ジャンプ感想(2010年34号) BLEACH 「小島ってこういう奴だったっけ…」というのは一般の読者にとっても数年ぶり単位の再開ですから、あまり出番のなかった脇役の彼のキャラクターとかもう覚えてないですよね。 異常事態において随分と手慣れた彼ですが、仮に『BLEACH』が青年誌向けサバイバル漫画だったとしても、小島は最後まで生き残るか序盤であっさり死ぬかのどちらかしかないタイプです。彼の緊急事態における状況適応能力を見ると、バトルロワイヤルのプログラムや彼岸島に放り込まれても生きていけそうです。世界が核戦争で滅びてモヒカンが大量発生する世界になっても適応できるでしょう。 まあでも、さすがに小島はちょっと怪しい、というか「実は○○でした」的な裏とか出てきそうだな。 なんとか一般人未満の格付けをされるところを回避したアフさん。彼の持っていた斬魄刀は浅打(自前の斬魄刀が出せない死神用の量産刀)という指摘もあったので、勝手に持ち歩かれてもそれほど困りはしない物かとも思ったのですが、ちゃんと始解ができているってことは、自前の斬魄刀だったんですね。浅野は知らなかったとはいえひどいことをやらかすところでしたね。アフさんだって一応ピンで特定地域の警備担当に任命されるくらいなのだから、始解くらいはできていないとおかしいですよね。W.I.S.Eで例えれば第五星将(地域警備担当)クラスの扱いなんだから。 アフさんの始解、お早うマイ・マザー一番星君グレート・土鯰で藍染の足止めをはかるも、当然の如くチートプレイヤー藍染には時間稼ぎにすらなりませんでした。「お早う」というかけ声がついさっきまで一般人と一緒に寝こけていたアフさんには皮肉すぎますね。 相手が相手なのですごくしょぼく見えがちですけど、大地を引っぺがす土鯰の能力って結構すごいですよね。死神の中には始解しても形状が鎖鎌に変わるだけとか薬入れ付きの槍に変わるだけとかなんてのもいるわけだし。 二者の狭間に違和感…!? なんか気になった今週ラストの煽り。「違和感」と言われてもあのコマだけでは単にギンが松本との屋上デートからギンが帰ってきただけの描写にしか見えませんし、これといって怪しい要素を見つけろと言う方が難しいのですが。 というかこれ、担当さんナチュラルにネタバレしてませんかね。 逢魔ヶ刻動物園 蒼井の軟禁生活は続くんですね。 基本ここの動物園は集客能力がゼロのようですが、動物たちの餌代はどうやってまかなってるんでしょう。客足が減ったことで餌代を維持できなくなって動物を手放したり廃園になる動物園も現実にはあったりしますが、お金に困っているという様子も今のところ見受けられないので、園長が何かしらの収入を得ているのかな。 動物園の動物で特に餌代がかかるのがコアラらしく、一頭につき年間1000万超。餌のユーカリが新鮮なものでないと食べないうえにユーカリは餌として販売はされていないので契約栽培してもらわないといけないためにコストがかかってしまうらしいです。その次が純粋に大量の餌を食べる象で、年間の餌代は約400万円だそうです。一般的な象の一日の摂取カロリーは4万キロカロリー、日本人が好んで食すライスボール(オニギリ)なら約200個分に相当するカロリーです。ビスケット・オリバの40%程度の摂取カロリーかと思うと意外と安い気がしてくる不思議。あっちは餌の質も洒落になっていないから2.5倍程度の餌代じゃ済まないだろうし。 奇怪とんち噺 花咲一休(読み切り) 赤神様って、昔だったら不気味な掛け軸でしかないけど、自分の意志で動き、しゃべり、果てには立体化までできる美少女イラストって、現代だったら二次元の夢が実現した最高のアイテムじゃないですか。それを捨てるなんてとんでもない! 真っ先に『うしおととら』を思い出しそうなキャラセッティングではありましたが、とんちで勝つことで人助けになるというアイデアと、とんちの内容もうまく考えられてあって、なかなか楽しんで読むことができました。でもこれ、もしも連載化したら毎回とんちのネタを考えるのが大変そうだな。 命を狙われる関係でありながら、カルマのキャラクターがあまり深刻にシリアスにならないように調整しているのはうまいと思いました。 ただ、カルマ自身の能力が万能すぎるので、つまるところカルマに何でもいいからとんちで勝てばありとあらゆる問題が解決してしまうわけで、主人公の一休が駆使する「知恵」が問題の解決に直接は結びつかないという欠点があります。