くず鉄作りの海 - ジャンプ感想ログ(2009/01)

2009/1/29


ジャンプ感想(2009年09号)


アイシールド21

ドイツの人「なんてパワーだ峨王力哉。ヨーロッパ最強国家ドイツの最強ラインマンと呼ばれたこの俺が、支えきれん…!!」

説明台詞すぎて泣けます。



NARUTO

螺旋連丸がパイタッチに見える件。



トリコ

ケンカ中の猛獣二匹を蹴散らしたGTロボ。そのGTロボを通りすがりで踏みつぶしてのけたリーガルマンモス。
ベタではありますが、こういう強さ表現は分かりやすいし、余計な台詞や説明もなく表現できるので鼻につかなくていいです。

今週は小松のターン。今まで『トリコ』の食事シーンで美味しそうと思ったことは残念ながら全くなかったのですが、小松が松茸を食べているところは少しだけ美味そうに見えました。
でも醤油バッタは無理だ。サニーの言うとおりほんとにキモいよ!いくら美味しいと言われたってでかい昆虫の背中に血膿みたいに膨れあがっている塊をちぎってふりかけるなんて私だったら無理ですよ。うすくちの醤油なら色合い的にも近いものがあるし、絵的にNGですよ。つうか結構グロいよこの発想。



BLEACH

やっと出てきたヤミヤミ(金色の闇や中野のカレー店のことではありません)。
犬の飯を横取りして吠え立てられながらのご登場で、他の十刃はすでに戦死、または現在人間界で戦闘中、またはウルキオラのように藍染から留守役を言いつかって虚園を守っていたところで、どう見ても一人だけ上司や同僚から存在を忘れられていて置いてきぼりになっています。「面倒臭え」とかゲイラみたいなことを言っている場合ではなく、ぎりぎり十刃という今の自分の立場の危うさをもう少し自覚した方がいいです。
長いことを姿を見なかったので、実は私が忘れているだけですでにアバなんとかあたりに倒されていたんじゃないかとか思い始めていたところでしたが、この騒動の最中にも出てこなかったのは単にひどいグータラぶりだっただけで、今までずっと飯(犬から横取りしたもの)を食っていたらしいという有様。
しかし、よくよく考えたら彼は藍染から最初に言い付けられていた「持ち場にて待機」の命令を忠実に守っていただけで、そんな命令を出したことをすでに忘れていそうな藍染の方が悪いのかもしれません。それに、今回の戦いですでに十刃の半数以上が死亡、そして今戦闘中の残りの十刃も死神の前に倒れることになれば、自動的に繰り上げでヤミーが1(プリメーラ・エスパーダ)です。入れ墨については「0」の部分を削ればいいだけなのでお手軽に変更できます。ヤミー、出世したければ君が今すべきこと床ぶち抜いて登場することじゃなくてもうあと1時間くらい黙って飯を食っていることです。



PSYREN

その正体と本性を現した黒幕、天戯弥勒。
うっかり彼の心をのぞいてしまったシャオはそのあまりのおぞましさに震えながら嘔吐し出す始末。どうやら弥勒君の心は子供に見せてはいけないものだったようです。ただ、以前に雨宮さんの心をのぞいても大丈夫だった彼ですから、DIOと初めて出会った時の花京院みたいに怖がったのはシャオが子供で精神が未熟なせいでもなさそうです。

結局「アマギミロク」がそのまま彼の名前でした。私もその可能性もあるかもという予想はしていたのですが、姓の方はともかく、さすがに人名で「弥勒」はないだろうと、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
いや、普通名前に神様仏様の名前って付けないでしょう。例えばあなたの身の回りに、「鈴木阿修羅」とか「佐藤アポロン」なんて名前の人がいたら彼らの親の正気を疑うでしょう。正気じゃない親だったから弥勒君はあんな子に育ってしまったのかもしれませんが。でも、こういうのを見ると弥勒君の名前もあり得ないと言い切れないところがある現代日本。
しかし、氏名は仏教ルーツなのに、使っている技(セフィロト・ゲブラー)の名前はユダヤ教ルーツなんですね。仏像の集合体からイエス・キリストが現れて「わたしはかならず竜を殺す!!」とか言い出すような違和感があるので統一しておいてほしいところです。
自分が新しい宗教的な中心人物となるためにいろんな宗教要素をミックスしたものを作ろうとしている、と考えることもできますが。



