ物を美味しそうに描くのには向いていないのだと思いました。画力以前に絵柄がそういうものを描くのに合っていないと。そもそもこの人の本来の持ち味って、いかにも不味そうな食べ物だとか汚いモノを描く方向に適していたのでしょうし。誤解がないように言っておきますが別に悪い意味で言っているわけではなく、ギャグ漫画でならむしろそっちの方がずっと活用頻度は高いスキルです。
極端な例で言えば、画力が高くても、(今の)田島昭宇の絵で食事のシーンが描かれてもあまり美味しそうには感じないでしょうし。
いいアシスタントが入ればそこは任せてしまえるところでしょうし、「グルメ」をテーマにしているといっても架空の土地と生物の探検と戦いがメインのようなので、食べ物を美味そうに描くこと自体はそれほど重要ではないのかもしれませんが、内容自体は悪くないだけに改良が期待されるところです。



ONE PIECE

また出て来た天竜人。「殴るなよ!?殴るなよ!?」の前フリが続いたので、そろそろ天竜人がルフィ一味の誰かに殴られると思ったんですが、意外と冷静なルーキー海賊の介入で事なきを得ました。でもきっと最後は殴るんだよね。

それにしても、グランドラインの半分を越えてきた大物賞金首の海賊たちでも天竜人にビビっていることがちょっと意外でした。天竜人を殴ったり殺したりしたら海軍大将がやってきますよと言っても、元々そのクラスの海軍将校たちに目を付けられているような連中たちでしょうし、それを今さら狙われる要因の一つや二つ増やすことにそれほどのデメリットがあるんでしょうか。
ユースタス・キッドあたりはそんなのは見えやしねーで天竜人でも構わず食っちまってくれるかもしれませんが。あれ、その意味ではキッド海賊団とルフィ海賊団って似た者同士?
それといくら海軍本部から近いといっても、天竜人が襲われたらその場ですぐに海軍大将が駆けつけて来られるわけでもないでしょうし、大将たちも内心ではこれほど傍若無人にしている天竜人のことを「あいつらうぜえ」くらいには思っているかもしれないので、天竜人が襲われているとの通報を受けてもそんなに必死には動かないんじゃないですかね。

海兵「大将!シャボンティ諸島の無法地帯で天竜人の一人が海賊に殺されそうになっているとの連絡がありました」
大将「分かった!直ちにそこに向かう!徒歩で

多分こんな感じで役目は果たすけど不可抗力で間に合いませんでしたダメでしたで済ませそう。
青キジあたりはもう少し誠意を見せて、

海兵「大将!シャボンティ諸島の無法地帯で天竜人の一人が海賊に殺されそうになっているとの連絡がありました」
青キジ「分かった!今観光でウォーターセブンにいるところなんだが直ちにそこに向かう!チャリで

きっと、毎年一人か二人は調子に乗りすぎた天竜人が恐いモノ知らずの海賊に手遅れな目に遭わせられているに違いないです。



BLEACH

虚化(?)したメカ拳西を相手に斬魄刀を抜けないひよ里。顔が仮面で隠れてても平子がすぐにメカ拳西の正体が分かったのは、彼の腹筋の卑猥な刺青のお陰でしょうか。もしかしたら、拳西も陰では、『銀魂』の新八が眼鏡=新八の存在全てみたいに言われているように、拳西もセクハラ刺青=拳西の全てと言われているのかもしれません。

過去編の現役剣八ってハッチじゃない?という予想をしていたら、ハッチは鉄斎と一緒に鬼道衆というポジションで出て来ました。余談ですが、「鬼道衆」でぐぐると野球チームのサイトが一番目に出て来ます(2008/5/22現在)。少年漫画的にはハッチは絶対キャッチャーだよね。
さてそうなると、まだ思わせぶりに出て来ていない剣八は誰になるんでしょうかね。あと過去編に関係しそうでまだ登場していない人物といえば一護の親父くらいでしょうか。まだ黒崎一心の方は死神時代のことは語られてなかったですよね…
もしも一心=元剣八だったとすると、更木剣八と一護の関係というのは、えーと、要するに義父と息子のようなものでしょうか。何か二段飛びくらいで飛躍したような気もしますが、そういう細かいことは気にしない。一護は剣八のことはパパと呼んであげればいい。
でも剣八のような人物って、知り合いとか上司くらいでならいいけど、親族にいるとちょっと嫌ですね。「俺の親父って、真面目に仕事しないで人斬りばっかしていて、しかもいつも幼女を連れ回していて、あと中二病みたいに怪我しているわけでもないのに眼帯とかしてるんだよ」とかあまり人に言いたくないですよね。