一回限りの読み切りとしてならいいですが、連載として持っていこうと思うともう少しカルマの能力に制限を付けるなりしないとマンネリになりかねないです。 あと、一休の衣装が微妙なラッパーみたいになっているのはちょっといただけなかったところでした。 SWOT 闇暗氷は熱血バトル漫画の王道らしく、時には戦い合い時には共に戦う、そんな関係となるようです。それにしてもこの世界には、人と殺し合いをしたり暴力を振るったりしたら逮捕や補導されるという概念が存在していないんですね。こんなイカれた世紀末で真面目に勉強しようとしている学崎の方がモア・クレイジーに見えてくるくらいです。 背景の校舎をよく見ると、普通にあちこち鉄筋レベルまで損壊しているので、本当に生徒の負傷や校舎の損壊なんてのは日常茶飯事で教師もあえてどうこうしようという気はないのでしょう。地下闘技場戦士が好きな時に好きな相手と喧嘩をおっ始めているのを止めようとするようなものです。むしろ彼らに律儀に学校に通って授業を受けさせていることがすごい偉業だと思います。第一話で学崎が教室で自己紹介していた時もクラスの出席率は100%に近い状態でした。 コンクリートの壁にヒビを入れるパンチを見せた殴野に対して、ゼロ距離パンチでコンクリートの壁を粉砕した学崎。第四話の時点ですでにかなりのところまで超人バトルをしてくれています。後期『テニスの王子様』や『魁!男塾』のようなノリで突き進む漫画と見ればいいのでしょう。学崎くんには最後まで己が学生であるということは忘れてほしくないところですけど。 ところで分厚いコンクリートの下敷きになった殴野くんは生きているのかな。鍛え抜いた波紋戦士のシーザーでもこの半分ほどの厚さの石の下敷きで致命傷となりましたが、鍛えた体だから多分大丈夫だよね。 さて、一人強敵を倒せばまた次の強敵が出てくるという熱血バトル漫画の王道らしく、今週最後に四人の男女が登場。ブレザー仕様の制服の助留沌高校でなぜか学ラン、セーラー服を着ています。今のところ一年生しか登場していないことを考えると、二年生以上の上級生でしょうかね。 めだかボックス 若干の過程をショートカットして、子供は何人欲しいか、からスタートした江迎と善吉の関係。暗黒武術会に例えれば戸愚呂チームの扱いです。前大会優勝にして超シード権待遇です。 ただしこの直前に善吉は江迎をお姫様抱っこするという、少年ジャンプではプロポーズに相当する行為をしていますから、ショートカットといっても婚約を誓った二人が結婚式とハネムーンをカットして子作りについて話し合うところまで飛ばしたにすぎません。それほど慌てるようなことでもありません。最近は芸能人が先に子作りから始めたというニュースもよくありますし。むしろ江迎さんは手間を省いて非常に効率的に話を進めようとしているだけです。 めだかに宗像、そして江迎と、(一応)ノーマルな人間でありながらよく異形に好かれてしまう善吉の性質は『戯言』のいーちゃんぽいところがありますね。 嘘かホントかは分かりませんが、人吉お母さんは球磨川くんの初恋の人だったそうです。子持ちの人妻幼女に恋した彼の女性の趣味は、熟女好きなのか人妻好きなのか幼女好きなのか判断に迷うところです。 とりあえず、初恋の相手にエロ本セレクトの手伝いを頼む球磨川くんに中年オヤジ的なセクシャルハラスメント嗜好があることは分かりました。 PSYREN 各地の神経制御塔で鳴り響くサイレンの音。このサイレンの音は初期の頃はドリフトたちにとっては生き残りゲームの始まりであり、謎と恐怖の対象でした。それがここで改めてサイレンの音に振り返るシーンを持ってきたのは最終決戦というところまで来ているんだということを感じさせてしまいますね。 まだPSI能力にも目覚めていなかった頃のアゲハらドリフトたちは、自意識も残っていないALFREDようなタブーにすら全滅させられかけていましたが、今では素手で軽々と殺せる雑魚敵でしかなくなっています。 ウラヌス「単純な興味だが…お前達は本気で俺達に抗い、世界を取り戻せると思っているのか?本気でこの変貌した世界が元に戻ると夢みているのか」 ここは別の意味でも気になるところですね。