くず鉄作りの海 - ジャンプ感想ログ(2010/02)

2010/2/24


ジャンプ感想(2010年12号)

LOCK ON!(新連載)

初回は読み切りの時とそれほど変わらず。
作品として話の方向性がいまいち掴みづらかったので、第二話からどうやって話を続けていくのかは気になりました。
ジャンプ王道のお色気やバトル展開で読者の興味を引くには画力や描写能力に足りないところがありますし、目がいいからケンカも強いという主人公の特性もインパクトには欠けるところがあります。正直な感想を言うと、この先話が面白くなることがあるのだろうかと感じました。
徹底的に何が悪いというのはないのですが、興味を引くポイントがこれといってなかった、というところです。



ONE PIECE

白ひげの「グラグラの実」は結局ロギア系ではなかったようですね。ここまで白ひげが敵の攻撃をスナスナの実やメラメラの実のように体を変化させることでかわしたことはありませんでした。大将クラスが相手の時は覇気を使っていたからという可能性もありえますが、スクァードの不意打ちの一刺しもあっさりと刺さっちゃっていましたしね。
体を地震に変化させると言われても確かにどういう状態になるのか想像もつきませんが。消去方で「グラグラの実」はパラミシア系ですか。

エースの死に怒る白ひげ。そして白ひげ海賊団は一丸となって”エースの意志”として今度はルフィを守り抜こうとします。
白ひげの怒りの一撃は赤犬に大きなダメージを与えたものの、当然これで倒れる大将ではなく、赤犬が反撃に放った”冥狗”が白ひげの顔半分を削り取りますって白ひげェェェェェェ!!??
大丈夫なのかよこれって、大丈夫なわけはなく、今にも大脳が饂飩玉の如くこぼれ落ちてしまいそうな生きている方がおかしい状態です。白ひげが首を左に45度以上傾けたら大変な物(モツ)がポロリしてしまいます。頭部を破壊された人間がなおも仇を憎むことが可能であろうか。白ひげは今、筋肉で赤犬と海軍たちを恨んでいるのでしょうか。三寸切り込んでも人は死なぬのだ。
そして戦況はついに白ひげ一人が残って海軍の足止めをするという状況に。もはや精神的にも肉体的にも死を覚悟した状態。死亡フラグの旗がマインスイーパー上級編並に並び立っている状況です。

そんな戦況に現れたのがティーチ率いる黒ひげ海賊団。今のところ、白ひげにとっても海軍にとっても敵となっている黒ひげたち。今この場に現れた目的が全く読めません。白ひげはもう放っておいたら海軍と相討ちして死んでしまいそうな状況で、わざわざ黒ひげが白ひげの首を取りに来たとも考えにくいです。
そしていつの間にやらメンバーが増えている黒ひげ海賊団。インペルダウンでお持ち帰りされたシリュー以外にも初顔が見られます。囚人服を着ているから、同じくインペルダウンでゲットしてきた大物犯罪者たちですかね。それにしても船長を初めとして顔の濃い連中ばかりが集まっていて絵的にムサくるしいことこの上ないです。紅一点がドーラ似のおばあちゃんて。



NARUTO

サクラ「今…サスケくんを刺せば…全てが終わる…!」

オ、nice boat.
カテジナルートは回避されたようで一安心ですが、サスケの心を1mmたりとも動かせなかったサクラの騙し討ち。サスケは多分、サクラが本気でも嘘でも関係なく殺る気だったよね。むしろサスケがヤンデレ状態。
サスケはここでサクラを退けても、次にはナルトがクナイを持って刺しに来ようとしていますからね。当人の言うとおり「次から次へと」忙しいモテモテぶりです。

ダンゾウ戦でMPをほぼ使い切ったというのに、今度はカカシを相手にまだまだ頑張るつもりのサスケ。サイとカカシたちはサスケがここまで疲労困憊していることは知らなかったからみんなを止めようとしていましたけど、今のサスケなら普通に戦っても多分勝てますよね。適当なところでまたマダラかゼツが出てきてサスケを回収されてしまうのでしょうけど。



ぬらりひょんの孫

特に小細工や特殊能力があるわけでもなく、普通に地力でバカ強かった土蜘蛛。羽衣狐様を倒すべきラスボスとするなら、土蜘蛛はFF5のオメガや神竜といったところでしょうか。口車に乗せられてうっかり宝箱の中に入ってみたらそのまま400年間も封じられ続けちゃった、ちょっとドジっ子モンスター。
そしてリクオ側は、いきなりエクスデスに戦いを挑んでもまだ勝てる見込みがないから、みんなでレベルを上げたり敵の弱体化を待ってから挑もうと思っていたら、いきなりフィールド上で神竜とエンカウントしたような絶望感。とりあえず「これ敗北イベント?」かと疑うレベル。