ダブルアーツ

・初めての共同作業(ガゼル退治)

・ご両親への紹介

・実家で一夜を過ごし二人でベッドイン

・お姫様抱っこ  ←←←今ここ

お姫様抱っこ!そういうのもあるのか。(by 井之頭五郎)
これは二人でないと出来ない大技、まさにダブルアーツです。なんかいろいろと順序が間違っているような気がしないでもないですが、そういう細かいことは気にしない。エルーは早くキリの父上のことをパパと呼んであげればいい。
と、順調に新婚フラグを立てていくキリとエルー。エルーの方はキリの強引なお姫様抱っこに「頭がフットーしそうだよおっっ」な状態になっているところがとても初々しくて良いです。今回のゼズゥの襲撃が終われば、次はシスター協会へのハネムーンですか。



ぬらりひょんの孫

清継「ボクの考えた妖怪修行その1…「妖怪ポーカー」をやりまくろうじゃないか!!」

清継くんはほんといい子だなあ。彼のような友人が一人いると日常生活が楽しくなるものです。
それに「ボクの考えた「妖怪パワー」」というのがいかにも小学生中学生らしくて愛嬌があります。なんか「妖怪パワー」という発想も一昔前のジャンプ的で懐かしいものがありますね。
しかし、なにより特筆すべきは、この妖怪トランプを彼はわざわざこの時のために自作しているということです。絵自体はどっかの資料から取ってきたものでしょうが、これをわざわざちゃんとしたクオリティのトランプの形に仕上げる情熱が凄いです。
彼がお金持ちの子でその裕福ぶりをあけすけにしていても鼻につかないのは、こういうバカな事にかける労力を全然惜しまないからでしょうね。例えば『ドラえもん』のスネ夫なども色々とイベントを立てますが、彼の場合は親から買い与えられた物を自慢するだけです。しかし清継くんが自慢する物は費用はかかっているが自分の足で収集したり自作している物です。ここは大きな違いです。



魔人探偵脳噛ネウロ

扉絵の弥子、よく見るとトーチらしき物を持っていたのが消された跡がありますね。描いた後になってから時事ネタとしてもここまで露骨にやるのはまずいという判断になったのでしょうか。それでも聖火リレーって一目で分かる絵で誤魔化すには手遅れ感がたっぷりなんですが。

警官「親御さんが忙しくて迎えに来れないそうだ。他にこの子の携帯にはお前の番号しか入っとらんかった」

チー坊のオンリーワンになっていた吾代。オカマ警官といい、最近妙に吾代のモテネタ(男限定)が多いですね。
あと相手を下の名前で呼ぶのは、(女性が)気に入った相手との距離を縮めたい時、自分が相手を気に入っていることのアピールの手段としても使われるそうです。逆に男性がそれを不用意に女性にやるとセクハラ扱いされることもありますが。
ところでこのオカマ警官、初登場はネウロとXの初遭遇の頃なのですが、そんな初期の頃から台詞もないチョイ役で顔出しをして、その後も何度か登場し、だんだん登場する度に作中での活躍度が上がってきているキャラです。等々力も最初は名前も台詞もないチョイ役で登場しているうちにいつの間にかレギュラー入りをしましたし、同じようにこのオカマ警官もいずれはレギュラー入りするくらいの重要キャラに成長する可能性があります。

弥子

この羞じらう弥子が新鮮で妙に可愛かったわけですが。
これまでネウロに色んなプレイをやられてきた弥子ですが、これはネウロの守備範囲外なのか、羞恥プレイだけはまだやったことはなかったですからね。
しかし一人でピラルク120Kgを食べてのけた弥子ですが、物理的な制約を凌駕している時点ですでに血族以上に人間離れした体をしています。吾代が普段「化物ども」とネウロと弥子をまとめてこう呼んでいるのもそんなに間違いではないのでしょう。
あんな華奢な体をしている弥子ですが、100Kg以上の食料を軽く収納してのけるあの体の重量たるや実はかなりのものなのかもしれません。弥子の体重は家庭用の体重計では計測することができないという、花山薫の握力測定のような伝説もあったりするのかもしれません。タレントのギャル曽根は大食いをした時は体重が一日で10Kg以上増減するそうですが、弥子の場合は100Kgの単位で増減するのでしょう。デフォルトの体重を何倍も上回っていますが。

