2007/4/30スティール・ボール・ラン感想(#25 政府公邸の攻防) ・今月のあらすじ 百合でMの大領夫人スカーレットと二人きりになったルーシーは、スカーレットと秘密の花園の時間を過ごします。簡潔に言うと、『To LOVE る』でもここまではやらないようなこと、少年ジャンプでは絶対やれないような内容です。 そうして我慢できずに絶叫するほどに激しいプレイでやり合っていた二人でしたが、そのまま寝入ってしまったスカーレットを残してルーシーは大統領の寝室に忍び込みます。彼女はまだやりたいことがあり、満足してはいなかったのです。 大統領の寝込みを襲ったルーシーでしたが、逆に寝室に潜んでいた大統領の犬どもに襲われてしまいます。必死に抵抗するルーシーですが、犬どもに無理矢理体の中に入り込まれて倒れてしまいます。 そこに目を覚ましたスカーレットがやってきて、見られてはいけないところを見られてしまったルーシー、事態は修羅場を迎えることになりそうです。 スカーレット「お顔の上よッ!あたしの!そのカワユイお尻で押しつぶして!ああーーーっ 早く!早く押しつぶして!」 スカーレット「圧迫よォッ!呼吸が止まるくらいッ!」 スカーレット「興奮してきたわッ!早く!「圧迫祭り」よッ!」 もうエロいとかいう状況を通り越して笑うしかなかったスカーレットの奇行。とりあえず何を祭るつもりだったのか教えてほしい。 荒木先生がここまでエロス要素のある内容を描くのは『ゴージャス☆アイリン』以来じゃないかと思うのですが、掲載誌が「ウルトラジャンプ」に移ったことで、ちょいエロ〜15禁レベルの漫画が混在する環境に影響を受けたのでしょうか。結果として出て来たのは「圧迫祭り」でしたが。 今回明らかになった大統領の特技(?)、「どこを歩いても足音を立てずに歩ける」とか、「足でマンドリンが弾ける」とか、なんだか忍者のような特技をお持ちでしたが、これって後々のスタンド能力とかの伏線になったりするんでしょうか。単なるおまけエピソードで流されそうなところもあるので微妙なところですが。 しかし、缶ビールのイッキのみにマンドリンの足弾きとか、結構ノリのいい人なのね、この方。普段、側近の連中はみなノリの悪い人間ばかりなので、ハジケがいがなくてつまらない思いをしていたりするのかもしれません。立場さえ違わなければジャイロとはいい友達になれたかもしれません。 ルーシーの遺体奪取計画を手助けしていたホット・パンツ。登場初期に比べて、ボディーラインがはっきり女性と分かる描かれ方をされるようになっています。あと一人称がさりげなく「オレ」から「わたし」に変わっています。それはまあいいんですが、ただ顔は……男前のまんまなんですよね… せめて顎のラインか眉毛だけでも修正を入れてほしいと思うところです。 ▲
2007/3/25スティール・ボール・ラン感想(#24 湖畔のルールC) 金も遺体も全てを使い切り、得た物を全て失ったジョニィとジャイロ。 手に入れた物全てを使い切った者が「遺体」を手にすることができるこの湖畔のルール。しかし、「遺体」さえも使い切らなければならないという時点ですでにそこには矛盾が存在していました。「遺体」を手に入れるためにはその「遺体」をなくさなければならない。「遺体」を手に入れた者は必然的に「遺体」を手に入れることはできなかったのです。 ジョニィは最後に、「遺体」とジャイロのどちらを選ぶかの選択を強いられます。そこには両取りなどという都合のいい選択肢はありませんでした。ジョニィはどちらかを選ぶしかありませんでした。ジャイロが患者の母親と息子のどちらを救うのかを選ばなければならなかったように、ジョニィもどちらか一つを選んだのです。 しかし、最後にシュガーは言います。 「「全て」を敢えて差し出した者が、最後には真の「全て」を得る」 「あの2人はその「資格」を得た…」 確かに二つの遺体は大統領側のものになりました。ですがそれは途中経過でしかありません。これまでも「遺体」が誰かの手に渡る時、初めに見つけた者が手に入れるのではなく「遺体」の方が適合者を選んでいました。「遺体」の所有者は「遺体」が選んできたのです。今回「遺体」は大統領の手に渡っていますが、それは「遺体」に選ばれるという正統な手段によってではありません。おそらく最終的に全ての「遺体」をそろえることができるのは、「遺体」に所有者として選ばれた者になるのでしょう。「ネットのどちら側に落下するのか…?