ところで冷麗と土彦はこれ、二人まとめてミンチにされてしまったってことでしょうか……
空腹の土蜘蛛が「うまそうだ…」って言ってるってことは、別に性的な意味や範馬勇次郎的な意味で「うまそう」と言っているわけではなく、そのままの意味で食べるつもりだと思われるので、まずは生きている肉の塊をミンチにするところから始めるのは間違ってはいないのでしょうけど。



家庭教師ヒットマンREBORN!

どこまでも広がる「マーレ」は横の時空軸。
代を重ねる「あさり貝ボンゴレ」は縦の時空軸。
そして「アルコバレーノ」はどこにもとどまらない点。
やっぱりボンゴレだけ強引さは拭いきれない感があります。別にあさり貝に特定する必要性もないし。それでも一応はそれなりに理屈付けはできているからまだいいですけど、初期にファミリーの名前をペペロンチーノ(唐辛子)やカルボナーラ(炭焼き職人)等にしていたらもうお手上げでしたね。
こういう初期のギャグ漫画の頃にできた設定を現在のシリアス展開にも適用していこうとする姿勢には個人的に『キン肉マン』的なノリを感じますね。

リングの枷が外されたことで大幅パワーアップして一気に形勢逆転したツナ。白蘭も「ざーんねん♪ここまで僕はまだ8割しか力をだしてないよ」と強がってはいるものの、すでに実に8割と結構全力に近い力を出していることを自己申告しています。
白蘭は事前に用意していたGHOSTという一回使い切りのユニット一つを潰して(ついでに他の六弔花数人も)パワーアップを果たしたのに、ツナの方は後出し設定で強化されてしまったのはちょっとずるいなとも思ったり。
ツナに自慢の羽をもぎ引きちぎられるというウォーズマンがペンタゴンにしたような残虐ファイトを受けるも、まだまだ元気な白蘭さん。元気すぎて背中から必要以上に血が吹き出ていて失血死してしまわないか心配になります。白蘭さんが血に染まってまっ赤なキレイなお花を咲かせてしまいそうです。あと、羽が千切られた箇所から大量の出血をしていますが、この人の人体構造って一体どうなっているのでしょう。



PSYREN

アゲハに全部見られちゃって顔を赤らめるほど恥ずかしがっている雨宮さんがですね。雨宮さんがですね。

最後の最期までしぶとかった男、遊坂。敵であり、鬼畜で外道で毒フェチでキチガイで、自分に薬物を打ってばかりいた、というどうしようもない男でしたが、戦いにおいてくじける姿勢は一度も見せず、一貫して自分の立ち位置を貫き通したキャラクターでした。「悪の役」を徹底したキャラクターでした。

弥勒たちのPACKSを融解させる計画は失敗。結局自力で彼らを倒すしか道はないようです。
一方、弥勒の側は召集に応じたサイキッカーが集まり始めて戦力を蓄えつつあります。なんだかんだで未来で第一〜第五星将として登場した以外にも弥勒陣営のメンツは増えそうですが、ドルキさんより格下の星将がいたとはどうしても想像しにくいところがあります。グラナやシャイナたちにとって、ドルキさんの格は幼女未満という扱いだったわけですし。



彼方セブンチェンジ(最終回)

素で乱丁かと思って何度も見返してしまいました。わかりにくいネタかなとも思いましたが。
土門が蜘蛛を食べたところがこの漫画で一番面白かったシーンでした。


2010/2/18


ジャンプ感想(2010年11号)

BLEACH

・扉絵
白哉がスーツのポケットにむき出しのチョコレートをしまっていることには突っ込むべきなのだろうか。しかも白スーツ。


・BLEACHベストバウト
9位の夜一対砕蜂はやっぱり久保先生自身も意識していたのね。同じ刑戦装束を着ていたというのに絶望的な差ががががが。
一護VS更木剣八はベスト10には入ってないんですね。かませ犬イメージの強い阿散井の人気が高いのが意外でした。
5位の日番谷VS市丸がいつ戦ったのか思い出せない。番外編…?とかではないですよね。