トリガーキーパー(読み切り・後編)

うーん……
前・後編だったので前編での感想はあえて避けましたが、先週の作者コメントで「いまから後編を考えます」と言っていたように、本当に事前に展開を練り込む時間もなく描くことになったんだなと思わせてしまう内容でした。
この話のメインである「トリガー」がそもそもどういうものなのか定義が曖昧すぎるところがあります。トリガーとは異星人の持つテクノロジー(道具)で、超能力やスタンド能力のような生まれつきで身に付くものではない、と思ったら、人によってトリガーに未熟・成熟の差があったり、最後には主人公にトリガーが伝染してしまったり、どう解釈していいか分からないところがあります。
他にも、明らかに地球人より数段階上のテクノロジーを持っている宇宙人たちが「この星のすばらしいテクノロジーをぜひご教授いただきたく思っています」と言っているのが嘘を付くにしてもあからさまにおかしかったり、結局母船から根を伸ばしていたのは何のためだったのかということがまったくのスルーだったり(そもそも母船から根を伸ばしていることが本当に地球人にとって驚異となるのかどうかもはっきりしていませんでしたし)、いちいち挙げていくときりがないのでやめておきますが、粗の多さが目立つ作品でした。
話の本筋自体が中途半端なところで終わってしまっているだけに、なおさらその練り込みの甘さが目立ってしまうのでしょう。



黒子のバスケ

黒子の弱点は「慣れたら終わり」、発揮できる効果には時間制限がありました。
しかし、こんな早くから主人公の特性の弱点を出しちゃっていいんでしょうか。まだ練習試合しただけですよ。『アイシールド21』のセナのランニングなんかとは違って、「影の薄さ」って成長させようもない気がしますし、タネ切れにするのは早すぎるんじゃないでしょうか。
もしこれ以上黒子の武器である「影の薄さ」を発展させるとしたら、メレオロンの「神の共犯者」のような能力を身につけるとか、物理的に黒子の存在そのものを見えなくするとか、そんなファンタジックな方面ばかり連想されてしまうのですが、この後の展開でどうフォローをつけていくんでしょうかね。
最初から最後まで成長することのない主人公というのは、スポーツ漫画で連載を続けていくにはかなり厳しいものがあるよなあとは思います。



魔人探偵脳噛ネウロ

シックス「服を脱ぎなさいXI。ここで始めよう

おまえ何やってるんだシックスーーーッ!服はともかく理由を言えーーーッ!!

シックスが決戦の場に選んだのは廃棄された遊園地跡。廃墟マニアらしいことが確認されているシックスですから、この場所を選んだのは単に戦力上の計算だけでなく彼の趣味も入っているのかもしれません。
しかし遊園地で決戦というと、ドリアンと神心会の対決を思い出すのですが、ここはやはりシックスも戦いを始める前に一通りネウロと弥子に存分に遊ばせてあげるべきだったと思います。
遊園地といえばジェットコースターの上での戦闘がトラディショナル。ということでコースターの路線上に追いやられたネウロですが、日頃から壁でも天井でもどこにでも直立できる魔人には三戦は不要ですね。ネウロならジェットコースターから落下する心配もありませんが、普通の人間が落下すると生死不明のまま数年間姿が消えてしまう重い後遺症を負うことになります。よい子は危ないのでジェットコースターの上で三戦はしないでください。

弥子の記憶を読み取り、これまでネウロと弥子が出会った犯罪者達に変身して攻撃をしかけてきたイレブン。至朗田のドーピングコンソメスープで強化された怪力、デイビッド・ライスのノーズサーベル、大塚の家具スーツ、そしてアヤの歌声までもを凶器に変えて攻撃してきます。
って、あれ。ライスの鼻でそんなこと一度もやってないぞ。弥子とイレブンどっちが記憶を改竄したかは知りませんが、なんか『ONE PIECE』のアーロンと混ざっていませんか。この分だとこの後も出てくるであろう犯罪者達もカスタマイズされた強化ぶりを披露しそうです。おそらく事務所編の犯人だった鷲尾は本当に空を飛ぶでしょうし、絵石屋邸編の犯人だった真栗一茂は頭から生やした木の枝でセフィロト・ゲブラーを作って攻撃してくるでしょう。
今イレブンは弥子の記憶を読み取って変身しているようですが、ネウロの方はやはり人間と異なることもあって読めなかったりするんでしょうかね。もしネウロの記憶も読めてその中の人物にも変身できたとしたら大変なことになります。例えば、自分の燃料にするために太陽をかじり取って連れ回すエゴカーや、大陸単位で拉致を行う誘拐犯、全長420kmのトリートメントと称して手当たり次第に周囲の生物の養分を吸う美髪の持ち主など。シックスや血族達ががんばるまでもなく地上の人間を滅ぼせてしまえそうです。