チー坊との出会いについて思い出すため、埋めてあった本城博士の日記を取りに行く弥子たち。その後を追ってきたチー坊改めヴァイジャヤと葛西。葛西は護衛の警官隊を殲滅したところで帰還。ヴァイジャヤとの直接対決となりました。
ラストのコマのヴァイジャヤの口から何か毒ガスみたいなものが出ているのですが、これがヴァイジャヤの人間を溶かしてのけたものの正体でしょうか。つまりヴァイジャヤの能力は「臭い息」ということですね。モルボルですね。モルボルグレートですね。ラーニングしたんですね。



サムライうさぎ

・今週の摂津の心の声

腹腹腹

摂津「信じてたぜ………オメーのことをよ…(フッ)」

泣いている鳳の顔が、どう見ても**です。本当にありがとうございました。


2008/5/14


ジャンプ感想(2008年24号)

BLEACH

中の人がいない10着の死覇装。当然のように先遣隊も同じ目にあったと見て取れますが…

白「え!?でもコレそこに脱いであったんだよっ!?」
六車「オビ締めたままどうやって死覇装脱ぐんだ!?草履はいたままどうやって足袋脱ぐんだよ!?」
白「うう〜〜〜…」

これで脱ぎ捨てられたものという可能性はなくなったわけですが、それにしても白は同僚の制服が10着も落ちていたのを見てどんなポジティブシンキングで重大な事態ではないと判断したのでしょう。なんか天然の度合いが笑って見逃せる範疇を越えて死神の一隊員としては深刻なところにまでいっているような気がします。いつ「蛆虫の巣」送りになってもおかしくない。
それとも、10着の死覇装が脱ぎ捨てられているだけだったら、10人の隊員たちはゆうべはおたのしみでしたねをしているところとでも想像したのでしょうか。それはそれで十分に重大な事態だと思いますが。

立ち去る六車の腹筋に刻まれた「69」の刺青を目に焼き付けた幼き日の修兵。そして修兵も自分の顔にこの上級デスメタルな刺青をするようになったのでしょうが、しかし、番隊ということで付けたこの刺青も、修兵が入隊した頃には六車はすでにいなくなっていたと思われるので、ただのセクシャルハラスメントと化していた可能性もあります。
まあ、もう少し好意的に見れば、「69」で「ロック」と読めるので自分がロックな男であることの主張とも受け取れますし、またはキン肉バスター返しのことを意味しているとも受け取れます。

今週登場した、阿近、頭に鎖を巻き付けた女の子、その隣のハゲオヤジが、後のジン太、雨、テッサイになるんでしょうか。(※三人とも今の技術開発局にいるという指摘がありました)。それにしても十二番隊のロリ・ショタ率が高いのは前隊長によるものなのか。こんな環境に、「自分がいなくなったら十二番隊の最高権力者(隊長)にしてあげる」という約束をマユリ様にしてしまった浦原は、実はかなりとんでもない過ちをしでかしてしまったんじゃないでしょうか。絶対二桁以上の単位でマユリ様の実験動物にされた少年少女の死神とかいますよ。



NARUTO

今週は面白かったです。
過去語りの話でしたけど、これくらい話がさくさくと進んでくれるとテンポもよくていいんですよね。

トビ「九尾を手懐けコントロールすることが出来るのはうちはの瞳力だけだ…」

つまり九尾の妖狐はツンデレということなんですね。



ダブルアーツ

へイムさんは登場した時からものすごくガゼルに噛まれる役割になりそうな死相が浮かんでいましたけど、やっぱりそうでした。しかしちょっと隠れ教会に立ち寄るだけの暇潰し編かと思いきや、シスター皆殺し編な展開までやるとは思いませんでした。いやまあ、斬られたシスターもヘイムもまだ死んでないけど(多分)。
隠れ協会を襲撃するガゼルの幹部ゼズゥと、キリとエルーの命を優先して犠牲になることを承知で足止めをしようとするシスターたち。
問題はここで襲われたシスターたちをどう扱うかで、人が死ねばいいというわけでもないですが、これでガゼルに襲われて重傷を負ったけどみんな生きていたよ、だと、今後もこういう事態が起きても結局助かるよ、肉食えば治るよ、という印象が付いてしまい、作品に緊迫感がなくなってしまいます。今週のこの緊張感は、シスターたちが助からないという残酷な前提からできているので、そこで安易に最後はみんな無事だったなんて結末はしてほしくないです。