・本編
ついに藍染を仕留めた(と思っている)隊長たち。先々々週くらいから日番谷たちと一緒に藍染に斬りかかっていたはずの大前田もいつの間にか見学ポジションの側に回って自分も一仕事した後みたいな汗をかきながらこの光景を歓喜で迎えています。
そしてここしばらく山本総隊長が姿を見せていませんがどこに行っちゃったのか。この人も藍染に対してはめっちゃ怒っていたはずなのに、全て部下達に任せて指示すら出さずに静観しているとも思えませんが。
一同が藍染を討ち取ったと浮かれる中、一人だけ現実の光景を見ていた一護は正反対の反応をしていました。日番谷が仕留めたと思ったのはやはり鏡花水月の作った幻覚。しかも身代わりになったのはよりにもよって雛森です。
わざわざ身代わりを立てなくても、以前に狛村にしたように幻覚でスカらせたうえでカウンターを取って斬り倒すとかもできたでしょうに、あえて手札に雛森を入れてくるところにいやらしさが感じられます。藍染の性格を考えれば日番谷への個人的な嫌がらせの線も十二分にありえますが、一番みんなの精神ダメージ効果の大きいところを選んできています。これが仮に身代わりにされたのが大前田や同じく重体の松本やハリベル(生きていれば)だったらここまで大きなショックにはならないでしょう。松本以外は「いっけね」で済まされそうですし。
ここに至るまでの光景、一護の目には半病人の雛森がみんなにフルボッコされる姿が映っていたのでしょうか。終わった後に「何をしてんだよッ」って言う前に助けてあげようよ。

始解をさせたらオシマイだと思われていた鏡花水月の完全催眠。その実、この完全催眠はいつ発動されたかも分からないという超凶悪能力でした。チートすぎて修正されてもおかしくないくらいです。これで実質、鏡花水月の始解を見ている一護以外の全員が無力化されたわけです。捨て石の覚悟で藍染に斬りかかろうが肉の盾となって一護を守ろうとしようが、いつ対象を入れ替えられてもおかしくないわけです。

先週の日番谷の一撃で倒されたとは読者の誰一人も思ってはいなかったところですが、藍染が心中のつぶやきで「しまった」と言っていたのでこれは幻覚ではないだろうと思っていたのは考え過ぎだったようです。ただ、また幻覚オチでがっかりされる前に、藍染の完全催眠が想定していたよりもはるかに凶悪な性能だったこと、そして忘れかけていた雛森を使ってきたことでうまく藍染の非道さと強さを演出させる回となりました。



NARUTO

お前は何を

誰に対して、ってのは言わなくても分かると思いますが。この子は第二のニナ・パープルトンかカテジナ・ルースにでもなるつもりなのか。
少し冷静に考えるなら、サクラは自分でサスケを刺しに行くことにしたもののさすがにガチでぶつかっても殺れるわけはないから、仲間になったフリをして寝首をかいてやろうという算段でしょうか。サスケがその言葉を額面通り受け取るとも思えませんが。
仮にサスケが受け入れた場合、死にゆく香燐が最期に見たものは、サスケが他の女(しかも幼なじみ属性持ち)を自分のポジションだった回復役に引き入れる光景とかだったら、香燐がなんて浮かばれないこと。

香燐のサスケとの馴れ初めは中忍試験の時。ということは、彼女が大蛇丸の下に付いていた時期は意外と短かったんですね。長くてサスケと同じ程度か、もしかしたらサスケがいたから自分も大蛇丸の配下に入った可能性もあります。
香燐にワケの分からないツンデレ状の何かを出させるよりは、こういう内面をもっと前から小出しにしていっていればもう少し香燐の死にも同情を持てていたのかもしれません(まだ死んでいません)。

マダラはシスイの写輪眼のサルベージには失敗。すでに死ぬ前に潰されていましたが、死体回収する前に気付こうぜ。そして何やら大量に保存されている写輪眼。もちろん『HUNTER×HUNTER』のネオンのようにコレクター魂から蒐集しているわけではなく、かといって彼が一族の思い入れから写輪眼を回収しているとも思えないので、やはり自分で使用するためにストックしているのでしょう。
ダンゾウは右腕に埋め込んでキモい改造アームにしていましたが、いまだ素顔すら晒さないマダラの仮面と黒タイツの下はまさか全身写輪眼……



ONE PIECE

エース倒れる。
最後の最後に弟と再会し、自分が生きてきた答えを見いだすことはできたとはいえ、全く悔いのない死に様と言えば嘘になる最期。白ひげが命を賭して救おうとしたエースがあっけなくも眼前で殺されてしまうというショッキングな結果となりました。
そして何より、作者自身が公言して”誰も死なない”と思われていた『ONE PIECE』において、メインキャラが非業の死を遂げたということはかなり大きな出来事です。
次週以降の展開も読めませんね。白ひげ側が目的であるエースを殺されてこのまま撤退するとも思えませんし、このままだと白ひげは無駄死にすらなってしまいます。かといって、三大将が圧倒的な力を見せる今の戦況で白ひげやルフィたちがこの状況をひっくり返せるとも思えませんし。