仮にアゲハたちが現代で天戯弥勒たちを止めるだけの改変を行った場合、新しい時間軸が生まれて平行世界が生まれることになると言われているので、いずれ現代に戻るアゲハたちとは違い、未来世界のエルモアウッドたちにとってはこの変貌した世界が彼らの世界であることは変わらないわけです。 ウロボロスを取り除けば、生物が生きていける大地を取り戻すことはできますが、その世界で文明社会を復興していくのは結局”根”の人間達の仕事になるわけですね。 第三星将のウラヌスをなんとか倒せたカイルたち。しかし前回の戦いでジュナス以降の星将たちがエルモアウッド勢の実力を大きく上回っていることははっきりしてしまっているので、W.I.S.E勢に打撃を与える最大手段であったはずの”陽の光”の作戦が不発に終わった時点でかなり厳しい状況になっています。作戦が失敗したから次はガチバトルで倒そうといっても勝算はほとんどないのが現実。この後期待できる追加戦力はノヴァを取得した夜科夫婦とまだ体力が残っていれば夜科朱鳥も、そしてそれよりも大きく戦力は落ちますが島原で生き残った大河と億号の二人。この二人だけは島原で死んだ描写はされていなかったのでおそらくは生存しているはずです。
ジャンプ感想(2010年33号) 『いぬまるだしっ』の前ページに置かれる脇知弘くんは、これは固定位置なんだろうか。 どっちも狙ってるよなあ。 ぬらりひょんの孫 水下から尻尾を尽きだしている羽衣狐様の姿がどうしてもオクトマンモスに見えて生きているのがつらい。 せっかくいいタイミングで巻頭カラーが来たのだから、1ページ目にはおじいちゃんを持ってくるのではなく、その後の羽衣狐様のシーンをカラーにするべきだと思うわけですが。 「四百年前よりピッチピチじゃの。ここが産卵場所かい」 淀君の体よりもピッチピチになったのは確かですけど、どっちかというとおじいちゃんがかなり老いたんですよね。牛鬼なんて四百年前と比べてもそれほどビジュアルに変化はないし。おじいちゃんの老化が早くなった理由は四百年前に羽衣狐から受けたダメージのせいということでいいんでしょうか。この辺明確な説明ってありましたっけ。 それでも妖怪でも牛鬼は四百年で老化は進んだようですし、体が若返るのは体を取り替えている羽衣狐か荒木先生くらいのものでしょうね。 あと、ヒト科かイヌ科の羽衣狐の出産を「産卵」という言い方をしているのは、「この虫野郎」的なニュアンスでおじいちゃん流の侮辱挑発トークってことでしょうか。 プロレスラー精神でリクオの鬼纏の攻撃を真っ向から受けて真っ二つにされた土蜘蛛でしたが、妖怪らしくまだお元気な様子です。これが吸血鬼だったら一通りリクオの爆発力を褒めた後で「おまえはこの土蜘蛛にとってのモンキーなんだよリクオォォォォーーーーーーッ!!」と言い出していたところですが、ただ見たところこれ以上戦う意志はなさそうですね。 とりあえず土蜘蛛的には戦いたいランキングの一位は「鵺」で譲れないようで、ここでリクオが土蜘蛛をうまく丸め込めれば百鬼夜行に土蜘蛛という大きな戦力をお持ち帰り、ということもありえるわけですね。まあ、土蜘蛛への恨みもある遠野勢がそれに納得しないかもしれませんが。 千年前京都に誕生した鵺とはもう一つの名。人間としての名前は安倍晴明だといいます。 安倍晴明といえばもう今さら説明するまでもない、古今を問わず特に妖怪物のお話では有名人ですが、妖怪側の存在として起用してきたのは珍しいですかね。 葛の葉という白狐の化けた女性と安倍保名という人物の間に生まれた子供が後に安倍晴明になったという伝承がありますが(参照:葛の葉(Wikipedia))、この葛の葉が羽衣狐だったとされるのでしょうか。 伝承上の九尾の狐エピソードでいうと玉藻前などが有名なのですが、こちらは安倍晴明に追い払われる役割でしたね。 胎児の時点で流暢な人語を操り、母親には礼儀正しく敬語を使い、そして妖と人の上に立つという大望を抱く、超エリートチルドレンの鵺こと安倍晴明MkU。生まれながらにして王様ではあったけど母親への尊敬の念の足りなかったメルエムや範馬勇次郎に比べると、羽衣狐は胎内教育にもかなり力を入れていたのでしょう。いくら可愛い我が子とはいえ、赤子に「なにをしているッッ早く飲ませろッッッ」などと言われるのはドSの羽衣狐様としては耐え難い屈辱でしょうしね。 トリコ 「焼き肉といったら白い飯だろうが」(by 井之頭五郎) 私も白いご飯だろ派なので、島袋先生とは焼肉スタイルは違うみたいです。 