さて、烏と同化して姿を消すことができるように見えるゼズゥの能力ですが、この漫画では今のところ、キリやエルーのような超常的な能力やスイのような常人離れした運動能力を持つキャラは出て来ましたが、ストレートな超能力や魔法じみた特殊能力まではいかないようにしていたので、このゼズゥの能力も身体変化とかそういった超常能力ではなくもう少し技術的な能力という種明かしになると思われます。
おそらくは蝙翔鬼の煌嗾蝙術やファラオの永劫の輪廻核惺のように、烏を使って人型を作り、その影を移動することで姿を消しているのでしょう。



ぬらりひょんの孫

見てみると清継くんの台詞は九割方ハイテンションです。なんかこのハイテンションぶりが妙におかしくてツボに入ってきました。キャラクター的に一番いい味を出しているのは彼だよなあ。
それなりに憎まれ口は叩くんだけど、ハイテンションで「ありがとうございます!!奴良くんのおねえさん」と言ったり、リクオが欠席していることに誰よりも先に気付いたり、基本的にいい奴なんですよね。清十字団みんなでお見舞いに行こうと言い出したのもおそらく彼だろうし。しかも、今週の旅行計画といい、前回のリクオのお宅訪問といい、この漫画の話が展開するきっかけの大半を担っているのも常にハイテンションでアクティブな彼なんですよね。なんか常に前向きかつ一生懸命で好感が持てるキャラじゃないですか。



HUNTER×HUNTER

ユピー「人がイラついている前で、あんな登場の仕方しなくたっていいでしょう」
ナックル「え?」
ユピー「今日はものすごく腹が立っていたはずなのに、見てください!」

H×H1

ユピー「すっかり萎んでしまった!!」


H×H2

ナックル「なんだァ?あんた文句あんのか」
ユピー「ある」
ナックル「あんたがどう王の護衛をしようがこっちは余計なお世話だ。戦え戦え」
ユピー「あなたは蟻の気持ちをまるでわかっていない!」

H×H3



ナックル「ケリがつく前に……シュートが!!死んじまう!!!」

あー、シュート死ぬのかよ。ナックルが「神の共犯者」を解いて姿を現した時点で既にシュートのライフはとっくにゼロだったんですが、それでもトドメさえ刺されなければ生き残れると思っていたのに。でもナックルが首尾良くユピーに一撃入れたところで瀕死のシュートの状態が変わるわけでもなし、ゴンたちパーティーには治療系の念能力者もいないし、致命傷のダメージを負った時点でもう助からないですね。それともネフェルピトーに修理させるのかしらん。

爆発後の隙を狙うナックルと、怒りの演技で誘い込んであえて隙を突かせようとするユピー。お互いに読者には手の内を晒した状態での戦闘なので、最後に何かしらの計算外のことが起きることは分かっていましたが、そこは話の見せ方の上手さでカバーされていました。
先週までの展開を覚えていれば、ここで介入してくる可能性のあるのはもうキルアたちしかいないのですが、ナックルの『銀魂』の独白みたいな四百字詰め原稿用紙一枚分の走馬燈で引き込まれてしまって、「後は……頼む……!!」の瞬間は完全に伏線のことは忘れさせられてしまっていました。
やっぱりこういう話の魅せ方は上手いなあ。



魔人探偵脳噛ネウロ

人間(吾代、笹塚、弥子) V.S. 血族(チー坊、葛西)の第一戦は人間側の勝利。勝利と言っても無事に逃げてのけたまでですが、笹塚たちにとって今一番重要なのは本城の保護なので、これで勝利と言えるでしょう。
天井に張り付いたりコンクリートを破壊する脚力と腕力を見せるチー坊に、材木でつっかえ棒をしたドアを強引に力でこじ開けてみせる葛西。元々の血族の身体能力もあるでしょうが、この二人もXの強化細胞の移植はしていそうですね。