それにしても、先週にかけてからの展開で、大将がかなり手に負えない強さだということがはっきりしてきましたね。七武海とエースやマルコたちがだいたい同程度の強さとして、彼らでも大将には明確な実力差が出るほどの壁がありました。なんだかんだで白ひげの主戦力側がけっこうボロボロになってきているのに対して、今のところ三大将はほとんどダメージを受けていません。ロギア系で上位互換だなんて言われたらますます打つ手がなくなっちゃいますよね。



ぬらりひょんの孫

羽衣狐様があのモフモフの尻尾をスカートを下からまくり上げるかたちで出していることが分かって感涙するあまり生きているのがつらい。

空気を読まず単身でぬら組と陰陽師全員を相手に特攻してきた土蜘蛛。羽衣狐様が常に全軍を率いて全力投入で攻め込んでいるのとは対照的ではありますが、こういう命知らずは普通、適当な脇役キャラの誰かとタイマン勝負になって倒されるのが関の山。なのですが、この土蜘蛛は一人でも本当に馬鹿強いという態度のでかさに見合った実力でした。
秀元曰く、「遭遇してはならない妖」だという土蜘蛛。まるで桃鉄の貧乏神ですが、単純な腕っ節の強さだけではなく、まともに戦うと何か制約が科されてしまうような畏れを持っているということでしょうか。
「土蜘蛛」というのは妖怪の名前であるのと同時に、古代に天皇に恭順しなかった土豪の蔑称としても用いられており、彼の「俺は誰にも従うつもりはねー」というアウトロースタイルもここから来ているのでしょう。
ところで土蜘蛛は初登場時から迷彩ズボンにブーツという出で立ちでしたっけ。どう考えても彼が封じられる前の時代にそんな物が存在したわけはないので、現代で衣装を今風にイメチェンしたIBARAKIDOUJIさんのように彼も履き物を変えたのでしょうね。そしてそのIBARAKIDOUJIさんはというと、あの前面のITAとのミスマッチぶりが凄かったビジュアル系衣装はやめてしまったようで、古風な着物姿に戻ってしまっています。いくらがんばって衣装を変えてみても、あの胸元から生えるITAだけはどうにもしようがないという現実に気付いてしまったのでしょうか。



トリコ

トミーロッドさんの顔芸が絶好調。

今週の半裸のマッチに向かって半裸のトリコが「よくヤってくれた…」と慈しむような目線を送っているシーンが全国の一部の読者のリビドーを刺激しかねない危険さです。そういえば『トリコ』って意外にBL人気が高いんですよね。マッチもマッチで「まるで巨大な…森に包み込まれているような……」とエクスカリバーでも包み込まれているかのようなアブない表現を使用しています。
そんな二人のいちゃいちゃぶりに嫉妬でもしたのか、八つ当たりにトミーロッドは瀕死の部下二人にわざわざトドメを刺そうとします。もしかしたら抵抗できないボギーとバリーに虫プレイというコアユーザー向けの展開でも始めようとしたのかもしれませんが、どちらにせよそれはやりすぎだと「それ以上いけない」とばかりにトリコに防がれてしまいます。前者はともかく、後者はB級グルメどころではないG級グルメな事態になっていたので、すかさず止めてくれたのはありがたいです。

次から次へと絶えることなく口から虫を出してくるトミーロッド。量的にはもう匠が粋なはからいでがんばった収納スペースなんてレベルでは収まりようもなく、すでに四次元ポケットのレベルに達しています。ここにシータがいたら、「トミーの口って魔法のかばんみたいね」と言ってくれたことでしょう。



PSYREN

お姫様抱っこして「ずっと俺がそばで守ってやっから」と、これなんて公開プロポーズ。

遊坂はイカれ具合といい、徹底した悪役ぶりといい、敵のどんな攻撃にも引かずに自分の限界を超えて前向きに戦おうとする姿勢といい、いいキャラクターでした。自分の持てる物を出し惜しみせずに全力で、あらゆる手を駆使して戦う展開というのはやっぱり爽快感というかカタルシスがあります。


2010/2/10


ジャンプ感想(2010年10号)