一方シックスはこれまでネウロ達を襲った五本指の力全てを使えることを明かします。ラスボスがこれまで登場した敵の能力を全て使えるというのはわりとオーソドックスなところですが、問題はまだ見せていないシックスのオリジナル能力です。「武器」の扱いに長けているという彼がどんな人間を越えた能力を見せるのか、気になるところです。



アスクレピオス

大砲にぎちぎちに小石詰め込まれているのに気付かないって天然過ぎるよカリギュラくん。
仇敵のカリギュラも治療してしまうのは、この主人公の変わらない信念ですよね。


2009/1/22


ジャンプ感想(2009年08号)


BLEACH

メノリ「あのさ…!やっぱり止そうよ…あたし…もうあの子に関わりたくないよ…」
ロリ「…あんたも少しは聞こえたでしょ…さっきの藍染様の言葉……!…今なの…今しかないの…引きずり降ろすの…」

ウルキオラと一護が戦闘中の危険な場所にわざわざ織姫への私怨晴らしのためだけに向かっていくロリと、「もうあの子に関わりたくない」と言いながらも渋々同行しているメノリ。端から見ればもの凄い勢いで死亡フラグを立てている二人組です。このあたりの台詞を
メノリ「待ってよ…!一人でどこに行くのよ…」
ロリ「この中に殺人犯がいるかもしれないのに一緒に居られないわよ…!あたしは一人で寝るわ!」
にしてもさほど違和感はなさそうです。
あとロリの子は目がちょっとやばくなってきて今にも包丁持って織姫を刺し殺さんばかりのご様子ですが、その織姫はすでに藍染から用済みのいらない子宣言されていて、そんな織姫をいったいどこから引きずり降ろそうというのでしょうか。「引きずり降ろす」という言い方の時点でそんな織姫よりもまだ自分たちの方が下の身分にいると思っているわけで、どんだけ底辺の存在になっちゃったんでしょうこの子たち。



マイスター

峨王くん!こんなところで何してるんですか。



アイシールド21

糞ドレッド終了のお知らせ。
こんな目に遭わされても借りはアメフトの試合で返すところは意外と紳士的な阿含です。
試合相手の髪の毛を問答無用でバリカンで刈るとはゴメリーくんなかなかの鬼畜軍曹ぶりですが、これは『テニプリ』の主人公が通過済みの場所でもあります。試合の翌日、阿含の頭が元通りになったように見えていても、誰もそのことには触れないでいてくれるだけの優しさは日本チームにはあると思います。
ところで今まで阿含のことを「糞ドレッド」と呼んでいたヒル魔はこれからはなんて呼ぶんでしょう。
いきなり兄、雲水とおそろいのヘアスタイルになってしまった阿含ですが、例のミイラ男の正体が雲水という予想もちらほらとありますし、これは単なるギャグ展開なだけでなく、阿含、雲水入れ替わりの伏線やもしれません。見た目から区別ができない双子が出てきたら入れ替わりを疑うのが推理物の定石なのです。あうあう。

唯一架空の国だったミリタリアも、主要キャラがロドチェンコだけだったロシアに続いてギャグキャラとして適当に処理されて終わりのようで、この分だとアメリカ以外の他の国もかなりひどい扱いを受けることになりそうです。
メキシコは多分、ルチャリブレを取り入れた空中殺法を得意としたアメフト技を多用してきて、選手は全員覆面をしているでしょうし、インドは頭にカレー乗せてます。もし中国が勝ち上がっていたらカンフーアメフトを披露していたことでしょう。カンフーアメフトはともかく、カンフーサッカーは実在しましたけどね。ミリタリアよりもこっちのがガチで危険です。