あと焼肉にワインって合うのか!?とも思ったのですが、調べてみたら相性いいらしく、それをメインでやってるお店もあるみたいですね。 余談ですが、上質の肉というのはどの部位を食べても美味しいもので、私個人的に一番味の違いに驚いたのはレバーでした。レバーというと苦くて固くて食べにくいというのがあって好きではなかったのですが、以前に赤羽のスタミナ苑で食べたレバーは柔らかくて苦みも控えめで軽くあぶる程度で充分食べられるくらいで、同じレバーでもこんなに違ってくるものなのかと思ったことがあります。 どんな一般人お断りの高級店になっても、メニューの種類や店内風景は普通の焼き肉屋なんですね。 特別展望室はすごいけど、建築設計的にかなりデンジャラスです。ものすごく危険な場所で食べることで感じる旨みがさらに増すとかいうそういう傾向の嗜好を持った人向けのアレなんでしょうか。 「おぞんそう」と言われて、小松がトリコと同じように「オゾン層!?」という受け取り方をしなかったのは、トリコが前置きに「絶品の野菜」、「野菜の王様」と付けていたからですね。いきなり「おぞんそう」と言われたら普通は「層」の方で受け取ってしまうことはすでにトリコ自身が経験済みですから、わざわざ小松を超高級焼き肉店に招待したのも口説き文句のための前フリだったわけです。 そもそもが、「オゾン草」というあんまり美味感を覚えさせないネーミングにも問題があると思いますが。 逢魔ヶ刻動物園 器物倉庫に女子高生を軟禁ですか。少なくとも家に連絡くらいはさせてあげないと事件になってしまう気がするのですが。 昼間学校のある学生に飼育員のバイトって無理があるなとは思ったのですけど、夏休み期間限定のバイトでしたか。ということは、このお話って夏休みの一ヶ月間ほどの短い期間の物語になるのかな。 BLEACH さすがに車谷善之助の存在は忘れていました。 久保先生はこういうところはきっちり回収してきますね。大量のキャラを登場させながらも、細かい脇役キャラへのこだわりはジャンプ作家の中でも群を抜いていると思います。 他の霊力を持たない一般人と同様に倒れていた車谷から斬魄刀を拝借してきた浅野。前々から気になっていたところですが、他人の斬魄刀って勝手に使えるものなのか。死神にとって斬魄刀は愛刀とかいうレベルではなく文字通り魂そのものなわけなんですが。しかもこれ、藍染になんなく砕け散らされるフラグが立ってるし。 浅野はとんでもないものを盗んでいきました、あなたの魂です。 SWOT 蓮野「黒い木刀持った奴で、強い奴と闘う事だけを生き甲斐にしてる」 学崎「バカだなソイツ」 すごいストレートすぎるツッコミで返してきましたね、学崎くん。 闇暗氷というかなり突っ切ったネーミングはもう狙ってのことなのか。「闇暗」という殺し屋家業でもやっていそうな彼のご両親の素性も気になりますが、子供の名前に「氷」と付けるそのネーミングセンスもかなりエターナルブリザード的です。 攻森が改造鉄パイプで、闇暗が黒木刀、そして学崎は鞄や教科書、鉛筆等、勉強道具を武器にするということで、それぞれお気に入りの武器を持たせていくのかな。この世界の不良達なら定規や縄跳び紐だって立派な凶器に仕立て上げるでしょう。こういうトンデモ要素は中途半端にやるよりはいっそ吹っ切れてガンガンにやってくれた方が面白くなるので、個人的にはこれをもっと加速させてほしいです。 学崎が闇暗に投げた鉛筆、相手の目を狙っていたうえに外れた鉛筆は校舎の壁を爆裂破壊。なにげにすごい超人バトルをやっています。当たっていたら失明どころじゃ済まないことになっていたよね。 鰯田「こんなスゲェ喧嘩見た事ない!」 喧嘩ってレベルじゃねーぞ。破壊の規模だけで言えばマフィアの抗争かテニスの試合に匹敵するのですが、しかしこれが『SWOT』の世界の一般的な学園生活なのか。治安の危うさで言えば箱庭学園に並ぶレベルです。 PSYREN まずは奇襲をしかけるフレデリカを、氷使いの第三星将、ウラヌスが迎え撃ちます。 サイレン世界において成長したウラヌスの能力は、単に氷の弾丸を放つだけではなく、氷の滑走路、スケート靴、氷の槍、と、様々のバリエーションに富んだ動きができるようになっていました。 この世界そのものを創り変えたいと思っている弥勒、その彼にグラナら元グリゴリの実験体たちがW.I.S.Eとして付き従っている理由、それが今週語られることとなりました。 が、これってもう最終局面に入ったってことなんですかね。 アゲハと雨宮さんがPSI能力の最終形となるノヴァの習得に入りましたし、未来世界でのターンはここで終わりになりそうな流れです。 話の展開としてはすごいスピーディーかつダイナミックな動きもあって盛り上がっていたんですけど、この締めに入ろうとしている雰囲気がどうにも気になってしまいます。
