と、そこにシフトしていく土台は確かにあったものの、展開の振り幅の激しさが読者の多くに唐突感を与えているのではないでしょうか。(作者のネタ詰まりを心配する声さえあったくらいですし)
それともう一つ大きいのは、初期路線では魔界の存在はあくまでベル坊やヒルダ、アランドロンなどの日常を異常にさせる人外キャラを登場させるための付加設定でしかなかったことです。後ろ姿だけの登場だったベル坊の父親などは完全に大魔王バーンのパロディでしたし、元々本気で魔界に関する設定を前面に押し出してくる気はなかったと思われます。
それが今回、おまけの設定程度と思われていた部分が急にメインに展開されることなったので違和感を与えてしまっているのでしょう。
似たような設定を持つところでは異星人が数多く登場した『To LOVE る』や、魔人が主人公だった『魔人探偵脳噛ネウロ』などがあげられますが、『To LOVE る』に関しては異星に行く展開はごくまれに限られる1話限りのハプニングイベントに止められていましたし、『ネウロ』に関しては魔界はあくまでネウロと弥子のギャグトークの中でたまに語られる程度で、魔界の住人も最終回間際に青膿ゼラ一人が登場したくらいです。