対アメリカ以外ではかろうじてフランスかドイツ戦でまともな試合をやるかどうかといったところですが、一試合ずつ話とキャラクターを考えるのが面倒なのなら、わざわざワールドカップになんてしないで最初から日本対アメリカ戦にしておけばよかったのに、とも思います。



PSYREN

このー木なんの木気になる木ー見たこともーない木ですからー。
清忠お兄ちゃんは名前も知らない木になりました。

未来において崩壊した世界を作り出したW.I.S.Eの創設者をついに現代で突き止めることができたかに見えましたが、アゲハが倒した犬居は洗脳された操り人形に過ぎませんでした。
W.I.S.Eの主である「アマギミロク」によって記憶を改竄され、赤の他人を弟と思いこんでいた犬居。当初「アマギミロク」って宗教における神仏的な存在かと思っていたのですが、現存する人物として登場させるんですね。

普段から弟へのDVの凄まじい兄と思っていましたが、その実、「三郎を傷つけていいのは俺だけ」と歪んだ愛情の表れであったようで、鎬紅葉のような弟思いの男だったようです。

「もっと犬居三郎でいたかったのに」と、お兄ちゃんを前衛的な生け花みたいなことにしてPSI使いの正体を現した犬居三郎。
あんな暴力的でキチ<ピー>な兄からなんで逃げだそうとしないのか疑問に思っていましたが、そんな境遇も三郎の方はわりと好んでいたようで、痛めつけられたり暴言を浴びせられたりするのは三郎自身の趣味であったようです。
しかもわざわざ相手の記憶を改竄して血の繋がっていない兄と妹、じゃなくて弟という、お兄ちゃんプレイなセッティングまでして、三郎くんはかなりマニアックなこだわりを持っているようです。
しかし、カイルには反抗的な態度を取り始めており、どうやら年下の子供にいじめられるのは彼の守備範囲外だったようです。これがカイルではなくフレデリカだったらもしかしたら話は違ったのかもしれません。
仮に三郎にはヒットしなくても、「ドSな犬居のお兄ちゃんにいじめられたい」という層よりは「ドSな少女フレデリカにいじめられたい」という層の方がはるかにメジャーな層として支持を得られるはずです。どこのメジャーかは知りませんが。
いろいろと変態的な犬居義兄弟ですが、この作品においては彼らだけが特別変態というわけでもなく、今のフレデリカ×マリーの関係もだいたいこれに近いものがあります。彼女たちもこのまま成長したら立派なSMの完成系を見せているはずです。



魔人探偵脳噛ネウロ

国際指名手配までもが確定し、いよいよ人間の世界での地位は諦める他なくなったシックス。しかしラスボスたるものその程度のことで動揺していてはつとまらないとばかりに、いっそド派手にデストローイする作戦に出てきました。
シックスが手配させた人物はどうやら最後の新キャラとなるフード男のようです。もう伏線を残しているキャラもいませんし、ここでフード男の正体が既知のキャラであるということもないと思います。
ネウロ&ヤコがシックス&イレブンと対峙し、フード男の方は笛吹ら警察勢が相手をするんじゃないでしょうか。葛西戦だけでは一丸決起した後の彼らの見せ場が少なすぎるというのもあるでしょうし。
しかし、人外レベルの能力を持つ二人を相手に弥子だけハンディキャップがきついよなあ。

ネウロ「唯一…我が輩が手を下すべき犯罪者。そう、犯人は…貴様だ、「シックス」」

これまで事件の犯人暴きには隠れ蓑として使っていた弥子にやらせていたネウロでしたが、今回初めてネウロ自らの口上となりました。
なかなかシビれるいいシーンなのですが、しかしこういう展開を見るにつけてももう『ネウロ』が終局へと向かっているんだなということを実感させてしまうところでもあります。

気配までも完璧に弥子になりきりネウロに奇襲をかけてみせたイレブン。単純なパワーだけでも以前のXよりも強化されていますが、弥子の決め台詞のターンまで奪い取ってしまうという空気の読みっぷりは弥子のヒロインの立ち位置すら危機に陥れようとしています。
ネウロが調教して育てた弥子、シックスが調教して育てたイレブン、この二人の成長がそのまま魔人・人間対血族の勝敗を決めると葛西は予言していましたが、四人の中で一人だけ純粋な戦闘能力は持たない弥子がどう活躍してくるのかが見物になってきます。