ジャンプ感想(2010年32号) 逢魔ヶ刻動物園(新連載) 呪いで兎の姿に変えられた園長と、人間のように喋ることのできる動物のいる動物園で、飼育係をすることになったドジっ子女子高生のお話。 読み切り版の設定とは若干の差違は見られるものの、ストーリーのコンセプトは基本同じようです。変身後の動物のデザインは結構変わっているのかな。顔が二つあるようなこのデザインはなんというか『ベルセルク』の使徒っぽくてなかなか怖いものがあると思いますが。自分が突然「蝕」の場に放り込まれた状況を想像してみれば、コレを見て頭がヘンになって逃げ出した人たちの気持ちも分かります。 これまでに飼育員希望にやってきて逃げ出した人の数は一人や二人どころではなさそうで、喋る動物がいるなんて情報は外部にリークされたらかなり致命的になりそうなのですが、「頭がヘン」になってしまった人たちはそんな心配は要らないと判断できるほどの状態になっていたということでしょうか。さらりと言っていますけど、結構怖ろしいことをしていますね。絶対園長の”力”も使って、もう外部に情報を漏らす心配のないくらいに「頭がヘン」な状態にされているよ。 話の作り方は悪くないし、漫画としての絵の描き方も上手いので、その点は期待が持てそうです。 ただ、今後どういう方向性で話を進めていくのかがまだ見えていないのが気になるところでしょうか。今のところ、不思議な動物たち(と園長)のいる動物園での蒼井と動物たちの触れ合いの物語となるのか、今回動物を拉致しようとする悪者が出てきたように、そういう勢力と戦っていくバトル展開を入れ込んでいくつもりなのか。読者の反響次第でどちらにも持って行けるようにしようとしているのが正解なのかもしれませんが。 半人半獣が獣の能力を駆使して戦うというのは、これはもうよくあるパターンながらもすごく話を作りやすい素材でもありますしね。蛇のお姉さんは絶対エロい方面で使われるね。 現実的な動物の飼育というのは、多種多様の動物を女子高生一人で補えるほど簡単なものではないのは言うまでもないことですが(そもそもアルバイトとして募集されることがまずない)、動物側がその気になれば自給自足で生活できそうなほどに人間化している連中なので、そうした現実的に大変な部分は解消させてあります。『こち亀』世界だったらこいつら絶対インターネットでビジネスしたり会社を立ち上げたりとかしている。 象やサイなど動物園にいるような動物は大抵、特定動物(危険動物)に指定されていますが、ここの園長はちゃんと許可を取っているのかな、性格的に取ってなさそうだよな。そっちの面でも非常にグレーゾーンで危険な動物園ですね。 ONE PIECE ハンコック「──では、何をすれば結婚になるのじゃ!」 とりあえず人が見ているところでお姫様抱っこじゃないですかね。 女性しかいない九蛇は男女の結婚という風習自体がないから、ハンコックがウブだからというだけではなく彼女ら一族自体に結婚という仕組みに関する知識がないわけですね。ハンコックは国の最高権力者なんだからわらわルールで結婚でも何でも好きにやればいいのですけど、肝心の結婚を成立させるために何をしたらいいのかが分からないのか。 SWOT 生徒が普通に改造鉄パイプや金属バットを持って徘徊する、とても世紀末モヒカンワールドな学校ですが、そんなアウトロー生徒たちでも体育の時間はきっちり守るという意外と律儀な面も。学校が学校ですから、そんな生徒たちを扱う教師もラオウとか山のフドウとかみたいなのがいっぱいいるんでしょうか。さすがにモヒカンクラスじゃラオウやフドウには逆らえませんよね。 学崎に倒された盛山くん、なぜか髪の毛も飛び散っていますが、この世界では殴られたダメージで血や歯だけでなく髪の毛も破壊ダメージを負う仕様なのでしょうか。それともまさか、学崎は気絶した盛山くんの髪の毛をわざわざバリカンか何かで刈ったのでしょうか。