NARUTO

フェイクも何もなく冒頭の煽りそのままに「サスケが…香燐を刺し」ました。しかし本当にそのままな煽りです。

サスケにとっての香燐の価値が、いざという時にあれば助かる非常食程度のものでしかないのはもう十分分かっていたところですから、別にサスケがこういう行動を取ったからといって驚くところでもないわけです。一時期、八尾と戦っていた時は「仲間」を意識していたサスケでしたが、今はすっかり様変わりしてしまいました。香燐が万が一かろうじて息があって命を取り留めることがあったとしても、サスケがためらいなく仲間を捨て石として扱った事実は変わらないですし。

ダンゾウの死に際の道連れ封印術も失敗。こうしてダンゾウの命は費えることとなりました。
一応彼の最期のセリフからしても、彼が裏でいろいろとさすが忍者汚いな事をしてきたのは私利私欲ではなく大局的に見て木の葉と忍の世の中を思ってのようですが、彼のしたことは基本裏目か木の葉の人間にとってはマイナスにしか働かなかったことが痛いところです。裏で大蛇丸と手を組んでみたら後々大蛇丸に木の葉崩しをやられ、雨の国の半蔵と組んでみたら恨みをかったペインに木の葉を壊滅させられ、苦節の末に六代目火影に就任してみたら五影会談で余計なことをしたせいで逆に各国を敵に回すことになり、何一ついい成績を残せませんでした。0点どころかマイナス点です。下手をしたら六代目火影どころか木の葉の汚点として歴史からなかったことにされてもおかしくありません。まだ仮就任の時期だったから、本当に六代目火影ダンゾウというのはなかったことにされてしまうのでしょうね。

現火影であるダンゾウを倒したサスケですが、その足で木の葉に向かうとのこと。重吾と水月を回収する気もなさそうです。すでにサスケに仲間意識がなくなっているのはいいとして、こんな疲労状態で向かっても大したことはできなさそうですが。
仮にベストコンディションだったとしても、火影が倒れて政治系統は乱れ、復興中で民衆は住居すらままならぬ今の木の葉に来てサスケが何をしたいのかはよく分かりません。うちはの犠牲の上で安穏とした生活を満喫する木の葉の連中に裁きを下すつもりがこの有様では、復讐のモチベーションも下がりそうです。
もしこの疲弊した木の葉でサスケが「今がうちはの恨みを晴らす好機」とばかりに虐殺プレイでも始めようものなら、もう完全に後戻りのできない鬼畜道に堕ちたことになるわけですが。



ぬらりひょんの孫

1ページ目の、イスの上で足が床に届かない狂骨がティーカップを両手持ちしているのがかわいいわけで。



BLEACH

なんだこの感動。
隊長格たちが力を結集して藍染に致命的な一撃を決めたのもそうですけど、団体戦では役に立たないと思われていた平子の逆撫がいいところを決めていたり、隊長たちが次々と斬り倒されながらも持ち味を活かして藍染に一矢報いたというのが良かったです。
ただ、どう考えてもこれで「終止符」が打たれることがないのが分かり切っているのが悲しいところですが、最後は藍染も心の中で「しまった──」と言っているので、殺ったと思ったのは鏡花水月の幻覚だったということはないと思いたいです。先々週に藍染に斬りかかったメンツの中でここまで大前田だけが出ていなかったことに強い不安を覚えますが、今回は鏡花水月オチはないと思いたいです。幻覚オチはあまり多用されると『NARUTO』の幻術の変わり身のように戦いの描写に緊張感がなくなっちゃいますしね。
仮にこれが幻覚ではなかった場合、予想されるのは藍染の変身です。虚化すれば超速再生で傷は回復するし、藍染のことだから帰刃第二形態くらいか一護と同じ暴走モードあたりの切り札までは残してあるのでしょう。

で、ギンと山本はいつまで外野で見てるだけに徹するつもりなのか。



家庭教師ヒットマンREBORN!

白蘭の白スリーパーホールドで追いつめられたツナ。プロレスやK1ならギブアップかレフェリーストップが入るところですが、これは実戦なので自力でなんとかするしかありません。それにしても、背中に羽を生やして体から火花やらを散らしている男に満面の笑みで絞め殺されかけるっていうシチュエーションは、絵的に異常すぎてサイコホラー的な恐怖を感じます。
白蘭の炎とツナの炎の応酬により結界が作られ、これで本当に誰も手出しが出来なくなりました。なぜこうなるのかという原理はもうよく分からないですけど、この辺のちまちまとした理屈よりも作者がこうしたいんだ!と思う絵を優先して強引に勢いだけで持っていく展開は、特に必然性もなく姫路城と名古屋城を合体させて関ヶ原を試合の舞台とさせてしまったゆでたまご先生に通じるものがあります。