誰にもわからない。そこから先は神の領域だ」。 今現在、「心臓」の所有者となっている大統領ですが、残りの「遺体」を部下を仕向けて奪い取るという方法で手に入れようとしている彼は、「遺体」に所有者として選ばれる機会を自分で潰してしまっていることになります。 手に入れた物全てを失った二人は雪の中で乾杯をします。次の「遺体」に向けて。次のゴールに向けて… このシーンかっこいいなあ。 舞台は変わって、ルーシーに迫りつつある大統領の刺客、マイク・O。妙な口癖を持つ世界の男です。そして彼もまたスタンド使いの世界です。釘をペンシルバルーン状にして動くバルーンアートを作れる世界のようです。 大統領とマイク・O、この二人ものすごく真面目な話をしているのですが、絵的にはなんだか滑稽な世界です。真面目な話をしている大統領の前でいきなり風船芸始めるんだもん。 調査の手が近付きつつあり、自分がジャイロたちの手助けをしたことを知られるのも時間の問題の世界であることを知ったルーシー。ついに行動を開始します。そして彼女がコンタクトを取ったのは大統領………ではなく大統領夫人、スカーレット・バレンタインの方でした。内堀からではなく外堀から攻める世界のようです。事前にスカーレットの趣味嗜好をチェックしていたルーシー。彼女が図書館で借りていた本から、彼女が「女の世界」であることを推測、そしてコンタクトを取ったことで確信します。14歳の少女ルーシーの指先と舌先のテクニックの前に「ようこそ、女の世界へ」してしまいます。 それにしても、性癖がモロバレするような本を堂々と図書館で借りて読んでいたスカーレットもどうかと思います。少しは世間体を気にしろよ。 次回の『STEEL BALL RUN』は、 スカーレット「よかったのかしら、ホイホイついてきて。わたくしは14歳だってかまわないで「密やかな午後」する人間なんですのよ」 ルーシー「こんなこと初めてだけどいいんです…わたし…スカーレットさんみたいな人好きですから」 スカーレット「うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあとことんよろこばせてあげるわよ」 の三本です。 ▲
2007/2/27スティール・ボール・ラン感想(#23 湖畔のルールB) ジョースター家&ツェペリ家特大ポスターにシーザーがいない件について。 もしかして荷車の下で轢かれていたりするんでしょうか。それとも「大人は嘘つきだ」と言われたことにショックを受けた荒木先生が存在自体をなかったことにしてしまったのでしょうか。実際、冗談抜きで荒木先生がシーザーのことを忘れていた可能性もありますが。 それからジョナサンが裸にマフラーと手袋装着という変態チックな格好なのはなぜなのか。固定衣装のないキャラだったからいっそ服なんて着せなくていいかという結論に至ったのでしょうか。 スピードワゴンはこのジョナサンを見ても「外見や服装だけじゃねえ、正真正銘の紳士ってわけか…」と思ったりするのでしょうか。それ以前に紳士はこんな格好しないと思いますけど。 、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、 /⌒` 三ミヽー-ヘ,_ __,{ ;;,, ミミ i ´Z, ゝ ''〃//,,, ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡 なにジョジョ? _) 〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡 >';;,, ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了 他の歴代ジョースター一族のように _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.) お馴染みの衣装がないって? ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;) く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~ ジョジョ ):.:.:.:.:|.Y }: :! `二´/' ; |丶ニ ノノ それは服を着ようとするするからだよ ) :.: ト、リ: :!