いやいや、いくらなんでも主人公がそんな鬼畜外道な真似をするとは思えません。越前リョーマとかテニスプレイヤーの類じゃないんだから。 それにしても杉田先生の描く殴られる不良の顔は『グラップラー刃牙』(最大トーナメント頃)並みの飛び散り率で鼻血と歯が飛んでいるのですが、この学校、なにげなく廊下に手を伸ばしてみたらここで戦った生徒達の歯とか爪の欠片とかがざらざら出てきそうですね。少なくともあちこちに血のシミはできていると思う。 ぬらりひょんの孫 土蜘蛛さんマジドM。 技を受けなくてもいい、相手の技を自由に防御していい、なんてのは土蜘蛛に言わせりゃ夢のようなハナシってところなんでしょうか。SUMOレスラーというよりはプロレスラー向きの性格ですね。 ところで鬼纏は一回につき一人までなのかな。百鬼夜行のコンセプトからしたら百人まで重ね纏いはできそうですけどね。その辺は後々リクオの成長に応じて鬼纏える人数が増えていくのかもしれませんね。京妖怪勢力で羽衣狐様の次くらいの実力者ぽかった土蜘蛛が初期鬼纏で倒されてしまったのはちょっと早すぎるようにも思いましたが。 例えば、リクオがつららとイタクと同時に3P鬼纏をできていた場合、氷攻撃と鎌攻撃が融合して氷の鎌みたいな攻撃もできたりするんでしょうかね。システム的にはミンサガの連携技みたいでわくわくするのですが、考える作者側からしたら大変なことになりそうですね。百人鬼纏した連携技とかもうワケの分からないことになりそうです。何人かは水・炎、柔・硬のような相反する性質が混じって打ち消しあっていたり。そこをまたリクオがうまく全ての性能を効率よく引き出せるようにトッピングを色々と考えたりして百鬼夜行の新技を考えてまた作者が死にそうなことになって。 羽衣狐様の貴重な入浴シーンに割り込んできたリクオのおじいちゃん。読者のためにせめてあともう1ページ分くらい間を空けるくらいの気配りは出来なかったのか。 入浴兼お食事中に土足で男に上がり込まれたわけですが、羽衣狐様が目を見開いているシーンに花弁が舞っていて、まるで恋する男に再会したシーンみたいに見えます。 BLEACH 斬月(イケメン体)と白一護が融合してまたややこしいキャラが誕生しました。ただでさえどちらも正式な名前がなくて呼び方に困っていたところにこれですよ。もういちいち名前を考えるのはやめて、白い人、黒い人、そして白黒の人と仮称しておきますか。こうして並べるとなんかキン肉マンゼブラっぽいですね。一護ホワイト、一護ブラック、一護ゼブラ。 たつきの窮地に現れたのは、大穴、ドン・観音寺でした。まさかの大穴がきました。競馬だったら万馬券ものだったのに。 まあしかし、長いこと本編に登場していない脇役キャラも大事に扱う久保先生らしいチョイスであったことも確かです。ペッシェとドンドチャッカもまたそのうち(数年後くらい)に再登場するんだろうな。 そして藍染がドン・観音寺の登場に結構素で動揺して、普通に「何者だ」と聞いているのがまた笑えてきます。強さ云々以前に心情的に警戒したくなるのは分かります。ドン・観音寺って『グルグル』でいうところのキタキタオヤジみたいなものだし。 トリコ 会長が水の上を走れたことよりも、トリコが水の上を走ることができなかったことの方に驚きました。この人達ならもう手持ちの技だけでそれくらいなんとかできそうな気もするんですけど。あれだけ特異な能力を持ちながらもまだ中国拳法家には及ばなかったか。 トリコがグルメ界に足を踏み入れるには、戦闘能力面では問題はないとのことですが、しかし過酷な気候に対応するための環境適応能力が足りないといいます。そういえば、トミーロッドはアイスヘルで防寒スーツなしでも白い息一つ吐いていませんでしたね。環境適応能力に関してはトリコをずっと上回っていたってことでしょうね。 めだかボックス 42歳の子持ちの幼女か…… 自分でも何を言っているのか分からなくなってきますね。 包帯メイドってどんだけマニアックな趣味なんだ。 まあ、彼女にとってはパンツを見せるよりも恥ずかしい行為である包帯を脱がすことはさせなかったのは兄としての良心か。 先々週くらいまではすごい巻きの展開が入ったのに、今週はまた新キャラ、新展開を出して来るという妙な緩急ぶりでなんとも危険な位置なのかそうでもないのか読めないですね。 あと校長は、大きな学校なんだから新しい教室くらい用意してあげようぜ。