チー坊の武器を毒ガスと見せかけてのフェイクで作り出した心理の密室。「心理の密室」といえば、出口を閉じる鍵が「恐怖」と「先入観」という違いはありますが、デイビッド・ライスも同じ手口を使っていましたね。
毒ガスがフェイク=チー坊の武器はやはり毒ガス以外、になるわけで、あの奇妙な形のナイフに塗っているか、当初のようにシャボンランチャーで毒液攻撃をするかのいずれかになるのでしょう。問題はどこに毒を仕込ませているかで、いくら血族でも体がフットーするような毒への耐性まではないと思うので、仕込むにしてもうっかり自分の体に触れないようにしておく必要があります。怪しいのはあの常時身に付けている毛糸の帽子でしょうか。あの中にグイード・ミスタの予備弾丸のように毒の入った瓶を仕込んでいて、いざという時には頭を振るだけで取り出せるようにしているのかもしれません。チー坊にテクを仕込んだというジェニュイン姉さんも同じ毒の使い手だった場合、間違いなく胸の谷間から毒瓶を取り出すはずです。

笹塚「思ったんだけど、ネウロって…いつもこんな事させてんの?」

血族がいかに危険な存在であるかを分かったうえで弥子を送り出していたネウロに、少なからず不信感を抱く笹塚。どっちかというと普段ネウロが弥子にさせていることよりも弥子にしていることの方が突っ込みどころ満載な気もしますが、生命の危険さえなければどんなプレイをしていてもノープロブレムということでしょうか。
笹塚の不信に対し、ネウロのことを必死でフォローする弥子。普段あれだけ縛られたり足蹴にされたり嬲られたり放置プレイされたりしているのに、こんな時は一生懸命ネウロのことを信用しているところを見せてくれます。
ネウロも血族も、どちらも人間ではないし人間の倫理観では行動しないというのは共通項で笹塚の感じた通りですが、人間の存在に価値を見出しているかどうかが大きな違いとなります。
ところで331ページ目の葛西は見えているよね。



サムライうさぎ

竹刀

いや、気付けよ。
袋ごしからだって明らかに感触が竹刀とは別物だって分かりそうなものなのに、どんだけ天然な子だったんだ昔の鳳は。
残念なことです。このまま何の障害もなく成長していたら、天然系ドジッ子美少年という萌えキャラに成長していたであろうに。

まあ、鳳専用の鉄傘のようなものでなくても、仕込み傘という武器なら漫画やゲームには度々登場することもある武器です。普通の日常生活用品の傘でも、黒巣信長の無限流活殺術では武器として利用していましたし。非標準の特性竹刀は許容しても傘は許容しないという度量の狭ささえなければ鳳はあのまま試合できていましたね。
ところで実際に傘を武器として使おうとした場合、もっとも効果的な攻撃方法は傘の先端で相手の眼球部分を突くことだそうです。眼球の裏は頭蓋骨の一番薄い部分なので、そこを割って脳に直接損傷を与えるのだそうです。なるほど、審判員たちがあんなに慌てて不戦勝にしてしまったのは、傘を武器にすることをふざけていると見なしたからではなく鳳の試合相手が眼球と脳漿を潰されてしまうのを止めるためだったんですね。
それにしても、これで親から切腹を申しつけられる鳳もたまったもんじゃないですね。そりゃ親とか武士とかに不信や恨みを抱くようになるよ。もしかしたら鳳の父親は傘で試合相手をZANSATSUしようとしていたことを武士にあるまじきこととして咎めていたのかもしれませんが。

元々はみな武家の生まれでありながら侍に憎しみを抱くようになった流人たち。吾助がうさぎ道場を開いたきっかけも自分の置かれている武家社会への反発からですが、それはそんな武家社会のしがらみに囚われない道場を作りたいという行動で実行されています。
今回のうさぎ道場対流人の戦いはその二つの思いのぶつかり合いに終始していますが、ジャンプお約束のトーナメント展開になってもちゃんと連載当初のテーマを今に至るまで守り続けているんですね。