ユニの大空のアルコバレーノの力によりおしゃぶりから肉体が再構成されようとしているアルコバレーノたち。
しかし、おしゃぶりから真っ先に再構築されようとしているのが弁髪だったりバンダナだったりヘルメットだったりと、『銀魂』だったら真っ先にツッコミを入れられそうなところです。メガネから再生されようとしている人とか、下手したらマダオや新八的な扱いをされかねません。
これは肉体が再生された時に全裸だったら困るから衣服類もいっしょに再構築しておこうという気の利いたオプションなのでしょうか。大空のアルコバレーノのピンチという緊急事態なんだから服など着ている場合ではありますまい。メガネは『To LOVE る』の校長でさえ外さなかったくらいだから仕方ないとしても、あとは全裸で再生しろ。
少女を守るために男たちがおしゃぶりのオプション以外は全裸で結集するとか、絵的に素敵すぎてむしろやってほしいくらいなのですが。



トリコ

甲羅で防具はいいとして、牙から刀が作れるのかはファンタジー世界で気にしてもしょうがないところか。

弟分の命がけの足止めのおかげで稼いだ三分。その時間が生み出した脱力と弟分を殺された怒りがバリーを一刀両断する居合いを生み出しました。
今週は概ね予定調和の展開ではありましたが、弟分たちが序盤に10秒と持たずに倒されそうになったり、脱力の振り幅を敵討ちの怒りで爆発させたところなど、爆発までの流れを飽きさせることなく上手く盛り上げています。
一つだけ残念だったのは、「火山」の描写がマッチの表情と並んだ時にギャグっぽくなってしまって水を差されてしまったことです。正直、この「火山」の描写はいらなかったなと思うところ。
怒りを爆発させた賢者モード後のマッチの表情の移り変わりは、静→怒→哀と、感情表現を控えめにしている分グッとくるところがあって良かったです。



HUNTER×HUNTER

ここ数年の『HUNTER×HUNTER』でゴンがしていることってピトーへの恫喝行為ばかりですね。たまにスポットが当たると、女性の命を人質に脅しをかける姿に戦慄されるところばかり描写される主人公とか新しすぎます。

ウェルフィンに補足されてしまったイカルゴ。ウェルフィンの今度の目的は一通りの敵の情報を入手したらプフたちに売り込んでおくといったところでしょうか。序盤にナックルたちがユピー相手に善戦できたのは、ユピーがトリッキー系統の念能力である「ハコワレ」や「ホテル・ラフレシア」の対処法が分からずに翻弄されたことがあるわけで、”自分の手札の中身を知られていない”というのは今に至っても大きなアドバンテージです。特にメレオロンの「神の不在証明」は敵に仕組みを知られた時点で終わりといってもいい能力です。
そんな状況下でイカルゴが下した判断はウェルフィンとの相討ち。イカルゴが自分の命よりも仲間のためを優先する性格だったのはキメラアント側にいた時からもそうでしたね。
「マジで殺すぞ!!」と言いながらも今の状況に焦っているウェルフィンと、その直前までの何も言っていないけどコムギの命を握ってピトーを恐喝し続けているゴンとがなんとも対照的です。本当に殺すつもりの男は「ブッ殺す」…そんな言葉は使う必要がないんです。



保健室の死神

現代薬学でいうプロタイン系アスコルビンマイシン。18世紀末英国貴族の間ではその富と権力を象徴する証は太っていることであった。そのため当時の貴族達は腹部の大きさを競いあった。こういう時代背景にあって各貴族の御用科学者達が腹部を膨張させる秘薬の開発を命じられたのは当然のなりゆきであったといえよう。そしてその薬を最初に発明したのがエジンバラ公お抱えのE・ベルツ博士であった。この薬は現代では当然無用の長物であり役に立たない物のことを英語でVEL'S INBENTIONというのはこれが語源である 太公望書林刊 『英国貴族の習慣・風俗』 より

教室に来たら山積みのプレゼントに花輪まで設置済みという、テレフォンショッキングのゲストクラスのもてなしをするという気合いの入れよう。チョコレートや花輪の置き場所に争った形跡もなく整然としているところからも、組織的に統率された者たちによって行われたものと見られます。バレンタインデーに「祝」の字と、何を祝福しようとしているのか分からないところもポイントです。
藤くんへの仕打ちが一周回っていじめの域に達していて、彼の学校休めば良かった発言にも嫌味を感じません。モテモテイベントに遭遇してここまで同情できる人も珍しいです。