ヾ:、 丶 ; | ゙ イ:} { .:.: l {: : } ` ,.__(__,} /ノ 逆に考えるんだ ヽ ! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /´ ,/´{ ミ l /゙,:-…-〜、 ) | 「服なんて着なくたっていいさ」と ,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ __ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_ 考えるんだ \ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、 \ \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__ \ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_ `、\ /⌒ヽ /!:.:.| `、 \ /ヽLf___ハ/ { 一人二人を殺しても攻撃の手をゆるめない暗殺者たち。それどころか死体を利用してジョニィたちに攻撃をしかけます。この暗殺者たち、よく見ると一人一人顔が違うんですね。兄弟、もしくは一人の人間の分裂で11人同じ顔をしているかと思ったら、髪型と衣装を合わせただけのようです。そうなるとこの能力の定義ってどうなるんでしょうね。スタンド能力者は誰か一人だけで、そいつの能力で他の10人と融合可能にしていたのでしょうか。それとも「スケアリーモンスターズ」の時のように、首謀者は裏にいて、この11人は使い捨てのきくコマでしかなかったのか。 右腕を打ち抜かれて、応急手当のために「糸」を必要とするジャイロ。「糸」と言えばそう、ここで我々が思い出すのはゾンビ馬の「糸」です。ここ最近のジャイロたちのケガ治療には、(文字通りの)癒し系ガール、ホット・パンツの能力が使われていてゾンビ馬の糸が使われる機会がありませんでしたが、ここで久々に使うつもりなのでしょう。 ジャイロ「ジョニィ、「糸」持ってるか?」 ジョニィ「?」 おいおい、「?」じゃないよ、ジャイロが「糸」って言ったらゾンビ馬の「糸」のことじゃあないか。 ジャイロ「「糸」だよッ!どんなんでもいいッ!手術する!」 あれ……? ジャイロ「あんたら、その辺から「糸」を持ってきて欲しい……!!」 深い意味はなく普通の「糸」のことを言っている気がするのは気のせいか……って、最後も普通の「糸」で腕を縫ってるよ。 ケガの治療にはゾンビ馬を使えばいい……そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。 どうやらゾンビ馬については、ジョースター家&ツェペリ家特大ポスターのシーザーのように存在をなかったことにされてしまったようです。 「殺し屋」には「殺し屋」を。使い切れずに悩んでいた大金をカジノにいた殺し屋を雇うことで、「大金の使い道」と「敵の襲撃」の二つを解決したジャイロ。金をどう使い切るかどころじゃない窮地に立たせておいて、読者が半分忘れかけていたところで金の使い道を持ってくる。このきれいな締めくくり方にちょっと感嘆してしまいました。 が、しかし、実はまだ解決していなかった「使い切り」のルール。残っていたのは「遺体」の左腕と耳… ジャイロだけが植物化しているということは、ジャイロとジョニィの間に「遺体」の扱い方に気が付いていない差違があるということですよね。日没までにというのはジャイロにとってもジョニィにとっても共通するルールですから、ジョニィだけ植物化が遅れて発生しているとも思えません。 ここまでで分かっているのは、 ・「遺体」の「左腕」と「耳」も日没までに「使い切る」必要があり、この二つ(or うち一つ)はまだ「使い切った」ことにはされていない ・現在ジャイロが「左腕」を所持、ジョニィが「耳」を所持している ・泉に兎の「耳」を投げ入れて「遺体の耳」を手に入れたのはジョニィ(「左腕」は描写はないがおそらくジャイロ) ・植物化しているのはジャイロだけ ジョニィが植物化が始まることなくまだ「耳」を所持し続けていられているということは、ジョニィは「遺体の耳」を使い切ったと見なされているということ。二人の行動の差分というと、スタンド能力を使用したかどうか、それくらいでしょうか。次回、ジャイロがスタンド能力を再度発現させて、それで全て使い切ったことになるのかもしれません。「眼球」を手に入れた時は「スキャン」の能力を発現させていたジャイロですが、今度は「左腕」、これまでの「スタンド能力は一人一能力」の法則とはいささか例外的に、新たな能力を手にするということもありそうです。 ▲