雑記 ムーさんのところで『斬』キャラクター人気投票結果発表ですよ。 ジャンプ感想(2010年31号) SWOT(新連載) 『斬』の終わりから三年半ぶりに帰ってきました、杉田先生の新連載です。 話数の数え方が「眼鏡1」って、毎週眼鏡が壊れること前提なのか。 杉田先生はどんだけ読者を眼鏡漬けにするつもりなのか。ゴーゴー眼鏡's。 「助留沌高等学校」というネーミングにいきなり笑わされてしまったのですが、こういうところに杉田先生らしさを感じてしまったり。あと、学崎にぶっ飛ばされた不良の歯が折れる描写とかこういうところがやけに細かいところとか。 第一話のストーリーは概ね読みきりと同じですが、せっかく主人公の性格がお馬鹿だけど好感持てる性格なのだから、ヤンキーバトル路線よりは学園ドラマ路線でいくことに期待したいです。 ヒロイン蓮野は『斬』の月島さんとは対照的なセクシー系のキャラですね。今回は主人公の方が暴走する性格ですから、バランスを取るためにはヒロインを落ち着いた性格にする必要があるのでしょうけど。全体的にキャラクターの描き方が少し大人っぽくなっていますね。 ところでコウモリ君の露出ローレグぶりは、これは激しい動きをしたら絶対に見えてしまうレベルですが、ぱんつはいてないから大丈夫だもんてことなのでしょうか。 あと鉄パイプが三節昆に変形って、これそもそも鉄パイプじゃねーだろ、っていうかんじのツッコミどころの多さは相変わらずなのですが、この辺のギャグとシリアスの微妙なラインをいい方向に持って行けてしまうのも杉田先生の持ち味でもあるので、どんどんぶっ飛んだ凶器使いが出てくるのを楽しむのもありでしょう。 BLEACH 運悪く徒歩移動中の藍染に見つかってしまったたつき達。とりあえず今の藍染の優先度は、王鍵の製造<一護パワーアップのお膳立て、らしく、もしかしたら一時間といわずもう半日(現世時間)分くらい断界で一護が修行をしていても藍染は待っていてくれるんじゃないでしょうか。 多少の耐性があるため藍染に近付かれても肉片にはならなかったものの、藍染と顔をつきあわせただけで今にも吐きそうなくらいに気分の悪くなったたつき。女子高生にいきなりこんな態度を取られたら軽くショックを受けそうなものですが、さすが白タイツで町を闊歩する藍染さんはそのくらいじゃ動じません。 ところで霊力の素養のあるたつきと啓吾はともかく、ノーマルな千鶴とみちるはピチュンしないのかな。背負っていた友人がいきなり粉々の肉片と化したら発狂ものでしょうけどね。 たつき達の窮地に現れた謎の人影。今、空座町にいそうな霊能力保持者というと、コン、浦原商店関係者(鉄裁、雨、ジン太)、石田パパくらいですか。状況が状況ですから、おそらくはその全員が来るという可能性もありますけど。あと大穴でドン・観音寺か。 さらに大穴でいくと、今週唐突に前フリが作られた水色も何かありあそうですね。少なくともただ一護の学友達の人間関係を語るためだけで水色の話を出してきたとも思えないですし。ところで水色の顔を覚えている人ってどれくらいいるんでしょう。 ぬらりひょんの孫 戦える仲間は増えたものの、リクオの鬼纏は畏を大きく消耗するうえ、事前に相手の畏を見せてもらわないといけないという発動条件がありました。体力のない鴆などは一発出しただけできつくなるくらいに激しいプレイのようです。 そして勝手に自分がリクオの”初めて”だと思っていたら男女を問わずホイホイ「お前が欲しい」と声をかけているリクオにショックを受けたつららは一時離脱。体力的にはともかく、精神的には”再起不能”と書いて”リタイア”と読む状態になってしまったようです。リクオの背中にはすでに自分の他に鴆のシンボルマークも刺青済みだったはずなのですが眼中になかったようですね。 男でも構わず鬼纏っちまうリクオの性格のせいでつららは残念ながら二番目になってしまいましたが、でも女性では一番目だから大丈夫。 保健室の死神 「愚直」って才能なのか?経一さん、なんか遠回しにバカにされていませんか。もっと他にいいところはなかったのか。 まあでも、どんな人間からも「長所」を見いだせる技能というのは使い方さえ誤らなければすごく人の役に立つものになったはずですよね。 「やめろ…こんなもの入れたら…今度こそ……!」 