鏑木がハデス先生への愛を込めて作った石炭のような物。
料理下手のヒロインが食材をありえないものへ変えてしまうのはわりとお約束の展開ですが、カカオを練り固めて作られたチョコレートがいかなる錬金のプロセスを経て石炭へと変成されたのかは気になるところです。タバコの空箱を握力で小石状の物体に変えてしまった花山薫のように、彼女もその天性の握力をもってチョコレートから石炭を産出したのでしょうか。世界のエネルギー市場に革命を起こしかねません。
そして匿名の誰かからバレンタインデーのプレゼントに石炭を贈りつけられてそれを素直に喜んでくれるハデス先生の人のいいこと。下手をしたら「お前は石でも食ってろ」という悪意に満ちたメッセージと解釈されてもおかしくないところです。鏑木は石炭と勘違いされた時点で捨てたり燃料に使用されなかっただけ幸運だと思った方がいいです。


2010/2/4


ジャンプ感想(2010年09号)

NARUTO

最後の一刺しはお互いに実体だったサスケとダンゾウ。サスケのかけた幻術で自分の無敵時間を見誤ったダンゾウの敗北でした。
しかし、ちゃんとサスケの勝ちに至るまでの伏線を張った戦いだというのは分かるのですが、終局後解説に丸々2ページも割いてしまっているのはどうもテンポが悪いなと思うところもあります。

負傷により弱った影響で初代火影の細胞が暴走し、危うく細胞に取り込まれかけたダンゾウ。カブトが移植した大蛇丸の細胞もそうでしたけど、細胞だけのくせにあわよくば宿主を支配しようとするとはたくましいというレベルを超えた強靱な生命力です。宿主を乗っ取ろうとするあたり、かなり執念深いというか、怨念めいたものを感じます。里の英雄であり木の葉の開祖である偉人だというのに、今じゃ自分の細胞を好き勝手されてオカマ脱皮男と同じような扱いをされている柱間さんのなんと哀れなこと。人間死んでもろくなことがないですね。
ダンゾウは柱間の細胞に取り込まれるのを防ぐため、やむなく自分の右腕を切り離します。イザナギは写輪眼使い捨て技のようなので、この閉じた眼球の付いた巨木を持ち帰っても使い道はなさそうですね。貴重な写輪眼がなんとももったいない…
切り離されたダンゾウの腕は写輪眼(使用済み)の付いた巨木となってしまいました。何も知らない人が見たら得体の知れないかなり気味の悪い置きみやげです。彼は木の葉の里の人面岩に自分の顔を残すことには失敗しましたが、この木が後々、祟りのあるいわくつきの木として扱われ、ダンゾウが知ることのない後の世で彼が生前に残した物が何世紀にもわたって丁重に扱われて残されていくことになるのかもしれないです。

ところでダンゾウが柱間の細胞に取り込まれた場合はどうなっていたのでしょう。あのまま巨木と一体化してエクスデス最終形態のようなことになっていたのでしょうか。サスケも大蛇丸に取り込まれかけた時には巨大蛇と化していましたが、あともうちょっとでダンゾウの体を媒体に初代火影復活!のチャンスだったのでしょうか。

人質に取られた香燐を躊躇なくダンゾウごと殺してのけたサスケ。この時のサスケの顔、どう見ても”仕方なく”とか”気にもせず”などというものではなく、”チャンス到来!ヒャッハー!!”って顔をしています。どさくさに紛れて香燐を始末するチャンスをずっと狙っていたのでしょうか。
マダラの「わざわざサスケが選んだお気に入りなだけはある…」というセリフを見た時に、全然お気に入られていないよ!と突っ込もうかと思ったのですが、まさかこの後の前フリだったとは裏をかかれました。しっかりとサスケのオチのサポートまでするとは、なかなか気の利く男です。



BLEACH

クジンシーの強制即死技ソウルスティールの見切りを先代皇帝の命と引き替えに手に入れ、見切り技を身につけたジェラールが唯一の脅威であったソウルスティールを封じてこれでクジンシーを倒せると思って戦いを挑んでみたら、実はそのクジンシーはパラメータをいじられてあって、ソウルスティールがなくても通常攻撃でダメージ999の連続攻撃をしかけてくる詰みキャラだったというオチ。