2007/1/26スティール・ボール・ラン感想(#22 湖畔のルールA) ジョニィ「どうやって使えばいいんだ!!自動車でも買うか!?それとも女優に芝居させるとか!誰かと結婚してすぐ離婚、慰謝料ってのはどうだ?」 ジャイロ「そんな重てーものどれもひきずって歩けるかよ」 自動車はともかく、女優とか結婚相手とかはひきずって歩くものじゃあないと思う。色々と差別発言になりそうな台詞です。結婚相手については比喩的な意味で言っているのかもしれませんが。若い頃は患者の女性にまで手を出していたような男が、今では「女は災いを運んでくる」とまで言うようなっているところを見ると、過去にいろいろと痛い目にあったんじゃないかと勘ぐられます。そう考えると、適当に言ったように見えるジャイロの「そんな重てーものどれもひきずって歩けるかよ」という言葉も急に重みを増してきますね。 当座ジャイロにとってのは脅威は、 11人の追っ手>>>>>>>日没までに使い切らなければいけない金の使い道 だったわけですが、すぐに金の方も簡単にはいかないことがわかります。 先月の感想でこういうことを書きましたが、 「そもそも「使い切る」の定義がどこまでを意味しているんでしょうね。人に譲渡するとか、飛び道具の代わりに投げつけるとか、そういう使い方も「使い切った」内に入るんでしょうかね。より厳密にその物体を、料理なら食べ尽くす、札束なら買い物をして使い切るといったように、本来の用途で使用して消費、消耗しきるまでやって「使い切った」ことになるんでしょうか。後者だとかなり「使い切る」のは難しいですね。」 「使い切るのが難しい方」が正解でした。「使う」ということはすなわち、金銭にしろ道具にしろ食物にしろ、それを「使った」ことで何かしらの代価物を、実行結果を、充足感を得ていないといけないわけです。 もしサンドマンとの戦いになったのがこの直後だったら、土地を買うための金が必要なサンドマンと金を使い切りたいジャイロたちとの間で「大統領の仕事の破棄、新しい仕事の依頼とその依頼料の支払い」という形で利害一致できたでしょうに。松茸一山で山一つ買える時代で5億もあれば、部族の土地まとめて購入してもお釣りが来たでしょうに。 なかなか減らすことのできない大金を前に右往左往しているジャイロたちに追いついた「11人」の追っ手。巻き添えで撃ち殺されたカジノの従業員はとんだとばっちりだなあ。ジャイロたちも人前で殺し合いをやってしまって、この後大統領からとは別にお尋ね者になったりしないんですかね。事情を知らない人間から見れば、いきなりカジノで莫大な金を簡単に賭けたうえに男と銃撃戦をやって殺してしまったわけです(本当に死んだかはまだ怪しいですが)。もうどう言い訳したところで不審人物ではないなんて誰も聞いちゃくれないでしょう。 ところでお金の単位が「ドル」で表現されたり「円」で表現されたりバラバラなのが気になります。ジョジョ5部では読者にわかりやすいようにとの配慮から「円」で表現されていましたが、別に「ドル」のままでいいんじゃないですかね。 ジョニィの「爪」で撃ち殺されたはずの追っ手の男、しかしその体から消えた残りの10人の男達が這い出てきました。1つの体に11人の人間を融合させることができるのが「彼ら」の能力なのか、それとも1人の体を11人に分裂させることができるのが「彼」の能力なのか。とりあえずトドメを刺すには最低11回は殺さないとダメのようです。 あと彼らの後頭部についている赤ん坊だか宇宙人だかのような顔ですが、最初は髪型の一部か入れ墨か何かの模様だと思っていましたが、見ると目や鼻の部分に合わせて凹凸までありますね。もしかしてこれがスタンドビジョンだったりするんでしょうか。しっかし気持ち悪いなあ、これ。 右腕を打ち砕かれたジャイロ。回復手段としては当人の意志とは無関係に回復役にされているホット・パンツに頼むか、最近使うところを見ていないゾンビ馬でなんとかするのか、または、直前にジャイロが「遺体の右腕」を手に入れていることを考えると、「遺体」の力が発言してなんとかするのかもしれません。 ▲ |