小さい子供の体を「強引に開発」していったあげくにとんでもないものを入れようとする鬼畜オヤジにハデス先生もついに激怒します。一教育者の身としても、こんな幼い子に過酷な調教を強いたり全裸にオーバーオールというマニアックな格好をさせていることは許し難いでしょう。いや、後者は許してあげてほしい。 「人は噛みついて人を殺したりはしない!!」 「噛みつき(バイティング)など戦場格闘技では基本の一つに過ぎん」って、地上最強の人が言ってたよ。 PSYREN 出逢った時は「おじちゃん」と「ガキ」の関係だった二人が今では… なんていうか、とても胸が熱くなるお話ですね。 夜科パパの異常な若さに合理的な説明が付いてしまったのがちょっとだけ残念。よく分からないけど不自然に若いキャラでも良かったのに。 おちゃらけているようで誰よりも空気の読める男、カブト。二人の一部始終は見ていなかったにも関わらず、ちゃんと二人の関係を察して気を遣っています。いや、むしろ成長して読めるようになったのかな。 ただ、カブトはそのことを知らないのでしかたないのですが、すでに雨宮さんの方から「この世に生ける生物の中で一番好き」とまで言い切っているうえに、アゲハはお姫様抱っこで応えているわけで、そこまでストロベリー100%をやっている二人にこれ以上何をしろというのかというところはあります。『バキ』を参考に決戦の前にSAGAって強くなっておけということでしょうか。 W.I.S.Eはこの短期間に人事異動があったようで、死んだドルキの代わりにヴィーゴが第五星将に、第三星将にウラヌス(元グリゴリ03号)が入ってシャイナ以下は格下げ。その際に彼らのPSI研究や地域警備の役職も引き継がれるのかは分かりませんが、実力に応じて頻繁に入れ替わりのある十刃制をとっているみたいですね。ウラヌスが思い切りノイトラポジションですけど。 捕らえられたマリーや”根”の人たちは一応まだ無事でした。そしてシャオに首の骨を折られて結構重傷のはずのヴィーゴは戻ってきてから自分の身も顧みずにずっと寝ずにマリーの寝顔をガン見していたらしいです。半裸で。これが倒れた恋人の具合を案じる男女の関係だったらいいシーンにもなったんですけどね。マリーが目を覚ますまでの間にヴィーゴがナニをしていたのかとか、あまり考えたくはない。 ヴィーゴの顔を見た途端に服を脱がされているわけでもないのにまっさきにシーツを引き寄せるマリーもやはり彼にはそういう方面での危険というか不安を感じるのでしょう。 ところでヴィーゴの胸にいつの間にかイルミナが装着されていますけど、これはコミックで修正を入れて最初からそうだったことにするつもりなのか、それともシャオに敗北したことで生身のままじゃ力が足りないと思ってすぐにイルミナスフォージを受けたのか。少なくともシャオはヴィーゴのトドメを刺すのにイルミナスフォージではなく心臓を狙っていましたから、ついさっきイルミナスフォージが付けられたと考えた方が良さそうですね。 ”かがり火”の子に胸があるように見えたのはおそらく幻覚。もしくは描画ミス。 詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。(最終回) 今さらながら、正式なタイトルに「詭弁学派、」が入ることに気付きました。口八丁で相手を追いつめていく四ッ谷先輩の捜査スタイルを表していたわけですが。 個人的には作品の質としては、絵、ストーリーともに悪くはないと思ったのですが、人気がふるわなかったのはやはり、以前に私が感じたような、ホラー物として見た時に怖くない、という矛盾を感じる読者が多かったからでしょうかね。その先入観を取り払って読めばもう少し面白く読めた作品だったのではと思うのですが、描写としてホラー物としてのインパクトを前面に押し出しすぎていたので、読者はまずこれはそういうものなんだと思って読んでしまうのではと思います。 四ッ谷先輩は結局中学を卒業することなく高校に進学(?)。いや、制服はそのままってことは、進学ではなく中学を留年したまま高校に(無断で)出入りしているということなんでしょうか。もはや中学には登校すらしなくなった時点でもう義務教育の完遂は諦めているようです。 最恐の怪談を創りたいという彼の情熱はいいと思いますが、趣味にのめり込みすぎて最終学歴が小卒に、というのは他人事とはいえ色々と心配になります。ある意味彼の人生が最恐の怪談か。