とはいえ、藍染が鏡花水月抜きでも異常な強さを持っていたというのは、読者の側からしてみれば今さら感もあります。これまでも狛村をチート級の鬼道能力で瞬殺したり、日番谷の卍解を始解すらせずに叩きつぶしてみせたりしてきましたし。
十刃の連中がトリック技で勝ったところで従うはずもないというはすごく納得できます。元・虚の王のバラガンなどはチャンスさえあれば藍染を殺してやろう殺してやろうとしていたし、その他の面々についてもただでさえ仲間内の足を引っ張り合うことには労力を惜しまなかった人たちです。それに力の集団のトップに立つ者が、不意打ち的なやり方でしか相手に勝てないというのはあまりにも絵にもならない話です。
藍染が全盛期のイチロー並の強さを誇るのはもう分かっているところだからいいのですが、むしろ、なぜ今頃になって藍染の脅威の対象が鏡花水月だけであるかのように護邸十三隊の隊長たちが判断してしまったかの方が気になります。現実から目を背けちゃダメだ。そのせいで可哀想な子が一人、鏡花水月さえなんとかすればきっと自分にも倒せると勘違いしちゃってるし。って、またお前かよ!日番谷冬獅郎!
「一対一に拘るつもりはない」という部分は一応まだ冷静ですけど、やっぱりこの子は一護のサポートになる気はないようですね。



トリコ

滝丸の手によって骨抜きにされてしまったボギー。滝丸の驚愕すべき手技に、通常の人間とは違う骨格を持つボギーも足腰がガクガクで今にもいってしまいそうです。
自分の体の中で一番大事な部分を抜かれて息を荒げているボギーですが、目の前にある固い物をなんとかしてもう一度自分の中にハメようと手を伸ばします。
そこへ飛んできたのが空気を読まないバリーの流れ弾的な攻撃。危うく自分の大事な部分をミンチにされてしまうところでしたが、間一髪、なんとかまだ無事であることを確認してほっとしたところへ今度はマッチの一刀両断。今度は見事に真っ二つにされてしまいました。
このいともたやすく行われたえげつない行為によってボギーは身も心も不能となり、滝丸と相打ちでリタイアとなりました。

そして今度はヤクザ副組長とローション男の対決。『仁義なきローションクッキング〜ヤクザ対ムチムチ料理人〜』と、Vシネマにありそうなタイトルまで想起させられるところですが、このボギーの強みは、頑丈な防具とすっごい滑る体液と常時体がフットー状態という三点セット。攻撃はともかく、ガードが非常に硬い滑るしヌルヌルだしで厄介な相手です。
一方のマッチの手札は「脱力」。消力のごとく脱力の振り幅で威力が上がるということですか。これで硬い防具の方はなんとかなると思いますが、ヌルヌルの方はどう攻略するのかが見物です。



家庭教師ヒットマンREBORN!

桔梗「ハハン、神?白蘭様はむしろ崇拝すべき悪魔」

この人、ついさっき他の仲間たちと同じく何も知らされないまま白蘭の栄養分になって殺されるところだったのに、まだ仕える気満々なんですね。扱いとしては捨て駒にされた幻騎士と同じなのですが、白蘭に忠誠を誓う人たちは白蘭が部下への鬼畜ぶりを見せれば見せるほど「白蘭様たまんねえぜ!」と喜んでしまうドMが多いのでしょうか。マフィア社会の完成形は少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ。

白指、白龍、白拍手……
白蘭さん、技のネーミングセンスをもう少しこう、何というか、手心というか…
なんでも白を付ければいいってもんじゃないよと突っ込みたくなるところですが、むしろもっと開き直って、白ローリングソバットとか白ジャーマンスープレックスとか白ヘッドバンキングとかやってくれた方が清々しいかもしれません。

【白指】:白蘭さんが指先一つで相手を吹き飛ばす技
【白拍手】:白蘭さんが拍手の動作で敵の攻撃を無効化する技
【白吐息】:白蘭さんが甘い吐息で相手をメロメロにする技
【白ラーメンライス】:白蘭さんがお昼にラーメンライスを食べること
【白シエスタ】:白蘭さんが食後の午睡をとること
【白メンズナックル】:白蘭さんが俺にもっと輝けと囁く



PSYREN

トランス系を得意とした表の雨宮さんに対し、バースト系を得意とするギャル宮。後ろから生えているのは尻尾のようにも見えますが、位置的には羽みたいですね。用途としては先端の刃物で斬ったり、物を掴んだり、相手を縛ったり、など、多様な使い方をしていますが、これが『To LOVE る』だったら先端の刃物で相手の服を切り裂いた後に全身を縛り回すという使い方を間違いなくされたはずです。なるほど、これは尻尾でも羽でもなく触手だったわけですか。『PSYREN』は裏人格の触手によって表人格が攻めを受ける雨宮さんという新たな二次創作の可能性を用意してくれたというわけです。